『M-1グランプリ2010』の二回戦を前半だけ見てきました

日程・結果 - M-1GP2010

とりあえず出番を確認して、決勝経験者の変ホ長調こそいますが、準決勝経験者がボルトボルズ、学天即、いけばな教室、そして違う日から移動してきた、さらば青春の光の計五組しかいないという、いや三回戦経験者すら十組いないんじゃないかという出番を改めて見て、全部見て帰らないことを決意しました。
去年も少し「あれー、二回戦ってこんなレベルだったっけ?」という風に思ったけど、今年は何年か前の一回戦と変わらないレベルだったように思いました。前半ある程度見たら、ご飯食べに行って、また変ホ長調とかさらば青春の光を見に返ってこようと思っていたけど(M-1は二回戦までは途中入退場可能)、七組ずつ出てくるのですが、うち五組ぐらいがしんどいというのが続いて、さすがに食後にはもういいかと思ってしまいました(笑)。
前半五ブロックぐらいしかいなかったのに、とにかくお客さんの出入りが激しかった。もっとお客さんの観賞環境が良くなかった、NGKスタジオの頃の二回戦でもこんな事無かったし、ましてあの頃より入場料が倍になっているのに、お客さんが途中で席立つのが多かったのは、やっぱり大阪の二回戦のレベルが下がっている証拠でしょうね。
だってチュートリアルブラックマヨネーズプラン9とロザンとビッキーズ笑い飯麒麟が一度に見れて、1000円だった時代と比べると、この日は特にメンバーが良くなかったとはいえ、二回戦のパフォーマンスの低下は五年前と比べて急落しすぎですわ。あとこの日のMCは吉田ヒロ&たいぞうでしたが、カタカナですらまともに呼べないたいぞうさんのほうが、次に出演するコンビ名を読み上げる役をやっていたのは、正直どうかと思いました。
以下、物凄い簡単なBブロックの第2グループまでのレポートです。ちなみにトップ出番のマックサークルは見れませんでした。いつものように五点満点採点、四点以上が合格間違いなし、三点がボーダーという個人評価採点も付けます。ただ今回は全体がかなり低レベルだったので、かなり甘めの相対評価となっています。

ハイアンドロウ(フリー)「犬が喋れたら」合格

上手いのは上手いよね、という漫才でした。まあ今回の良い基準となった漫才だと思います。ただあくまで基準点だろうなと思っていたのですが、この後の漫才見ていって、ここ通るだろうなあとは思いました。3

水不足(よしもと大阪)「相方も禿げてほしい」

前半が受けていただけに、後半の失速が残念でした。2-

ひでまんしげまん(アマチュア)「リストラ→バスガイド」

去年の二回戦では、大阪のオバチャンの立ち話そのまんまの漫才で、会場の度肝を抜いたコンビで、今年は『あらびき団』にも出演していた大阪のオバチャンコンビですが、去年のネタの匂いがしないネタで成功したのに、今回はオバチャンの立ち話のような入りから、「そりゃそやな♪」というブリッジネタに行ったかと思ったら、バスガイドのコントに入ったりと、大阪のオバチャンコンビですら、大阪の芸人はbase芸人と同じような迷走してしまうのかと、変に感心してしまいました。3-

自己満足(アマチュア)「ジェイソン、借金の取り立て」

主題がジェイソンなのか、借金取りなのか、はっきりとさせてほしかった。1+

鯱(フリー)「競馬」合格

トリオ。以前にインディーズライブで見た事あるネタでしたが、こういうテンポがあって動きがあるネタは、舞台の格が上がって、会場が広くなると印象が良い方向に転じますね。前半の動き出すまでの流れが残念だなあと思ったのですが、合格したのなら、何も言うことはないですね。僕は動き出すまでのダラっとした感じがどうしても減点していまう。2

Body&Soul(よしもと大阪)「自分の葬式」合格

今日初めての会場が盛り上がったコンビで、凄く面白かったけど、Wボケの言い合いのシステムが、Wボケのパターンとして、少し古いようにも感じました。3+

ボルトボルズ松竹芸能大阪)「小学校の林間学校」合格

古臭い漫才スタイルと地味なキャラクターを逆手にとって、「子供の頃が懐かしい」というような手垢の付いた導入と設定、そしてとにかく昔からあるような小ボケを連発する漫才が、ピッタリとはまっていて、その中に時折はいるシュールなボケが、油断していたところに入ってきて、物凄い爆発力となっていました。さすが準決勝経験者の漫才というか、今年は狭き門になっている準決勝ですが、この漫才が出来るのなら関西から上位30組に入る一組に、入り込める可能性は大いにあるのではないでしょうか。4+

マイペースビーナス(アマチュア)「赤ちゃんが嫌い」

マチュア登録できてるトリオに、ここまで言うのもどうかと思うけど、一応テレビ放送する大会の予選に、企業名を多用する、ブラックなボケやシモネタばっかりのネタというのは、そういうキャラが浸透している人でもないのに持ってくるのは、止めておいてほしい。設定が散らかっていたとまで指摘するのは酷か。1+

ゴブリンラーメン(デリートエンターテイメント)「わくわくさん

このネタ見るの四回目ぐらいだけど、なんか見るたびにバランスが悪くなっている気がする。3-

コメディカル(アマチュア)「女の子に気にいられたい」

後半尻上がりだっただけに、前半のグダグダがもったいなかった。2

もすぐりん(よしもと大阪)「医者と患者」合格

ボケが無表情でシュールなボヤキ、そしてツッコミがハイテンションで絡んでいくという、2丁目劇場時代によくあったような漫才で、ベイブルースとかシンドバッドを思い出す漫才で、さすがにスタイルが古すぎるし、そのシンドバッドの人が審査員にいるんだから、合格はないと思っていたので、合格はかなり意外でした。でも15年前や10年前の漫才師と同じスタイルで、クオリティがベイブルースやシンドバッドより明らかに劣っていたんだから、僕はこの辺で落としても良かったような気がするんですけどね。ボケのシュールやボヤキが、頭で考えたシュールやボヤキだったし、何よりボケとツッコミのテンションに落差がありすぎる漫才というのが、いまの時代っぽくない。2+

ポテンヒット(アマチュア)「カブト虫取り」

地方のアマチュア丸出しの下手さ加減が、妙な好感度を与える漫才でした。アマチュア漫才としてはかなり良かったでしょう。2-

ハイドロポンプ(よしもと大阪)「インド人はいる、象はいない」合格

あーM-1の予選見てるなあと思う、凝った設定でテンポの良い漫才でした。4-

外人部隊ジョン&ニキータ((有)トニーズ・カンパニー)「ニキータが日本人と言い張る」合格

黒人の男性と白人の女性のコンビ、ツッコミのジョンさんが言い回しや顔の使い方が面白かった。二人とも単に外人という以上の良いキャラがあるのに、なんでこんな面倒くさいネタにしたのかなあと思いました。3+

アランドロン(アマチュア)「国税調査→谷亮子AKB48

ご存じ大阪のショーパブから、ドロンさんはオリジナルですが、アランさんはこの人が何代目なのかは良く分かりません。この日は初代アランさんは、明石家さんまラサール石井とゴルフだったと、ラサール石井Twitterからの情報でした。1

ポラロイドマガジン(よしもと大阪)「かつあげ」合格

ポップで面白かったけど、三人版のジャルジャルと言ってしまえば、それまでな気もしないでもない。あとNSC時代にやっていたリズムネタのほうが、メジャー感があった。いや面白かったですよ。ただこの路線だとbaseで止まっちゃうだろうな。4

フェーズ5(アマチュア)「借りにくいもの」

スミマセン、何にも思い出せないです。手元のメモも一切何も書かれていない。1-

デルマパンゲ(よしもと大阪)「一週間肉を食べなかった」

大阪のインディーズとbaseの中間ぐらいの芸人さんだなという漫才でしたね。3-

トムソンフォーマ(アマチュア)「スピーチにアドバイス聖徳太子

ボケの方が東大生ということで、そういう漫才なのですが、ツカミでそれを立てないから、途中でもう一度強調するまで、何だかよく分からないことになっていた。遣隋使は大陸のほうに行くことなのに、「島流し」と形容したりとか、東大生のいるコンビとは思えない粗も目立った。また漫才のスタイルがまんまウーマンラッシュアワーでした。2+

ベッターマン(松竹スクール)「ベタベタショートコント」

ブログで1号の骨折を見ていたから、小走りで舞台への入り捌けや、動きのあるネタをしているときの気になり方が仕方なかった(笑)。かなり受けていたと思うんですが、さすがに毎年同じ形ということで、落とされちゃったのかなあ。4-

キムチとライス(よしもと大阪)「SPがしたい」合格

日本人と韓国からの留学生のコンビ、去年のM-1やABC予選で見た時と比べて、飛躍的な進歩を遂げていてビックリした。ボケが韓国人という設定を、物凄い上手く消化していたし、一年でこんなに漫才上手くなるのかという感動もあった。ここも準決勝の期待と、あとABCは決勝の可能性があるように思いました。素晴らしかったです。4+

まつもと(アマチュア)「しりとり」

役者とサラリーマンの兄弟コンビということでしたが、サラリーマンの弟さんの方が達者で芸人っぽい佇まいなのが、ちょっとだけ面白かった。2-

アスタリスク(フリー)「女の子を紹介して欲しい」2-

インディゴ(アマチュア)「心霊現象」2

前のまつもとから、このブロックはスタートだったんですが、このブロックの前半五組の並びは厳しかった。

キャッツガイ(よしもと大阪)「相方が彼女に変装」1

ピーナッツボーイズ(アマチュア)「修学旅行」1+

前のまつもとから、このブロックはスタートだったんですが、このブロックの前半五組の並びは厳しかった。キャッツガイは、ツッコミが元スーパーZの人でしたが、独特のツッコミが影を潜めていて、普通の大阪のインディーズ芸人のコンビになっていた。

さるつかい(よしもと大阪)「女の子になりたい」合格

前半どうしたものかと思ったけど、後半一気に尻上がりに加速していく感じは素晴らしかった。是非とも準々決勝には到達してもらいたい。前半は3+、後半は4-というところでしょうか。

ぎんがてつどう(デリートエンターテイメント)「侍の決闘」

小さなライブで見た時には面白いかったけど、大きな舞台で見ると設定の下手さと、それを補う者のなさが目に付いてしまった。M-1のような賞レースで余計な小ボケや、本編と絡まないツカミは入れない方が良かった。3

ティーブンガットイーブン(アマチュア)「USJのアトラクションインストラクター」合格 3+

バイタルエリア(アマチュア)「どうする?」合格 3+

この二組ぐらいがボーダーラインかなと思ったら、二組とも受かっていましたね。もっといるかなと思ったけど、池上彰をネタにしていたのは、バイタルエリアだけでしたね。

ワンエイティ(よしもと大阪)「交通事故」2-

タウリンズ(アマチュア)「小学校の教師漫才」

手遊びや一年生で習う感じを使っての紙芝居とか、絶対にこれ学校で使ってるだろうというネタ満載でした。「これ一年生の鉄板」というボケの最大風速は凄かった。教師コンビって二回戦ぐらいまで、例年勝ち上がる人が多いけど、やはり人前で喋り慣れてるというのは、それだけで強い武器なのが分かりますね。2+

六甲's(NDL)「女性が気になること」

ブラックなところが悉く受けてなかったのがなあ。2-

アーリアン(よしもと大阪)「ファミリーファイターズ」合格

オカンと息子での格闘ゲームという、ありそうななのに、いままで無かった設定を出してきたところで勝ちですが、個々のボケや演技も素晴らしかった。関西の無名どころで今年の台風の目になるのは、このコンビでしょう。今日はこのコンビを知れただけでも来た価値がありました。4+
ということで、もうこの辺で気力が続かなくて、一旦退場したのですが、もう残りの出演者を見ても、会場に戻る気にはなれなかったです。見なかったところの合格者の字面からだけ受ける印象とかは、大阪予選が全部終わってからのまとめに回しますが、僕が見た部分は意外な合格も二組ほどありましたが、そんなに大騒ぎすることもないし、ほぼ納得の合格者だったと思います。多少甘かったなと思うぐらいでしょうか。
しかし24組しか見ていないのに、相変わらず「彼女が欲しい」と「小さい頃が懐かしい」という導入のネタが多いし、今年のホットワードは「マツコ・デラックス(=オカマ、女装)」「エクステ」「駒野のPK」でしたね、他の二つは時事ネタだから分かるけど、どうして「エクステ」なんてワードが今日こんなに流行ってたんだよ(苦笑)。
いやでも大阪の二回戦のレベル下がってるなあと改めて感じましたね、過去の二回戦のエントリー読み返したけど、昔の二回戦はこんな事無かったよなあ……。

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