去年の敗者復活戦を振り返りながら、今年の決勝メンバーを予想してみる

もう今日から大阪では二回戦が始まっているんですが、二回戦については大阪での二回戦日程終了ぐらいのタイミングで、まとめて語りたいと思います。

M-1グランプリ2009敗者復活(完全版)後編 - 一汁一菜絵日記帳

今回は時間も経っているし、全体的にかなり優しいモードの感想だなあと思って読んだのですが、100点満点の採点を見ていると、マイクを通しても小さい声な上に、壮絶に台詞を噛んだり飛ばしていたいけばな教室が50点で、それと同じ点数が六組、それより下にしているのが七組というのは、にづかさんもなかなかキツイ評価出してくるなあ(笑)。まあでもアマチュア扱いでエントリーしている人達と、決勝経験者やテレビでお馴染みになっている人達では、評価軸が違っていても当然かと思います。
この敗者復活戦のレビューを読んで、僕も去年の敗者復活戦を振り返っていきましたが、今年のM-1はやはり相当低レベルになりそうだなと、去年の準決勝進出者の漫才を見ていると、思わずにはいられないですね。去年の決勝メンバー九組の中でみても、NON STYLE南海キャンディーズがエントリーしていないようで、確実に二組は決勝メンバーが新しくなる訳ですが、U字工事キングコング、ダイアン、流れ星、ハマカーンラフコントロール、ヘッドライトは去年がラストチャンス、オリエンタルラジオ志ん茶もエントリーしていない。そういう感じで去年を振り返ると、千鳥POISON GIRL BANDぐらいしか決勝に達していると思えるコンビがいない。そう考えていくと去年から二組違うコンビを選ぶだけでも、かなり難しいんですよねえ。なんか普通に東京ダイナマイトハリセンボンが、また選ばれても仕方ない雰囲気の準決勝になるかも知れない。そのぐらい去年の準決勝を見て、来年はここが決勝をという期待をかけられるコンビが、新顔になかなかいなかった。
プリマ旦那見取り図コマンダンテあたりの去年のbaseの新顔は、依然として東高西低は続いているとはいえ、今年も準決勝まで辿り着けるかどうかというと、今年からは東京一発勝負になったのを考えると、なかなか難しいように思う。
チーモンチョーチュウ囲碁将棋ゆったり感ジャルジャル藤崎マーケットのように、レギュラーで出ている劇場のファンの嗜好と、世間に向けての漫才というのを分けて考えられない。もしくは分からなくなっているのを見ていると、「吉本は劇場がある」というのが漫才師を育成するにあたって、本当に強みなのか? という気がしてくる。ルミネや花月のように不特定多数の一見さんのお客さんが沢山来る環境ならば、それも真理かも知れませんが、baseやAGEAGEのような偏った感性の客層が固定客となっている劇場にばかり出ていると、どうしても数を演じることで技術面の鍛錬以外のメリットはあっても、どうしてもネタやキャラの幅が狭くなっている事例の方が、吉本の若手劇場でレギュラーになっている人達を見ると多いように感じてしまいます。
アジアンとろサーモンは、ここで前回結果を出していない旧作を引っ張り出してくるしかないのなら、かつてのランディーズシャンプーハットのように、敗者復活戦にはエントリーしないというのも、一つの見識だと思いました。
三拍子、タイムマシーン3号、磁石、流れ星、ハマカーンの感想で、にづかさんは「余計なものを足しすぎ」という趣旨のコメントを多く残していますが、僕の先日の「やりすぎる人達と、やらなさすぎる人達」というのは、まさにこの時の彼等の漫才を想定して書いたエントリーでした。
しかしこうして振り返ると、囲碁将棋の「JAYWALK」と、かまいたちの「海賊」のネタについて、決勝に行ける漫才と言っていた人達は、猛省するべきだと思うよなあ、新しさもなければ、囲碁将棋の「JAYWALK」を、プロの作家が胸を張って島田紳助松本人志に見て頂きたいと言えるテーマのネタなのか、かまいたちの「海賊」は、確かに言われてみればネタの構造がまんまタカアンドトシですね(笑)。そりゃダメだよなあ。
今年の期待として言うのならば、初めての決勝進出者の筆頭は我が家でしょうねえ、テレビ露出してキャラの浸透があってのことではあるんですが、逆に最近の審査傾向を見ていると、そのぐらい世間の知名度が無いと、審査員も上げてこなくなってるんですよねえ。
あと風藤松原も将来の決勝候補として名前が出ていますが、元々このコンビは関西系だから、関西系中心の審査員好みでもあるし、ずっと準決勝に勝ち残ってたコンビより、三回戦で足踏みが続いてたコンビのほうが、案外準決勝に行けるようになると、決勝に手が届く傾向が多いので、その辺でも可能性は高いでしょうね。あとは決勝常連同士の比較で、モンスターエンジン東京ダイナマイト、ハリセンボンの準決勝の出来があまりにも悪かったら、千鳥POISON GIRL BANDの復活もあるんでしょうが、本当ならこの辺はよほどのことがないとチャンスはもう回ってこないと思うんですが、ただこの辺に取って代われそうなところが、冷静に考えるとなかなかいないんですよねえ。
とりあえずモンスターエンジン東京ダイナマイトが二回とも決勝でダメだったんだから、準決勝の審査員はこの辺の審査傾向は、決勝審査員に否定されているとそろそろ学習するべきだと思う。少なくとも二組か三組ぐらいは『オンバト』や『漫才アワード』で評価されるタイプの漫才師を、番組全体のクオリティを保つ為の保険として入れておくべきだと思う。多少、冒険になってものろしとか女と男とか上々軍団とか上げてしまっても良いと思うんですけどね、このままモンスターエンジン東京ダイナマイト、ハリセンボン、千鳥、POISON GIRL BANDがいつも通り決勝に残ったり、タイムマシーン3号磁石が決勝に行っても、上がいなくなった繰り上がり感が丸出し過ぎて、あんまり感動がないんだよなあ。
それでも現実的な予想を書いていくのなら、笑い飯パンクブーブー、ナイツ、ハライチ、タイムマシーン3号、磁石、ジャルジャル、我が家、モンスターエンジンという感じになるんですかね、自分の予想だけど、あんまりこれ実現して欲しいとは思わない(苦笑)。
僕はもう思いきって、笑い飯、ハライチ、span!、のろし、スマイル、銀シャリ上々軍団風藤松原、我が家ぐらいのメンバーで決勝やって欲しいですけどね(笑)。なんなら笑い飯も外して、朝倉小松崎とか女と男プリンセス金魚が入るぐらいのことがあってもいいとすら思う。そのぐらいしないと、マジで今年で最後という噂を今年の決勝の後で、かき消せないような気もしています。

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