2010年10月22日のテレビ番組〜お笑いファンは浜田雅功を再評価せよ

さすがに『猫の恩返し』だと、そんなにTwitterは忙しくならないんだねえ。

『ENG』『Foot!

ルーニーの件が間に合わなくて、というのは生放送ではない情報番組の悲劇だよなあ、しかも今後も延々とリピート放送ある訳だし、福西さんは喋りがかなりこなれてきた。

検事・鬼島平八郎

検事ものでヒューマンコメディということで、何にも期待しないで観ていたけど、なかなか良かった。近年の日本の刑事(法曹)ドラマにありがちな『踊る』や『相棒』のような「現場=善、幹部=悪」みたいな二元論も、とりあえず影を潜めていたし、何より主役の浜ちゃんの存在感が良かった。緊迫のシーンで、突然検事が容疑者の頭をポカリとやって、いくらフィクション上でも許されるというか、重要なシーンとできるのは、浜ちゃんのキャラの浸透だろうなあ。そして最後に全部持っていった、ワンシーンだけ登場のたけしさんだけど、浜田雅功が主役のドラマで、ラスボスがビートたけしっていうのは単純に熱い。

オンバト+

朝倉小松崎は悪くないし、笑ってしまったところもあったけど、いかにも地方収録でギリギリ400Kbでオンエアされました。という感じのネタで、ここは今後M-1準決勝常連、決勝も見据えて欲しいコンビだから、厳しく見ておきたいんだよなあ、ネタ温存なんてしてる余裕はないだろうから、現状であれが最善と見ても良いと思うし不満。Gたかしは悪くないけど、やっぱりどうしてここがR-1決勝に? というのは改めて思ってしまった。ラバーガールオンバト基準で見ても、ラバーガールの中ではそんなにレベル高い方のネタという訳でも、このネタ無かったなあ。ジューシーズ天狗は、東京吉本っぽいねという以上の感想はなし。そして最後はのろしで、もう唄いまくり、動きまくりで理屈無しで楽しめるネタで、ここまでの閉塞感というか圧迫感というか、はじけ切れない雰囲気を、一期に開放してくれました。
やっぱりこういう純粋エンターテイメントに徹している。理屈抜きの笑いというのは、きちんと評価される土壌がないとダメだわ。希少野菜ばかり作ってコメ作りを疎かにしてはいけない。という自分でも良く分からない喩えを残しておく(笑)。でも関西勢も残っていないけど、東京勢もかなり例年の準決勝常連組が残っていなくて、今年のM-1は厳しい面子なので、のろしとかスマイルとかspan!とかプラスマイナスとかに、チャンス回ってきてほしいです。
先週のプラス1はWエンジンだけど、このネタ知っていてダメなの知ってたから、こちらも特に感想はなしで、このコーナーもすっかり知名度高いコンビか、吉本の劇場で人気者が順当にファン投票で一位になるようになっていて、「このコンビが一位になったか!!」的な驚きは皆無になって参りました。
そのプラス1の今週の10秒アピールで、天津のネタが少し流れましたが、相変わらずツッコミがボケを全部説明するネタで、この辺のツッコミが長台詞で、ボケの意味を全部説明するという構造は、ダイアン、千鳥、アジアン、モンスターエンジン銀シャリかまいたち、スマイルなどにも見られる特徴で、これが近年の大阪や吉本の芸人の、理屈っぽさと手数の少なさの要因になっている。
このボケをツッコミが全部説明するという手法は、どこから始まったかというと、おそらくダウンタウンから始まっているんですよね、その後の130Rとか、オールディーズとかも、全部そうだったけど、ツッコミがボケの状況説明や、本当はこういうべき台詞というのを、全て説明台詞で解説していくという構成で、ダウンタウンはともかく、後のフォロワー達の理屈っぽさと、冗長さの元になっていた。
ではどうしてダウンタウンは、そういう理屈っぽさと冗長さが無かったかというと、やっぱりそれは浜ちゃんが上手だったんでしょうね、浜ちゃんは漫才時代自分の下手さを自覚していたという話がありますが、そういう思いがあったからこそ、長い説明をどうコンパクトにまとめてツッコミ台詞にするか、という所に工夫をしていたのかも知れません。
松本人志の笑いは、基本的に「どんなツッコミを入れるか」というのが、基本コンセプトだというのは、先日の『MHK』の感想でも、『プロフェッショナル』の感想でも書きましたが、ダウンタウンの笑いの構造というのが、基本的にツッコミ依存型なんですよね、だからダウンタウン以降のお笑いというのは、ボケたらツッコむというのがメインになった。そしてダウンタウンの笑いの方法論が天下を取ってから、「ツッコミに依存する」という漫才スタイルだけが、広まってしまったのが、いまの難解な設定とシュールなボケを、説明台詞でカヴァーするという、理屈っぽさと冗長さを感じさせる漫才やコントが主流になったのではと考えだしています。やっぱりダウンタウンって、本当に真似するべき所を真似されないで、あんまり真似しない方が良いところばっかり、後続に真似されている気がする。

『ごぶごぶ』

そんなことを考えながら『オンバト』終わりでチャンネルを変えたら、鶴瓶師匠を延々とヘッドロックしながら、道を歩いてる浜ちゃんの絵面が飛び込んできて大爆笑。裏番組で『きらきらアフロ』をやっている鶴瓶師匠が、『ごぶごぶ』のロケ中に偶然通りかかって、映してはいけないということでのことだったみたいだけど、いやあの絵面こそが、まさに理屈も説明もいらない、浜田雅功の凄さだわ(笑)。いまGAORAで再放送始まってるみたいなので、契約している方はこの回楽しみにして欲しい。

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