『ハーバード白熱教室@東京大学』後編

リアルタイムでは途中からになってしまったんですが、でも今回は厳しかったなあ。録画を見返していてもしんどかった。前回はそれなりに巧く回っていたけど、今回の「日本の戦争責任」「アメリカの原爆投下の責任」という話は、ほとんどまともな哲学論議にならなかった。
「日本の戦争責任」の話は、「中国・韓国に謝罪するべき」「謝罪するべきでない」というのが、どこまでも感情論の声しか出てこないで、今日のある意味主役状態だった自称コミュニタリアンの人も、論理破綻が著しくて、サンデル教授に集中攻撃を受けた上で切り捨てられた(また彼が前回のアキラのようにチャーミングでもなかったんだ)。
サンデル教授も哲学の手前の話に終始する、日本の聴講生に対して諦めたのか、話題を「日本への原爆投下に対して、今のアメリカに責任はあるか? オバマ大統領は謝罪するべきか?」というテーマに代えて、ようやく哲学的な答えが番組開始から40分経ってようやく出てきたけど、結局これも感情的になる人によって、哲学的な論議にならないで終了してしまった。
サンデル教授は最後のまとめで、うまくまとたような形にはしたけれど、最後の論議は、受講生側が未熟すぎて失敗だったよね。日本人がディベートに向かないとかではなく、近代史を日本の学校で教えていない問題、論議させてこない問題がモロに浮き彫りになった感じ。
サンデル教授は授業後のインタビューで、「身近なテーマにしないと意味がない」といってたから、おそらく「オーストラリアとアボリジニ」みたいなテーマにしたくなかったんだろうし、おそらく「日本人は近代史を全く勉強せずに大学生になる」というのと、「感情論しか出てこない可能性」は、事前に番組か大学関係者に指摘されたけど、やったんじゃないかなという気にもなりました。

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POLYDOR(P)(D) 2010-12-08

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