「平成22年度 NHK新人演芸大賞」の演芸部門予選を見てきました

14日と15日の二日間に、NHK大阪放送局であった予選を見てきたのですが、感想はまとめて今日書きます。ちなみに大阪予選はこの二日で終了で、東京予選は先週に既に終了しているそうです。

NHK新人演芸大賞の予選|お笑い好きで腐男子の適当な日々

しかし初日に関しては、ほとんどこちらの感想に付け加える事が、何もないんですよねえ。上位三組が、さらば青春の光、プリンセス金魚、チキチキジョニーという松竹独占も同じだし、かといってこの三組が決勝確実、飛び抜けて良かったという訳でもない。ビタミンSとキンチャクが今回の並びだと良く見えたとか、吉本の有名所がしょんべんカーブばっかり投げる中で、唯一しっかりとした暴投気味の変化球を投げてきたドレッドノートが、しっかりと印象に残ったとか(でも土佐藩士の会話というボケなのに、台詞が薩摩弁だったのはどうかと思ったけど)、ほとんどの感想が一緒なんですよねえ。
とりあえずモンスターエンジン天竺鼠、ソーセージ、銀シャリあたり変化球ネタが続いたのは、見ている方からしたら辛かったですよね、どうしてそんなに素直にネタ進めるのが嫌なのかなあ、あの人達はと思った。スーパーマラドーナなんかも、結構変化球ネタだと思うんだけど、この辺と比べたら正統派に感じ取れた。
藤崎マーケットギャロップについては、これは今回比較的良かったウーマンラッシュアワーや和牛にも言える事ですが、漫才の世界観が狭いということに尽きるんだと思う。普段出ている劇場で、身内のようになっているお客さんだけしか見ていないから、漫才の世界観が広がらないし、経験を積むほど世界観が小さくなってしまう。昨日のブラマヨの番組で、吉田とチュートの徳井が「毛偽証に出ていた時も、目の前のお客さんだけでなく、その先にいるお客さんに向けてやっていた」という話をしていたけど、そういう意識の差がホームでは受けるのに……、という状態から抜け出せない所なんでしょう。
まあだからこの日のベスト10は? という風に聞かれたら、僕もフロントライン、サンロードといった広島吉本勢や、よしもとの女性タレントコース出身のキンチャクの名前が出てきてしまうのですが、銀シャリ藤崎マーケットモンスターエンジンギャロップ天竺鼠が出ていた日の予選で、そんな結果しか振り返られないのは残念です。
一組だけSmileさんが、触れていないコンビについて触れると、baseのオーディション組らしいのですが、らんちきハイツというコンビが、小道具を使ってインパクトのある事をやっていて、しかも出オチかと思ったら、後々のボケも非常に練られているものが多くて、五分という持ち時間はしんどかったですが、最初の二分、三分だけなら、この日一番笑いを取れていたのではないでしょうか?
もうとにかくこの日は、お客さんが重かった事に尽きますが、ただこれはお客さんの責任ではなく、有名所がややこしいネタばっかりやったことが、そういう雰囲気にしてしまったと思います。
この日だけの感想なら、審査員が嫌いでなければ、さらば青春の光は確実で、プリンセス金魚にも三年連続決勝の可能性ありで、あとはみんな厳しいかな、明日もこんな雰囲気になればチキチキジョニーウーマンラッシュアワーにチャンスがあるかな? というぐらいの印象でした。
そして次の日の二日目ですが、この日は一転して、お客さんの雰囲気も良く、会場が爆笑に包まれることが多い日でした。これはのろし、span!かまいたちといった実力者が実力を発揮したということもありますが、僕はトップ出番だったぎんがてつどう、その次の出番のシャングリラの二組が、それぞれ最初の出番で、非常に分かりやすい正統派の漫才とコントをそれぞれ演じた事で、会場が暖まって笑える雰囲気になったのは大きかったと思っております。
また前半のかなり早い時間帯に登場したガリガリガリクソンが、この格好NHKということもあり、普段より三倍増しのシモネタと企業名・商品名ネタで、大いに盛り上げてくれたのも大きかった。いやでもガリガリガリクソンとか、今回は参加していなかったけどツジカオルコとか、決勝には絶対に残して貰えないようなネタを、予選でやりきって会場を盛り上げるという役割を果たしているのは、素晴らしい事だと思いますし、こういう良い仕事していると、絶対に誰かが見てくれていて、評価してくれるんだろうなと思いましたね。
今日はspan!、のろしの二組が続けての出番で、アワードで一番盛り上がった対決のネタを、どちらのコンビも演じていて、これがこの予選の最大の山場でした。スピードと手数の多いボケ、息付かせない展開、歌や動きのネタに転換していく構成、そして盛り上がるお客さんを話さないサービス精神、この二組に関しては文句を付けるところは何一つありませんでした。まだ予選の結果は発表されていませんが、この二組の内どちらかだけでも落ちたりしていたら、NHKの審査員は頭がおかしいと言ってやりたいです。でもそんなことは流石に無いでしょうけどね、この二組だけ受け方が違いすぎた。
あと僕の中で、決勝当確かなと思ったのが、かまいたちでした。漫才ではなくコントでしたし、ネタ自体は一つのボケを延々繰り返すだけのネタですが。ここは山内のキャラクターショーとして完成していました。やっと中国人という設定以外でも、山内のキャラクターが活きるネタを大舞台に持って来れたと思いますし、今年の『キングオブコント』の準決勝の評判が良かったのも納得しました(ネタ同じだったかは分かりませんが)。
この三組の合格は堅いと思うのですが、あと一組というのが難しくて、この日の女と男、学天即の二組は、前日のトップ3と同じかそれ以上の出来で受けだったと思うので、初日からは無しということもありそうな気もしています。
僕の予想としては、次のような印です。

◎ のろし、span!
○ かまいたち
▲ 学天即、女と男、さらば青春の光
△ プリンセス金魚、ウーマンラッシュアワースーパーマラドーナ
× ビタミンS、キンチャク、和牛、ボルトボルズ、フロントライン、ドレッドノート

というところでしょうか。まあでも上の三組は確定で、▲にした三組の中から、どこか一組だと思います。

B002TJBBDA凸base(デコベース)~baseよしもとネタ全集2010~ [DVD]
よしもとアール・アンド・シー 2010-01-01

by G-Tools