2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会 グループH第1節「スペイン vs スイス」

スイス、したたか金星!葛藤する母国に一体感 - サッカー - SANSPO.COM

攻撃の重要な選手が二人も怪我で出られないスイスは、序盤から前線に一人だけ残して、殻にしっかりこもって、序盤から自分たちも相手にも何もさせない。エースが出られない状態で、相手はグループ最強どころか、優勝候補筆頭にあげられてるチームなんだから、ここは守り倒して勝ち点1で万々歳で良いんだけど、それにしてもこんなボールを持たされてるサッカーの極致みたいなのは、さすがに始めてみたかもしれない。
スイスはセンデロスの負傷などがありながらも、この試合を壊すサッカーを完遂しただけでなく、しっかりと相手に喉に食らい付く牙も研いでいて、無事にアップセットの女神が輝きました。この試合単独の単勝オッズはスイスの11倍だったというのは、結構おいしいなと思いました(笑)。
しかし現代サッカーにおいて、用具とルールの改良は、ゲームが面白くなるように、つまりサッカーの場合は、ゴールが決まりやすいようにという方向だけど、このボールはあまりにも行きすぎて、かえって各チームを守備的にしているよな。近年のアウェーゴールルールが、ホームチームを守備的にしているわけだけど、良く飛びすぎるボールというのが、より一層の守備の緊張を生んでいるように思った。
しかしスイスがスペインを巧く殺した、という言い方も出来るかも知れないけど、メッシ抜きのバルサ状態のスペインって、元々こんなもんじゃねえの? という気もしないでも無いんですけどね。

スイス 1-0 スペイン | 『オシムの伝言』公式ブログ

試合後はスーパーオシムタイムになったけど、まず第一声からFIFAに対するダメ出しで始まって、FIFAのスケジュール、メディアの選手への圧力が、凡戦を生んでいると大批判、熱く長く展開中。この試合の後にここまで熱弁振るうか、という凄い語りまくり。
疲れすぎている選手が、無理矢理起用されているという話しは、「その選手が誰かは言わないけど」と念押しながら、結局イニエスタって言っちゃったなオシム△(笑)。しかもクリロナとメッシも返す刀でバッサリ。スイスの守備的なサッカーではなく、ブラジルやスペイン、ポルトガルイングランドといった国の選手達が、過密スケジュールやメディアからのプレッシャーで、ワールドカップで本調子を見せられない状況の方を、「アンチフットボール」と嘆いている。一方で疲れて調子が上がっていないスター選手を、スター選手という理由で起用しているチーム関係者にもチクリ。
このまさかの大熱弁に、スカパーの日本スタジオは全員固まっていたのが、この試合の中継のハイライトでした(笑)。いや今日はいつもよりも熱く直球で、FIFA批判展開していて、爺ちゃんスペインに期待してたんだなあというのは凄い分かったよ(笑)。その後のオシムバルバリッチのサッカーの話ではない、完全に世間話での褒め合いと、オシムの照れ隠しでの皮肉のやり取りも面白かったです。
しかしスイスがスペインに勝って、アップセットというのは、あんまりしっくり来ないよなあ? スカパーの『ジャンルカなう』での、幸谷さんの「スポーツの世界では良くある普通の“大事故”です」が最高でした(笑)。