2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会 グループB第1節「韓国 vs ギリシャ」

[川本治]4強の02年よりレベル上【ニッポン原論】│スポニチワールドサッカープラス

韓国国内では、2002年を越える最強の代表チームと言われるものの、ベテランの安貞桓が、ギリギリで三年ぶりの代表復帰を果たしたように、FWの決定力不足が課題の韓国と、EURO2004では、とりあえず1-0になったら、「あーギリシャが勝った」と思えるサッカーで、欧州を制したこともあるオットー・レーハーゲルギリシャという、現状のチーム力が、試合前には、なかなか計りきれないチーム同士の対戦でした。
とりあえず試合が始まる前に、観客席にいるブブゼラ持って、吹いて踊ってる韓国応援団のノリの良さを見て、「韓国はアジアのラテン」と言われる所以が、強烈に理解できた気がしました。
最近のワールドカップしか知らない人は、客席の空席に呆然としている人が多かったけど、そもそもスタジアムの規模の最低条件が、フランス大会なんかと比べても大きくなっているわけだし、2002年も韓国のベニューはガラガラだったけど、昔だってメキシコ大会のマラドーナのいたアルゼンチン戦でも、客席に空席が目立つ試合もいま昔の映像見たらあるわけだし、いや開催国と縁も因もない、スター選手もほとんどいないカードで、これはすげえ入ってるじゃないでしょうか。ちなみに一番チケット売れてない試合は「日本vsデンマーク」らしいです……。
しかし最近の韓国代表は、現旧のJリーガーが多数いるということもあるけど、チーム自体がフェアで、中盤で綺麗なパス組み立てをする、日本人好みのサッカーに変貌していること、またワールドカップ予選で組み分けが、別になるのが当たり前になっていることもあって、直接のライバル関係を感じる機会も少なくなっているので、肩入れして見やすくなっている。
ギリシャは序盤の押せ押せの展開になっていたときだけで、李正秀がヘッドであっさりと先制すると、ストロングポイントであったはずの、守備の酷さが目に付くようになってくる。韓国は良いサッカーしてるけど、それに輪をかけて、これはギリシャが弱いという展開になってきました。これならバーレーンの守備の方が厄介というレベルになっている。
攻撃に関しても、EUROを制した時は、コーナーキックを一試合中に一本でも取れれば、もう1-0で勝つのは確実と思えたけど、デラスがいなくなって、ハリステアスにも04年の時のような点を取る雰囲気がなくなっていて、両国の実力差がそのまま結果に出たように見えました。ポルトガルとのEUROの決勝は、コーナーキック取った瞬間に、これで決まったとすら思えたのになあ。ギリシャレーハーゲルもお手上げという感じで、本大会出場自体が、ボーナステージかのように感じさせる試合でした。毎大会一組ぐらいいる「どうやって欧州予選勝ち抜いてきたの?」というチームでした。
でもこの試合でも韓国代表の得点は、DFとMFだったように、FWの決定力不足が課題というのは、良く見える内容ではありました。
しかしこの試合はカズダンスも披露した、朴智星にもう尽きますね、国を代表するスターが、守備に走り回ることを厭わない。この差こそが、いまの日本と韓国のサッカーの差でしょう。本田が朴のように走ってくれれば、日本も少しは世界と戦えるようになるんでしょうが……。しかし2点先制した途端にねクローザーとして金南一を入れてくるなんて、欧州のもう少し格上のチームでも、たまんないだろう試合展開だった。
あとTwitter上で、ギリシャパパドプーロスを、タマモクロスと空耳している人は、僕のTLだけでも三人いらっしゃいました(笑)。反応見る限りあちこちで空耳した人がいたようでなんか嬉しい(笑)。
最後にスカパーのスタジオゲスト解説が、岡山一成だったけど、岡山は頭良いし、話巧いし、何よりサッカーを論理的に分析して、言語化する力が凄くあって、明らかに監督、解説者向きだわ。韓国人脈を今培っているのも、将来に向けた布石として、大きなものになっていきそうです。

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朴智星 慎武宏(構成・監訳) 金龍太

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