Jリーグのチャンピオンシップの復活にも、日本サッカーの観測気球の上げ方にも反対する

Ｊチャンピオンシップ　来年度にも復活へ（サッカー） ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

明らかに観測気球ではあるんだけど、本気で反対しないと大変なことになりそうなので、絶対反対という意志を明らかにしておきます。もし万が一にも実現してしまったら、絶対に各チームのサポーターの中に、温度差が出てしまって、足並み揃えた反対運動なんて、絶対に今の状況では出来ないと思うので、観測気球の間に、大騒ぎすることが大切だと思うのです。というかここに出ているプレイオフ案なら、以前のセカンドステージ制の方が、優れたシステムでしょう。
この問題を論じる時に、一番気を付けないといけないこと、それは「肯定派も否定派も野球のCS（クライマックスステージ）と一緒にするべきじゃない」ということです。
まずNPBのクライマックスステージは、導入されたばかりの頃は違いましたが、決してリーグチャンピオンを決定するためのステージではありません。セリーグとパリーグの優勝チームというのは、あくまでもリーグ勝率1位のチームに与えられています。クライマックスステージはあくまでも、日本シリーズに各リーグ代表で出場する、挑戦権を賭けた大会であって、チャンピオンシップではありません。そして強豪チーム同士が、短期決戦で白黒を付けるという大会に、リーグを代表して出場させるチームを、強豪チームだけで短期決戦で決めるというのは、一面で理に叶っていると考えられます。
しかしリーグチャンピオンを、プレイオフで決めるというのは「一年間のリーグ戦は何なのか？」という風に批判されても仕方ないでしょう。もう廃止されましたが、エールディヴィジがプレイオフを導入したり、プレミアシップも検討していると言われていますが、これらは全てチャンピオンズリーグへの出場権プレイオフであり、リーグ順位を決めるものではありません。このようなリーグ戦の意義を揺るがす、チャンピオンシップのあり方は、サッカー的でもなければ、スポーツ的でもないものです。年に一度や二度のマスコミの注目や、テレビ局やスポンサーからのキャッシュを目当てに、そのあり方まで変えてしまうことは、到底容認されるべきではありません。
例えばアメリカのように、国土が広くて地区別で順位を出しているとか、かつてのJリーグのようなセカンドステージ制、昔のブラジル全国選手権のような複雑なシステムならば、チャンピオンシップをする言い訳というのはあるでしょう。でも全国1ステージ制の年間リーグ戦で、最後にチャンピオンをプレイオフで決定するというのは、キャッシュ以外の目的を完全に見失う行為です。こんなプレイオフのチャンピオンシップをやるぐらいなら、まだセカンドステージ制に戻す方が、よっぽどまともなアイディアと言えるでしょう（戻せと言ってるんじゃないですよ、念のため）。
またただでさえローテが厳しい、試合が多いという観点からも反対、というかそういう理由でJ1とJ2の入れ替え戦って、廃止になったんじゃないの？どうしても注目度の高い試合がやりたい、スポンサーが喜ぶ大会をしたい、Jリーグに金が落ちる主催試合がしたい。というような都合があるのならば、例えばゼロックスをJ1上位何チームやナビスコ王者にも拡大して、それをACL出場権プレイオフにするとか、J1優勝チームと、Jリーグが招待した欧州の強豪チーム、代表チーム、ジダンフレンズみたいな選抜チームとの親善試合を、Jリーグ主催試合として開催して行うとか、姑息な金と耳目を集める試合はいくらでも、日程さえ考えなければ出来るはずです。でもその日程がもうどうしようもない所に来ている。そして一足飛びにチャンピオンシップなんてものを、金に変えてしまおうとする安易さにガッカリです。こんな観測気球を上げるのは、極めて下品な筋の悪い話としか受け取れないです。
そういう意味では、この議題の中身よりも、昨今「検討中の議題をスポニチにリークして、観測気球にする」という流れが、日本サッカー協会やJリーグのお約束になっていることの方が、いまの日本サッカー協会やJリーグの組織の黒さが、僕はこの件では一番薄気味悪く思っています。