2010/03/05 スポーツ 五輪〜国際ルールを知らない者や、今のルールで強者じゃない者に、ルールを変えさせることは出来ない

『風雲児たち』を読めの一言で済ませられることを、いまから延々と語ります。

今更ながら冬季五輪 | 白線の内がわ

国際化というのは、そういう「節操のないもの」に巻き込まれていくリスクを背負うということである。

「空砲」という国際慣習があります。昔の大砲は、一度発射すると次の発射までに、多くの作業を要する時間のかかるものでした。だから大砲を積んだ船が、他国の港に入る場合、空砲を入港の際に、空砲を発射することで、武装解除状態であることを示すことになり、それがいつしか慣例化して、入港の際の敬意を示した挨拶となりました。しかし空砲とはいえ、大砲を港に向けて発射するわけです。この西洋のルールを知らない、港のほうの人たちがこれで攻撃されたと思って、船に反撃などをした場合、国際ルールも知らない野蛮な連中として、先進国に攻め取られても構わないという理屈で、大航海時代以降の西洋列強は、アジアにアフリカにアメリカに、植民地を切り開いていきました。
西洋人が作ったルールなんだから、西洋人に有利なように出来ているのは当たり前、そして大砲は持っているけど、ルールは知りませんというのは通用しない。だから西欧のルールを学ぶこと、そして力を付けて台頭に喋れるようにして、自分たちもルールを作る側に参加していく。それが幕末の江戸幕府による開国であり、明治政府の西洋列強との外交でした。スポーツの世界で今起きていることも、全く同じことなのです。

今まで散々自分たちの物差しを押し付けまくってきた欧米人たちに、違う尺があることを主張していくことはとても大事なこと。

しかしそれをする為は、一旦彼らのルールを理解して、そこに入らないといけない。外部から石を投げていくだけでは決してルールなんて変わらない。そして対等に物を言える立場になり、相手がこちらの言い分を入れようと思えるようにならないといけない。つまり彼らのルールに合わせても、こちらが強いと言うところを見せないと、発言権なんてものは、こちらに与えられることは永久にないのです。それが彼らが作ったルールです。

実は日本はスポーツ振興費としては世界最高の金額が割り当てられているのに、その予算から名目を変えていろいろな部署や団体がぶんどってしまい、選手の所には渡ってこないという利権構造を批判していた。また清水宏保選手は、五輪の選手団より役員の人数の方が多いという日本の無駄遣いに対して激怒していた。こういうレベルから改まっていかない限り、全体の底上げが為されることはないだろう。

そして今の日本がそういう国際ルールや常識を理解して、そこで戦うことが出来るかというのは、こんな話だけ一つ取っても厳しいのが良く分かります。鳥居耀蔵みたいなのが、わんさかと巣くっているのが、いまの日本のスポーツ界の現状でしょう。

個人的に感動したのは、上村選手の競技後の態度と、母親が、娘の事だけでなく、競技に参加した選手全体をねぎらうようなコメントを冒頭に出したこと。

明石家さんま長野五輪の時に、上村愛子選手の母親が素晴らしいお母さんだった。と、ラジオで絶賛していたの思い出した。

asahi.com(朝日新聞社):福原愛が早大中退へ 卓球に専念 - スポーツ

トップアスリート制度なのに、トップアスリートとしての実地が、単位としてノーカウントなのは、制度の意味が分からない。

プルシェンコと猫 - 〓 ねこメモ 〓

公式サイトで、この辺のコラ画像を配布している。というのはマジッすか?(笑) プルシェンコだとやりそうだから困る。

ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか (ディスカヴァー携書)ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか (ディスカヴァー携書)

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