『R-1グランプリ2010』二回戦が終了、180人の芸人が三回戦に進出

R-1GPスタッフブログ: 1月31日2回戦東京　TOKYO　FM　HALL

R-1の二回戦が全て終了して、東京からは103人、大阪からは77人の合格者が出ましたが、大阪の方が合格者は少ないとはいえ、テレビで有名な人やシード組、決勝経験者が数多く落選している東京に対して、大阪は合格者の比率も多く、両方を観戦した人からはレベルの差から、東西の基準の違いに審査が不公平であるという指摘が、ブログやTwitterを賑わせています。
確かに大阪はそもそもピン芸人が少なくて、コンビや新喜劇の人が、片手間でこの時期だけピン芸をやっている参加者が中心ですし。キャラクターやっている人たちも、東京はそのキャラに芸人人生の全てを賭けているような人が多い中で、大阪は楽屋や宴会芸の延長のようなものばかりで、レベルの違いはあるのは当然だと思われます。
かなりいきり立っている人が多い中で、こんなこというのは何ですけれど、二回戦や三回戦ぐらいまでは、笑い事として捉えて良いと思いますけどね。決勝まで東西の比率が4:6だったら困ったもんですが、R-1で二回戦と三回戦の違いなんて、芸人のキャリアにはなんの関係もないことですし、東京の二回戦は、大阪の三回戦のレベルぐらいに、ファンの方でしっかりと是正すればいいと思う。

日程・結果 - オートバックスM-1グランプリ2009公式サイト

日程・結果 - R-1ぐらんぷり2010

それに主催者が既に、大阪と東京で三回戦を、同じ日数、同じチケット代でやることを決めている以上、大阪の三回戦や準決勝にも、それなりの出演者の頭数を揃えないと、興行が成り立たないと考えれば、大阪の方が多少甘くなってしまうのは仕方ないでしょう。
逆に言えば、M-1で最初の数年は、大阪の方がレベルが高くて、東京の方が準決勝に残るハードルが低かったわけですし、後に逆転しますが、2005年ぐらいまでは敗者復活戦見ていて、「どうしてこのコンビが残ったんだろう？」という感想は、東京勢のほうが多かった。
一回戦や二回戦から、審査員を統一してスケジュールを確保することも出来ないし、東西で違う人が審査員しているんだから、基準は違っていて当然ですし、二回戦のレベルが低かったから、東京は100組で三回戦やるけど、大阪の三回戦は20組なんてことは、既に打ち出している興行を考えたら、それは出来ないでしょう？もう既に三回戦は前売りの販売も済んでいるんですし。
サッカーやラグビーのワールドカップにしても、オリンピックにしてもそうですけど、必ずしも世界のトップ16とか、トップ32が予選を通過して決勝をやっているわけではなく、地域のバランスとか考えて、予選の枠が割り振られていたり、五輪や世界選手権などでは、その競技が盛んでない地域の振興のために、競泳で最後溺れていたアフリカの選手とか、ジャマイカのボブスレーチームのようなこともあるわけです。
営利でやっているコンベンションというのは、大会自体を盛り上げるため、沢山の人に見て貰うため、多くの利益を集めるためにやるべきこともあって、だからサッカーのワールドカップも、アジアにどうして5枠も決勝通過の枠が与えられるのか、大きな市場の日本や韓国や、オーストラリアにはワールドカップに出てもらいたい。でも露骨に贔屓するわけにもいかないから、アジアに5枠あげるように、M-1やR-1にしても、東西のバランス、有名な芸人と無名の新星のバランス、吉本ばかりで決勝が独占されないようにするといったことが、大会を盛り上げるために配慮されるのは、スポーツ大会の決勝大会では、どこでもやってることですよね、ワールドカップ、オリンピック、チャンピオンズリーグ、ワールドシリーズ、日本シリーズ、クライマックスシリーズ、どれも必ずしも上から順番に強い選手やチームが、決勝に出ているわけではない。どの大会も一番優先していることは、大会が一番盛り上がることです。
だからこの状況に不満なら、三回戦大阪の観に行かなきゃ良いんですよ。商売にならないと分かれば、日数を減らしたり、大阪での準決勝や三回戦を、そもそも行わないわけですし、スポーツでも大きな国際大会は、予選の地域枠って、実力だけじゃなくて、市場原理という面でも決まっている。
だからこの状況に不満なら、どうしても是正されたいというのなら、大阪で準決勝や三回戦を同じ日数やっても仕方ないと、主催者や興行主に思わせるしかないんです。主催者が大阪で同じ値段、同じ日数の三回戦や準決勝をやることに、意味を持たせないためには、この状況に不満がある人は、観に行かなきゃ良いんですよ。お客さんが入らなくて、興行として成り立たなくなれば、大阪の予選を主催者が大切にする必要がなくなる。
でも文句言うような人に限って、二回戦から両方追っかけてるんですよね（笑）、「見ないで文句言うな」という理屈は分かるけど、これは「文句言うのなら見るな」というほうが、理屈としては正しいと考えます。そういう人がいるから、主催者は興行として大阪予選にメリットを感じるし、大阪の芸人の審査を甘くして保護することに、市場価値を見出している。