『風雲児たち 幕末編 (16)』(みなもと太郎/リイド社)

外交とは同盟国であっても、喧嘩腰でやらないと外交官は務まらない。という話を聞いたことがありますが、プチャーチン川路聖謨の別れのシーン、そして共に尊敬し合う間柄というのは、本気でどつきあったからこそ、生まれた感情であることは間違いなく。現代の日本の外交官の弱腰というのを、思ってしまうのでありました。日露修好通商条約が、最恵国待遇については、他の安政五カ国条約と違って、不平等なものではないというのは、初めて知ったことでした。ロシアと戸田村、そして川路家とプチャーチン家の150年の友好が、今後も続くことを願います。
そして時代はいよいよ「安政の大獄」が描かれ、幕末の血生臭いドラマへと、話は待ったなしで、ついに進んでいくのでありました。あー次の巻ぐらいから、あの人もあの人もあの人もみんな殺し殺されの話に、いよいよなっていくわけです。

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