『史上空前!笑いの祭典 ザ・ドリームマッチ2010』

とりあえず番組が始まる前の感想としては、五時間はないよなあと思ったけど、やっぱり長すぎでしたね。こういう番組で、正月のプライムタイムを、埋め尽くす編成というのが、テレビ局にいかに金がないのかを物語っているんですが。全体的に冒険していない組み合わせが多い。特に大阪吉本のコンビは、なんか今更、この組み合わせなんてコンビが多いなあ。徳井と後藤とか、死ぬほど見た気がするわ(笑)。千原ジュニア友近、オードリーが果敢な組み合わせに挑んだのが、どう化学反応するかが注目です。

富澤たけし×藤本敏史 コント「キャビンアテンダント

完全にサンドウィッチマンのネタで、伊達の役をフジモンがやってるだけでしたが。まあフジモンは誰と組ませても、こんな風に合うと思います。基準点っぽいネタ。

設楽統×矢作兼 ショートコント「イラつく友人を傷付ける方法」

僕はやっぱり設楽の発想というか、着眼点が嫌いだわ。こういうネタを“上品”の括りに、見ている側でも入れちゃう人がいるのは理解に苦しむ。設楽のドリームマッチのネタは、別に相方が誰である必要がなく、常にバナナマンそのまんまですね。

友近×若林正恭 漫才「高校の同窓会」

そういや笑い飯がいないんだなあ、という風に思った。それだけ友近が誰かとコラボというと、以前の哲夫との漫才が印象に残っているから。このコラボでも、友近の嫌な感じが、すごい巧く機能している感じがしたけど、哲夫とのコラボほどの破壊力がない。若林というかオードリーのスタイルが、問題のあるボケを泳がすタイプだから、友近も押さえつけられないから、反発してよりウザくという風に持って行けないのかな?

千原せいじ×河本準一 コント「妖怪せいじ」

他の人たちが舞台のコントをしている中、こんコンビだけバラエティのスタジオコントしている、というのが最大の違和感だったように思う(笑)。あと最初の分け方と違って、完全にボケとツッコミが、最初は逆でしたね。感想としては楽しいけれど、何これ?(笑)

石田明×福田充徳 コント「警察官とストーカー」

もう最初から逃げ回ることしか考えていない(笑)。漫才やればいいのになあ……。面白かったけど卑怯なネタですよね。ノンスタっぽいネタという感想も多いけど、僕から言わせたら、普段漫才しかやっていないbase芸人が、単独ライブでやるコントという感じでした。

東京03×伊達みきお コント「世間を偽る仮の姿」

アンジャッシュじゃないんだから(笑)。巧くやろうとしたのと、四人を機能させようとして、小さく収まった感じがしました。志村けんコメントが良かった。

徳井義実×後藤輝基 漫才「コントしたい」

とりあえず石田と福田が逃げ回ったのを、先ほど見たばっかりだったから、後藤が「漫才」といった瞬間に、思わず「エライ!」って声が出ました(笑)。二人の喋り自体はチュートボールアワーと言えるような、素晴らしい融合っぷりですが、二人とも長く親しいんだよなと思うと、そりゃそうかという気もするし、ネタの中身自体は、大阪の若手がやりがちな、男同士でいちゃつくメタ設定の漫才でしたね。ただやっぱりこういうネタするのが、大阪の若手は好きなんでしょうね、アドリブで盛り上がりすぎたのも、楽しかったからなんでしょう。二人の高い技量で見られる物になっていたけど、あれ少し技術の落ちる人たちでやっていたら、相当にキツイネタだったと思う。ただここまでで一番の出来だったのも確かですけどね。

中岡創一×井上聡 コント「職業相談所」

次長課長は、二人ともネタ作っているという話がありますけど、この番組での井上のネタ見ていたら、ネタの大枠というかメインの部分は、井上が作っていて、河本はショートネタやネタの中のボケとかを作っている。というのが良く分かりますね。そのぐらい次長課長まんまでした。次長課長のネタに中岡が入ったというより、中岡が完全に河本役だった。設楽とか井上みたいにネタを作って、相方にそれを当てはめる力が強い人は、この番組ではウドさんや出川さんみたいな人と組まないと、全く跳ねないというのが良く分かる。

岩尾望×ハリセンボン コント「鶴の恩返し」

やっぱり三人ともブサイクだと、それを弄ることが出来ないから、ネタに使えないですよね(笑)。ブサイクカードが三枚というのを活かした、豪腕なネタにはならなかったのが、世間の期待をやや裏切ったかも知れないですが。さすがコント職人三人が集まっただけあって、これこそ上品な良質なネタだったと思います。活かせなかったとはいえ、並んだ時の絵面も良かったですしね。打ち合わせの時の岩尾さんの先輩っぽいところも、珍しかった。僕はこのネタ好きですね、徳井と後藤のコンビの次に笑った。レベル的にはこちらの方が上だと思う。

原西孝幸×日村勇紀 コント「バイト面接」

あーこれ好きだわ。ネタの内容は、見終わった直後に速攻で忘れたけど、ただひたすら面白かったという、雰囲気の記憶だけが残ります。

春日俊彰×ケンドーコバヤシ コント「プロレスラーの記者会見」

打ち合わせ中の風景や、ネタ前の煽りだけで、もうかなりヤバそうでしたが。石田がこの二人を見て「モストデンジャラスコンビ」といってしましたが。本当に春日に村越さんの役回りを当てはめただけでしたね。でもなんかこの外し方も含めて、ある意味で見ている人の期待通りだったような気がします。司会の浜ちゃんは、途中までは「こいつらアホや」という感じで笑っているのに、全く笑わなくなっていたのが凄い印象的でした(笑)。

小木博明×木本武宏 コント「飼育係とクーラー修理」

木本さんは前に出た時も、こんないい加減な感じだったよな。それにつられて小木さんも、いい加減な感じでしたね。

千原ジュニア×コカドケンタロウ コント「CM女王」

単純にジュニアの女装が受けてただけだよな(笑)。2丁目劇場というか、『すんげー!Best10』でしたね(笑)。それにしてもコカドが台詞読めただけで、観客から歓声が起きるようなのが、優勝ってどうなのよ(笑)。

木下隆行×井上裕介 コント「フォークライブ」

元祖大阪のナルシスト芸人と、現代のナルシスト芸人の融合ということで、僕の中での上位とは差があったけど、なかなか面白かったと思います。ただ接戦で二位は意外(笑)。

結果について

こういうお祭り番組の結果に対して、どうこう言うのも野暮なんですが、審査員は収録長すぎて、前半覚えていないとしか思えない結果になりましたね(笑)。あと「春日×ケンコバ」と「小木×木本」という、今日のスベっていたトップ2の後だった。というのも大きかったかも知れない。
あともう少し真面目な話をすると、過去の優勝したコントを見ても、漫才や舞台のコントというより、バラエティ番組内のワンコーナーといった、スタジオコントのような演目のほうが、やっぱり普通の人には親しみやすい、面白いところが分かりやすいんでしょうかね。そう考えると去年の夏のドリームマッチで、若林と石田が漫才で勝ったのは、改めて凄いことです。でも僕はジュニアのネタに関しては、女装のおかしさだけだったと思う(笑)。あと何かとベテランが毎回有利ですよね。ちなみに僕のベスト3は「徳井×後藤」「岩尾×ハリセンボン」「原西×日村」でした。
それと番組最後のエンドロールで、構成作家が大量に名前出てきたけど、VTRに出てないだけでネタ作りに参加しているんでしょうね。というかこれはあの人だろうなという、ネタと作家の関係が分かりやすいのあるよね(笑)。