漫才に使う筋肉とバラエティで使う筋肉の違い
M-1 2009 雑感。 - Scott’s scribble - 雑記。
2009年の一年間、ノンスタがオードリーより活躍しなかったのは、「M-1での実質的なチャンピオンがオードリーだった」からじゃなくて、「単にノンスタが漫才職人でバラエティ向きじゃなかった」というだけの理由だと思う。
2009年のバラエティで活躍したのがオードリーの方だから、2008年の本当のM-1チャンピオンはオードリーだった。というような無茶な理屈が通るのなら、2001年のM-1はキングコングかDonDokoDonが優勝するべきだったし、2002年と2003年のM-1はスピードワゴンが優勝になりますよね(笑)。いやまあ優勝と2位のコンビとの比較で、6位やら7位やらの芸人を引き合いに出すのは、無理矢理が過ぎますが(笑)。
だって、サンドウィッチマンだって結局バラエティからは遠ざかったじゃん、じゃぁサンドウィッチマンは実質誰に負けたの?という話になってしまう。
僕は今年一年間、全く分からなかったことに、「NON STYLEがバラエティで活躍していない」という風に言われるけど、他の歴代M-1チャンピオンだって、ほとんどがバラエティで活躍できてないじゃないですか。ブラックマヨネーズはいまは活躍しているけど、2006年のバラエティでの露出なんて、2009年のノンスタの半分もなかったんじゃないの?
中川家やフットボールアワーはバラエティで売れてる? ますだおかだは岡田さんのピンのスベリキャラが確立するまで、何年かかりました? チュートリアルだって、最初の冠番組がすぐに終わったり、『しゃべくり007』が始まるまでは、このまま失速していくかも? というような勢いの時期があったし、M-1優勝してから迷走することなく、順調に売れ続けてるのって、アンタッチャブルのザキヤマさんぐらいのもんじゃないですか。
やっぱり漫才とバラエティは違う筋肉を使うものなんですよ。ブラマヨにしても、チュートにしても、ノンスタにしても、漫才筋からバラエティ筋への移行が、どれだけ時間がかかったか、まだ変えていないのかというのが、現在のバラエティでのポジションに、大きく影響しているものがある。ますだおかだの岡田さんが「M-1に優勝すると、一時漫才の芸が乱れる」という自虐ギャグがあるけど、あれは漫才筋からタレント筋への変化のことだと思う。
あっさりと漫才筋からバラエティ筋に変更できたのがアンタッチャブル、時間かかったけど成功したのがブラックマヨネーズ、ただこの二組の漫才が、それで落ちたわけではないのは、バラエティ筋でやって面白い漫才に、ネタの内容がシフトしていったから、この傾向は特にブラマヨに強くて、最近のテレビでやっているブラマヨのネタは、もうほとんど小杉がボケで吉田がツッコミみたいになってるけど、そういうバラエティのキャラを漫才に活かすようにすることで、バラエティ筋の漫才というのができるようになる。
そこでまだ悩んでいるのがチュートリアルで、悩まずに漫才筋肉動かし続けているのが、NON STYLEだった。だからオードリーが、今年のM-1出なかったというのも、その辺で考えてあげれば良いんだと思う。
そしてフットボールアワーとサンドウィッチマンは、現時点では完全に、漫才・コントの筋肉をバラエティの筋肉に変えるのは、止めてしまっていますよね、だけどこれはバラエティで、彼らはもう売れないと言うことではなくて、僕はウンナンがコント筋からタレント筋への変化が、実はあんまり巧くいかなかったのが、僕は一時ウンナンが消えかけた理由だったと思っていて、最近ウンナンが復活したのは、ベテラン筋という、さんま、志村けん、とんねるずの復活でも活躍したオールマイティに役立つ筋肉が、ウンナンに付いてきたからだと思っている。だから漫才・コント筋も使い続けて成熟すれば、ベテラン筋というオールマイティな筋肉が付くから、それまで忘れられない程度にテレビにも出て、ネタやってくれればいいなと、フットとアンタには思っています。
心配なのは、ますおかの増田さんと中川家ですけどね……。
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