『M-1グランプリ2009』二周目以降の感想

とりあえずパンクブーブーオートバックスのCMは、「パンクを直す」ということで、普通に成立すると思うので、名前が相応しくないという弄られ方しているのは、あんまり良く分からない(笑)。

ナイツ(二周目以降の感想)

やっぱり二回目見ても、去年より一部の審査員が高評価な理由が分からない。審査員では松本人志だけが、下から数えた方が早い評価ですが。僕も今回の決勝メンバーでは、上から七番目の評価が限界、トップ補正入れても六番目が限界です。ハライチの方が上だったと思う。やっぱり事前の予想通り、ハリガネロックの2002年に似た敗退でしたね。

南海キャンディーズ(二周目以降の感想)

南キャンは2005年に静ちゃんのタレントとしての成長に、山ちゃんが追い付かなかったけど、今年は完全に山ちゃんの天才性の開花に、静ちゃんがついて行けなかったなあ。二人のバランスが良くなれば、南キャンは優勝してもおかしくないところにいくんだけど、紳助のコメントじゃないけど、漫才師じゃなくてタレントの方向で勝負に行った方が良いのかなあ。

東京ダイナマイト(二周目以降の感想)

まず東京ダイナマイトを褒めてる人の声を聞いていると、なんかお笑いと関係のない。言葉やテーマの選び方で喜んでいるように、僕には見える。あと佇まいが過剰に評価されすぎてるように思う。あと一つ一つの毒のあるフレーズや、批評性のある部分とかも、どこか2ちゃんねるっぽい既視感があって、結局ある世代、ある文化圏の男子が喜ぶようなことしか言ってないんですよね、要は30代から40代のあるカルチャーに、属しているような男性向け漫才に特化しすぎている。そういった同性媚びっぽいところが強い漫才は、やはり好きになれない。「頭のいい不良の身内話」と称していた人がいたけど、それは凄く良く分かる。また東京ダイナマイトの漫才に、「元ネタが分からなくても面白い」というほどのパワーもない。今回は結構、自分としてはかなり笑った方なんですけどね、どうしても評価高すぎる人の声を聞いてから見ると、逆に粗いところが見えてくる。
いや改め見返すと、もうハチミツ二郎が緊張しすぎなんですよね、ちょっと松田のキャラに頼りすぎな面も目立つ。その上で思うのは、今回の漫才って凄い優等生漫才だったじゃないですか。松本人志が以前に、「東京ダイナマイトに決勝で無茶苦茶やってもらいたい」というような話を、ラジオでしたことがあったけど、そういう破壊的なことが求められているコンビなのに、そういうことが出来なかったというのが残念だった。
本当に優勝を意識せずに暴れるべきだった、東京ダイナマイトがビックリするぐらい優等生の普通の漫才だったよなあ。やっぱりみんな勝ちたいんだよ。勝たなくても美しいほうがいいなんて、クライフみたいな奇人はそうそういないのです。やっぱり勝ちたかったんですよ、審査員に気に入られたいと思ってやって外してしまった。そういう意味では、2002年のダイノジに近い敗退の仕方だった。

ハリセンボン(二周目以降の感想)

正直見返すのが辛かったのは、漫才のネタや練習不足だけでなく、僕がハリセンボンのキャラがあんまり好きじゃないんだなあ。それがタレント性で補って見ることが出来なかった。

笑い飯・一本目(二周目以降の感想)

改めて何度も見れば見るほど、ズバ抜けた構成力に驚く。人鳥から鳥新一、新沼人鳥への一連流れはもう綺麗すぎる。また難解な設定を、あっさりと単純に短く説明できる哲夫の説明能力、最初のやり取りで情景を理解させる西田の演技力は、人鳥という飛び抜けすぎて、もしかしたら分かる人には分かるネタになったかもしれない発想を、巧く分かりやすく伝えていて、そりゃ巨人師匠も情景が浮かぶはずだわ。過去のM-1で披露された全ての漫才の中でも、トップクラスのネタだと改めて思います。

ハライチ(二周目以降の感想)

ハライチはツカミとオチをいつもと同じにしていたら、M-1用に変えていなかったら、ベスト3争いにもっと近いところで絡めたと思う。そういう意味でM-1向けに研究しすぎた部分が、裏を引いた部分はあったと思うけれども、序盤はスローで説明的なネタ、後半畳み掛けるところまでの流れは、研究し尽くしてる。決勝まだ早いかもとか不安がっていたのが、改めて申し訳ないです。しかし「カモシカのベット」と「カモシカにbet」みたいな、意図が多いボケは二回目出た時用の裏切りに残しとくべきだったかなあ。

モンスターエンジン(二周目以降の感想)

ABC予選で見た時と、何度見ても印象変わらずです。来年のABC本戦で、もうこのネタは使えないだろうし、どうするんだろうねえ。

パンクブーブー・一本目(二周目以降の感想)

一本目は普通に面白い漫才、それだけ。ただこの場でそれが出来ることの強さ。敗者復活戦や準決勝ですら、それが出来ない人が、パンクブーブーより名前のある人、実績のある人でどれだけいたか考えれば、そんな普通のことを当たり前の出来る強さを感じる。

NON STYLE・一本目(二周目以降の感想)

敗者復活戦は、まあ通過してもおかしくない感じの漫才だったけど、同じネタで中身が結構変わっていて。面白さが凄いアップしているところに、紳助じゃないけど感動しちゃったからなあ。僕は連覇濃厚と一本目終わった時は思ったし、何度見返しても素晴らしい漫才だった。

最終決戦の三組

それで二本目もさらにノンスタは上げてきて、これはもう決まったと思ったら、パンクブーブーももっと上げてきて、これでもうどっが優勝してもいいやになった。そして同じぐらいなら連覇かかってるほうが負けるよね。ただノンスタは今年こそ、イキリをやるべきだったのでは? という思いは尽きないです。
正直、笑い飯の二本目のネタ選択を、持て囃す風潮は、いまのお笑い界における最悪の事態だと思う。笑い飯がまた吹っ切れるチャンスを失う。大体、笑い飯は大阪の優等生路線の良い子ちゃん漫才師なんだから、M-1自体の破壊なんて考えているわけないじゃん。そんなこと考えられる奴らだったら、とっくに笑い飯は全国で売れてるか、漫才版のラーメンズになっている。
とにかく笑い飯の最終決戦の漫才は、チンポジと言い出したのは最後一分もない、ちょっとだけなのに、そのイメージしかみんなないという時点で、前半の三分近い時間が、いかに誰の印象にも残ってないか分かるよなあ。これでパンクブーブーとノンスタが、印象に残らない言われるのは可哀想だ。
東京ダイナマイトの一本目とか、笑い飯の二本目を評価する流れへの違和感は、チンポジをやたら評価する人たちとかもそうだけど、僕は漫才とかお笑いに対して、アーティスティックな評価されることに違和感があるのかも知れない。漫才師はロックスターでもアーティストでもない。
紳助と松本の「笑い飯は二本目有りません」のくだり、松本のオフ声での「チャーハンです」は、やっぱり最高に面白すぎる。その後の、ここにえみちゃん加わってのノンスタ弄りまくり全部最高。そしてあのノンスタ弄りのコメント内容を本気にする馬鹿が沢山いるのも、もうお前等お笑い見るなと普通に思ってしう。まあ世の中には、邦生さん、出川さん、ショージさんを、本当にダメなつまらないだけの三流芸人と信じている人が沢山いるんだから、これも仕方ないのか。でもそういうことだよね、あれを真に受ける人たちというのは。