ファンが関係者に阿るのが当たり前の環境は、その業界を滅ぼす

関係者がファン様という意識なくなったら滅びるという話を、もう少し詳しくしておきたいと思います。
これは競馬に限らず、サッカーでもそうだし、マンガやゲーム、お笑いでもそう、いや特に今はお笑いについて思うところですが。お客さんが勝手に、関係者とか中の人たちを思うのは自由ですが、そうするべきという意見や流れは、凄い違う気がしているんですよね。
明石家さんまが日頃口を酸っぱく言ってるけど、中の人の苦労なんてお客さんは知らなくて良い、というのと同じで、お客さんは中の人の気持ちとか決断なんて気にせずに良いと思う。
あとお客さんの使っている、お金の量の多い少ないを論じるのは無意味だから、そこは触れる気がない。いま流行っている本じゃないけど、人が集まっていることだけでそのままお金にも繋がりますしね、まして芸能系だと余計に古くから広告系とくっついてるし。
しかし僕がこの界隈の話で、競馬でもサッカーでもお笑いでも意見対立する時って、この僕の前提が伝わってないとは、最近反省している。僕は関係者はファンに気を遣うべきだけど、ファンは関係者に気を遣わなくて良いと、結構本気で思っている。だってサービス業なんだから、うるさいラーメン屋なんて全部潰れるべきというのと同じ考えで、「なんちゃらペアレント」と言われるような問題行動を、自称・ファンの連中がするのは論外で一緒にするべきじゃないけど、僕の基本主張は、「ファンが関係者に阿るのは、その業界を滅ぼす」なんですよね。
ファンが業界の中の人の意見に阿るのは、業界の人の気持ちが分かるとアピールしたいから、つまり「疑似業界人」になりたいからということで、ノーリスクで業界人面したいだけだと思ってる。客の方に譲歩してもらいたい業界側、業界面したいだけで業界の言うことに無条件でくっつくコア客という構図は、僕にはどう考えても滅びの道にしか見えない。
まだ中央競馬プロ野球サッカー日本代表Jリーグ、テレビのお笑い番組なんかは、ある程度以上のマスを相手にした商売だから、最大の顧客が一般人というのが、救われているところはあると思うのですが、元々一般層なんて切り離しているオタク業界とか、一部のゲーム業界、また競馬やサッカーでも周辺ビジネスや地方なんかだと、どうしてもそういう「疑似業界人」になりたい人たちに、働きかけていくことになっていって。それによって業界関係者が、世間に一般に受ける努力をしなくなる。ワガママなお客様相手にするよりも、身内意識でいてくれるファンを相手にしている方が、楽して優しくお金儲けができるから、どんどん幅を狭める方向性しか打ち出せなくなっていく。
またファンは甘やかされるより、甘やかす側に回った方が調子に乗って先鋭化する傾向があって、ニコニコ動画だ絵師さんのサイトとかで、コメント荒らしているようなのは、大抵が勝手の信者的なファンが転じてだったりするように、またある程度パイが広い業界だったりすると、別にサッカーとかお笑いとかが好きじゃないのに、人が集まるところだから来ましたみたいな人が、そういう「疑似業界人」を経て、気に入らないことをきっかけに掌返して、フーリガン的なものになってしまう。もしくは最初から商売なのか、ウオッチャーなのか、最初からそういう狙いだった人が巣くうことになってしまう。
いるでしょう? サッカーとかだと、サッカーには興味ないけど、代表チームにおけるナショナリズムの研究のためにウオッチしてます、とか。これが下手したら、有名な文化人とかジャーナリストだったりして、こういう人は何故か「疑似業界人」層と相性が何故か良くて、掌返した勝手のコアファンが暴れるのに、変に協力的になるし、効果絶大の撒き散らし方をするので、本当にタチ悪いというのが、僕が色んなエンタメ業界で見た光景です。いや貴方の好きな業界でも、こんな光景に心当たりないですか?
やっぱり中の人たちは、相手は金や人を持ってきてくれる人なんだから、調子に乗りすぎない程度に、甘やかしておくのが商売の基本だと思います。その努力が業界を育てるし、ファンと業界の健全な関係を育むのだと考えています。

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金森重樹

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