やはりどう考えても、この件で西野がネットで叩かれる理由はない

痛いニュース(ノ∀`):キンコン西野、「ボクに妥協はできない…」という理由でキレて公演を急遽中止

まず思うのは、いまのネットの西野叩きの状況というのは、どう考えても、西野のことを好きでも嫌いでもないけど、誰かを叩いて盛り上がりたいという連中が、ネット上でパブリックに叩いても良い存在と、キングコング西野がなっていて、叩くことが許される存在になっているから集まってるだけであって、そんな連中がやってることには、何の価値もないというのは、基本として押さえておいて良いと思うのです。基本的にいまネットで西野のことを叩いている人たちは、西野のことを好きでもなければ、実は嫌いでもない。大事なことなので、二回言いました。
そもそも西野をいま叩いてる人には、この件で西野を叩く理由は全く無いはずなのです。まず西野がこの件で、関係各位に迷惑をかけたというプロとしての姿勢に対する批判ですが、しかしこの中止はライブチケットの前売り発売前に行われたことです。そして公演の小屋は吉本の劇場であり、スタッフも吉本という巨大な組織では、社内的なものであり、イベントを多数やっている西野さんにしたら、身内と言えるスタッフばかりでしょう。決して外部やファンに迷惑をかけたものではない。
公演を楽しみにしていたファンの気持ちについて、まずそういうファンの気持ちを、西野のことをただ単に叩きたいアンチが代弁するというのも、大変奇妙な話ではあるのですが、そもそもこの公演の中身は「西野亮廣による、一人芝居コント」です。こんなのを見に来るファンは、もう信者みたいなファンばかりでしょう? そういうファンが「楽しみにしていた公演が中止にするなんて、西野さん許せない」という風に思いますか? この手のファンは「さすが西野さん、ものつくりに妥協しない」という反応が、一般的なんじゃないですか? 実際にこの件について言及しているサイトやブログで、僕は「見に行こうと楽しみにしていたのに、中止にするなんて西野さん酷い」という反応は、全く見ることがありませんでした。
だから被害者がいない話なんですよ、この件は。それなのに問題になって、叩かれるという状況は、僕は非情に奇妙なことだと思うし、もう叩くことが目的化していて、そういう対象にして良い存在として、西野さんが認定されているだけだと思わずにはいられないです。そしてそういうネットの状況は、僕はやっぱり薄ら寒い気持ちになってしまいます。
僕はキングコングの漫才を高く評価します。いま日本で常に安定した笑いを取れるという意味では、トップクラスの場所を何年にも渡って維持しているし、生で見たときのスター性やオーラは僕も魅了されました。また現在の簡単なボケを、とにかく早い展開で、数多く見せるという漫才の流行は、間違いなくキングコングが切り開いたものです。キングコングゼロ年代を代表する漫才師であることは、どこにも否定する要素がありません。個人の好き嫌いの好みは、こういう時代を語るときには邪魔なので、抑えるべきでしょう。
そして僕は西野亮廣の姿勢を評価します。同世代・同時代の人間として、僕は彼を自分達の世代を代表する芸人であり、アイコンであると思います。いまの時代の芸人というのは、非情に賢く器用に世渡りする術を知っています。ひな壇、ガヤ、太鼓持ちという言葉で芸人が括られるように、芸人はみんな今の時代は、どんなに実力があっても、かつてのたけしやさんま、とんねるずダウンタウンのような時代の寵児には、芸人はもうなれないことを知っている、だからみんな始めっから目指さない、いや始めは目指していたかも知れないけど、いつか現実に気付いて生き残るための修正に入り、みんな小器用に偉い人のケツに付いたり、徒党を組んだり、小さく確実に当てに行く生き方を選ぶのです。
しかしキングコングは、自分がたけし、さんま、とんねるずダウンタウンの地位になることを諦めていない。いや実現可能だと思っているし、そのポテンシャルを自分が持っていることを疑っていない。こんなバカはおそらくいま日本の若手芸人には、西野とNON STYLEの井上しかいない。しかし自分をそのぐらい信じていない奴に、時代を制すること、それを同世代の芸人から任せられる、委ねられるようなカリスマが生まれるわけがないのです。
他の芸人さんが、現実的で夢を持てなくなっているように、僕たちの世代は現実的で、悲観的で、夢を持てなくなっている、そんなことに意味を見出せなくなっている。そんな中でいまだに自分を過剰に信じて、大きな夢を持てるバカこそが、僕たちの時代を代表するアイコンとして、これ以上ふさわしい存在はいない。だから俺は西野には、いつか天下を取って貰いたい。そしてその時、横にはNON STYLE山里亮太の姿があってほしいし、そうあるべきだと思っています。
自分を信じられない、未来に夢を見られない時代にあって、自分を信じて夢を見られる奴は、それだけで時代のリーダーの資格がある。

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しかしこういう西野が、普通に良い話しているときは、全然ブクマも付かなければ、話題にもならないというのが、今のネットの西野叩きの正体の何物でもないと思うのです。