ラジオは思いつきで喋ったことを言いっぱなしにして許されるメディアである

ということは、僕が考えているラジオ論の大前提、それは一応最初に表明しておきます。その上でまあこれはマズイよなあとも思う(笑)。

声優・植田佳奈「不適切発言」を謝罪もネットはさらに炎上! : 日刊サイゾー

まあ僕は「サイゾー」とか「J-CAST」がやっているネット炎上を、さらに広げようとしているとしか思えないやり方には、虫酸が走るところもありますし、その一方で痴漢冤罪がここまで社会問題になっているにもかかわらず、こういうことを放送で喋ってしまうのは、先日のテレビ東京ハロプロの番組の「ヒトラーおじさん事件」と同種のニュースだとは思っています。
ただね、これテレビ東京の件でも思っていたんですが、どちらの事例でも最終的に一番責任を負うべきは、編集権を持っている人間に違いないわけで、この手のアニラジが生放送かどうかは、僕はあんまり分かっていないんですが、でも多分生放送ではないでしょう? 倖田來未の件もそうですが、これを放送OKとしたとか、生放送でもすぐに謝罪コメントを流すなどしなかったということが不思議で、僕は発言者ではなく、責任者の判断ということこそが、気厳しく糾弾されるべきだと思う、タレントや声優が矢面になって叩かれるべき事例ではない。
その一方で僕は、いまのラジオの発言がネットで広がって叩かれるという事態については、心から「つまんねえー」という声を上げたいです。伊集院光の「岡田斗司夫大嫌い、二度と会いたくない発言」も、本人とすぐに会う機会があって、あっさりと謝罪撤回したりとか、他にも色々と芸人さんとかタレントさんの、ラジオでの発言が書き起こしされたり、部分的に問題発言部分だけが、切り取られて編集されてYouTubeなどに貼り付けられているけれど、それってつまんないというのもあるし、本質を何も伝えていないから止めた方が良いよと思う、いやラジオの書き起こしは有り難いときもあるけれど、ラジオにおいて一番重要なのは、テキストに起こしたときの文字列ではなく、言い方とかニュアンスとか、どういう空気や流れでその発言をしたかだから、ラジオの書き起こしを読むときは、あくまで参考の一つとして考えるべきだと思う。
特に僕たちが普段話している言葉というのは、日本語としては破綻しているものだから、何も変えずに文字列に起こすと、本当に無茶苦茶な文章になるんですよね、だから喋り言葉の書き起こしというのは、どうしても語り手が頭悪く見えてしまうし、何より冗談として言ってるというのが口調では明らかなことが、文字に起こすと全く冗談に聞こえない、物凄くキツイ悪口になってしまうことがあるというのは、北野誠の「山本リンダ事件」でとっくの昔に明らかになっています。
僕はラジオの本質は「床屋政談」や「井戸端会議」であり、深夜ラジオなどはそこに「無礼講」というようなニュアンスも含まれている、というものだと思っているし、それが魅力なんだから、そこを奪い取っていこうとする、いまのラジオ発言の検証と炎上という流れは、世の中から楽しいことを一つ失わせるものだと思う、もしどうしてもそれをするのなら、その番組でそのパーソナリティがどういうキャラクターなのか、そしてその発言の前後の流れとかも、きちんと聞いて検証するべきだと思う、正直今回のこの声優さんの発言は、そういう僕から見てもアウトだなあとは思うけれど、ラジオの本質は「言いっぱなし」なんだから、あんまり個々の発言について本気になって、騒いだりしない方が良いとは思います。アンチオタキングの伊集院ラジオ祭りみたいに、梯子外されるだけになることだって、多々あるわけですからね。

社会人が仕事もそっちのけでTVにRADIO:雑感(ナイナイのANN2本分 - エンタの神様)

ラジオで喋った内容を一部だけ抜粋して
取り上げるのはやめて欲しい、やりにくいし
言いたいことも言えなくなると岡村。

やっぱりやりにくいよなあ、もう世間とか気にしない人じゃないと、今までのようなラジオ出来ない時代はすぐに来てしまいそう。

ヤンタンの時代。ヤンタンの時代。
渡辺一雄

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