『splash!!』のオールザッツ特集を読みました。

何日か前に届いていたけど、感想を書くの忘れてた。しかしこの表紙は何度見ても、一瞬「どうしてミサイルマンの岩部がピンで表紙?」と思ってしまう(笑)。
正直オールザッツの特集にしても、後半の芸人インタビューもそんなに面白いわけではなかったけど、こういうサブカル系の雑誌やムックのお笑い特集って、お笑い好きじゃない編集者やライターとかが、いま売れるからとお笑い特集しているのが見え見えだったり、お笑いにかこつけて、自分語りや、サブカル語りをするために、思い入れのないお笑いを利用している感が丸出しなのが多い中で、本当にお笑い好きな人たちが作ってるというのだけは、本能的に察知できる記事が多かったのは、面白かったし好感が持てました。
まずオールザッツの特集ですが、まず過去のダイジェスト紹介が、1993年まではVTRが用意できなくてレビュー出来ず、という時点でズッコケましたよ、僕は92年と93年のレビューが一番楽しみで、この本買ったのに(笑)、というか94年からは全部録画を持っているんだよ(笑)。
しかも僕の中で「もうオールザッツは役割終了したな」と感じた、2005年から1ページ紹介になって、少し編集サイドとのズレを感じていました(笑)。というか先にスタッフさんのインタビューの方の感想を書くんですが、なんか僕はオールザッツという番組は、オールザッツのコーナーからスピンオフしたような番組が、毎週のレギュラー番組として沢山始まっているし、もう年に一度の関西お笑い界の深夜の奇祭という位置付けでは無くなってしまった、オールザッツ的なものは「浸透と拡散」してしまったと考えていたんですが、何かその辺のズレをスタッフインタビューや対談には感じてしまった。
特に思ったのは、2005年のこの番組のトーナメントで、ストリークが優勝したときに、バッファロー吾郎の木村さんが、自身のウェブサイトで「今回の流れはメジャーの流れです。だから今回が世間の声が一番反映されてるんだと思います。ただオ−ルザッツらしくないです。」と語って、番組にお別れを告げましたが(残念ながらそのまま格好良く卒業とは行かず、来年も出ることになってしまってましたが)、でもスタッフのインタビューを読んでると、「野球ネタオンリーなんてマニアックなものが受ける空間、それがオールザッツだ」って、スタッフがどうも本気で思っているなというのを、感じさせるインタビューになってました。スタッフインタビューを読んでいると、どうもスタッフの皆さんは「この番組は大阪の元気な頃の匂いと勢いを残している」「大阪らしい笑いができている」「こんな番組はここしかない」ということを盛んに語っていて、リットン調査団のインタビューとか、バッファロー吾郎のブログやウェブ日記の、オールザッツに関するコメントと比較して読むと、かなり現状への温度差を感じてしまいます。
特に一番思ったのは、現在のメイン司会者の陣内智則のインタビューで、要約すると「コーナーも、トーナメントもいらない、ネタだけやれば良い」という結論を述べていますが、これもいまオールザッツという番組がやってることが、そんなに目新しいことや、年に一度のお祭り的なものでなくなっていることを、司会者の立場で感じたことだと思うのです。
バッファローの木村さんとか陣内さんが、出演者として感じている見解の方が、僕はスタッフさん達が言ってることよりも、的確かなと感じてしまいましたね、特にリットンさんとか、この本ではないけどバッファさんが、卒業を表明して辞めていった意味とかを、あんまり大きく考えていないような発言が、スタッフの一人からあったのは少し残念に思いました。
しかしこの本の陣内のインタビューは面白かった、こういう語りを知らない人に対しても出来て、相手から引き出せるようになったら、陣内は大スターになれるのになあと、思いました。僕は基本的に芸人インタビューって、特に若手芸人対象にしたのって、そんなに好きじゃないんですよね、芸人さんって意外と底が浅いのを、昔からラジオを聞いたり、インタビュー呼んで知ってるから(笑)、実際に他の雑誌の話ですが、笑い飯とか千原兄弟の話題になったインタビューも面白くなかったし、ウッチャンとか、有吉とか、リットンさんとか、このぐらいの世代にならないと、面白いインタビューなんて取れないの知ってるから、だからいまの若手芸人のインタビュー中心の、お笑い雑誌やムック本のお笑い特集号って、興味ないんですけれど、この本の陣内インタビューと、後ろの方に載ってたオードリーとナイツのインタビューは、読み応えがある良い内容でしたね、オードリーとナイツは、モンスターエンジンも含めて、他の若手とは一枚格が違う感じを、インタビュー記事で受けました。
しかしこの編集の人たちのお笑いに対する思いは、結構好きな感じなのですが、それでも全体で読みたいページって、四分の一もなくて、やっぱりサブカルは肌にあわんなあ、というようなことも思ってしまいます(笑)。まあでも他の人もサブカル雑誌なんていうのは、そのぐらいの読書スタンスなのかな? あんまりそういうことを話することもないから、分かんないんですが。

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オルタロープ

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