日本の男子サッカー界において、オリンピックとは何なのか?

武藤文雄のサッカー講釈: 日本協会は五輪にもっと真剣に臨むべきだった

岡田ジャパンの質的な問題とか、Jリーグの充実や問題、そういったことは所詮はサッカー界の中の人が、心揺れる所なんですよね、日本はいまだに現在、サッカー界の外の人たちを心揺らす所というのは、日本代表であって、それにA代表と五輪代表の差はないんですよね、だから当然の様にこういう感想は出てくる訳です。

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こういった感覚は、サッカーの中にどっぷりと嵌っていると、なかなか見えなくなってしまうけれども、例えば今回の五輪は、予選の厳しさが全然違うとはいえ、ドイツもフランスも、EUROチャンピオンのスペインも出場していない、だからA代表の活躍や、自国リーグの充実と、五輪代表の活躍は全く関係ないものですが、そこまでの認識を、日本サッカー界は一般ファンや、大きな大会の時だけサッカーに注目するレベルの人たちに、啓蒙出来ていないにも関わらず、Jリーグを五輪に優先したこと、それ自体は僕は否定をしないけれど、それならそうとサッカーファン意外にも、納得する形で説明するべきだった。それをしなかった、いやさもA代表と五輪代表が、同じ価値かのように、錯覚をさせるようなプロモーションを、テレビ局やメインスポンサーと共に、JFAがしてきたにも関わらず、日本サッカーを代表するチームとして、協会が力を尽くしたチームを派遣しなかったことは、糾弾するに充分なことでしょう。

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僕も山本監督も、反町監督も責める気持ちが薄いのは、「結局、協会はジーコオシムに五輪監督を、引き受けて貰いたかったし、引き受けて貰えると思ってたんでしょ?」という事なんですよね、それでいつどのタイミングでも、五輪監督のポストを、A代表監督に変更しても、軋轢が出ないA代表のヘッドコーチという、A代表監督の部下を、五輪代表監督のポストにするという意図は、もはかしたら会ったんじゃないかなと思っています。そうじゃなかったら、A代表のヘッドコーチが、五輪代表監督を兼ねるという人事が、特に前回は山本さんが結局、A代表に残らなかったという点も含めて、大失敗に終わったにも関わらず、同じ人事のやり方が継続されたのは、色んな事を考え得る材料となっています。
日本サッカー協会にとって、五輪とは何なのか、日本はもはや欧州のように、オリンピックはメダルが取れたらラッキーぐらいのものなのか?四年に一度のお祭りである五輪よりも、Jリーグという日々の糧が大事なのか、その辺を大上段から見つめ直す時に来ている、ということではないでしょうか?
メダルは別に本気で狙っていない、という事をアピールすることは出来るのです。例えば野球は、アメリカはメジャーリーガーを出してきていないから、米国国民の中にも、金メダルは最低条件というような意識は希薄の様に見えるし、日本だってシドニーの時は、「プロは一チーム二人まで」という制約付きだった。またケイリンは、競輪とケイリンのレギュレーションの違いはあるとはいえ、別に賞金ランキングやGPレースの近年優勝者を、日本の自転車界は派遣しているわけではなく、その為にファンもある程度割り切ることが出来ている。
それこそ日本サッカーは、基本的にユニバーシアード代表に、Jリーグのサテライトの選手でアジア予選を戦って、それで運良く勝ち上がることが出来れば、そのチームをベースにして、Jリーグのレギュラー選手になっているU-23の選手や、A代表に招集されていないオーバーエイジという組み合わせで行くかわりに、五輪代表をA代表のような、スポンサー様とテレビ局様のためのチームとして、商売道具にすることは改めるのか、それとも五輪代表の重要性を、改めて日本サッカー界として、大きく認識した上で、J2も含めてJリーグを、オリンピック期間中は中断してでも、オーバーエイジの招集はもちろん、事前合宿にも協力するといった選択、またジーコオシム相手にも「日本サッカーの特殊事情」ということを鮮明にして、五輪代表監督を、A代表と兼任させることも含めて、A代表監督人事の重要課題とすることも、必要になってくるのではないでしょうか?
四年に一度の若人達の大祭よりも、日々の糧であるJリーグの方が大切である、という考えは決して間違っていないし、それは一方で重要な見識であると思います。それは決して否定する所ではないですが、もしそれを前提に日本サッカーの方針とするのならば、それは正直にきちんと表明するべきでしょう。それこそ野球よりも、サッカーの方が「日本だけでも五輪はアマチュアのもの返す」と、言ってしまっても良いのかも知れない、JリーグA代表の重要性より、五輪代表を下に置くのならば、少なくとも素人さんを騙すように、今の商売は不誠実と言えるでしょう。それは間違いなく、しっぺ返しが何倍にもなって来るものです。

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