おおっクラッキーがこのテーマで登場ですか
スポーツ中継を殺す「放送の独占」と「過剰演出」(後編) : 日刊サイゾー
大きなお金が発生すると、それを制作会社に投げ、その制作会社がまた下に落とす。最終的には予算がギリギリになり、たいしたものを作れなくなる。
これは別にスポーツ中継に限らない、いまのテレビ業界が抱える、全体的な問題です。
てっとり早く低予算で作るために、「装飾品のようなタレント」や「飾り言葉」で取り繕うことになりますよね。
と言った、後に次の様な言葉が出せる、クラッキーは素敵。
ただ、タレントが入ることが必ずしもダメだとは思いません。『世界陸上』(TBS)の織田裕二さんだって最初はミスマッチに見えても(97年からメインキャスター)、今や欠かせないキャラクターになった。もちろん好き嫌いはあるかとは思いますが、いろいろな可能性があるし、タレント起用だからといって、即座に否定するのも違うんじゃないかなとは思います。
本来、スポーツというのは、「足が速い」というだけで感動的なはずなんです。日本人選手がダメだとしても、織田裕二さんみたいに「スゲー!!」と驚いて感動できるものなんです。
そう考えると、J SPORTSを筆頭に、スカパー!のスポーツ中継にタレントゲストが出る回というのは、こういうタレントの視点を巧く使っている放送は多いと思う。どうして地上波は、それを巧く使えないんだろう?
たとえば、ある局にK−1の放映権があるとします。すると、その局のアナウンサーは一生懸命に格闘技の勉強をするわけです。新人アナも将来のために勉強するし、取材にも行く。継続は力なりで、アナウンサーと選手とのコミュニケーションも徐々に取れてきて、格闘技への理解度も上がってきます。ところが、しばらく経つと、放映の権利がパッと別の局に移動してしまうことがあるから、せっかく育ってきたアナウンサーは、一切K−1の実況ができなくなる。これは不幸ですよ。
青嶋達也が、サイクルロードレースの実況をしなくなって、もう何年経つんだろう……。個人的には『世界陸上』の中継から、織田裕二がいなくなるのは、寂しすぎるし、もっというとフジテレビや関西テレビから、他の局に競馬中継の権利が移るなんて事は、どれだけ現在の『スーパー競馬』や『ドリーム競馬』に不満があっても、想像もしたくないことであります。
結局、誰が勝ったのかわからない中継をしてしまうのは、スポーツ中継、スポーツ文化そのものの退廃ですよ。卓球の愛ちゃんでも、ゴルフの上田桃子さんでも、どんな競技でも日本人が頑張ってプレーするのはもちろん応援しますよ。でも結局、「優勝したのは誰ですか?」ということがサッパリわからない。
そういえば、ある在阪局がゴルフで、実際の現在首位の選手を偽るようなスポーツ中継をしていたことがありましたね。
極端な話、全局が同じ競技、同じ試合の放映権を買ってみるのはどうでしょうか。サッカーの「日本対ブラジル」という試合があったら、同時に全局で放送してみるんです。そのときに、はじめてスポーツ中継の質が問われてくる。視聴者にとっては、どの局の中継が良いのか、一目瞭然になりますよね。
これは実際に、そういうことやってる国はありますよね。
そのまま食べても美味しい野菜に、安いドレッシングをかけたら、変な味になるのと一緒です。
クラッキー本領発揮しまくり(笑)。是非ともこの流れで、金子達仁のことを、本当はどう思っているのか聞いて欲しい(笑)。
1年目はすべての試合をスカパーだけで中継しようとして、地方に点在する各Jリーグクラブの事情に精通している地元放送局のスタッフを使わなかった。これが大きな失敗だったと思います。2年目、つまり今年になって、地元の制作スタッフも中継に参加するようになって、少し良くなりましたね。でも、具体的に言えば、試合中継において、オフサイドやファウルなどの微妙なシーンの扱いやフレーミングなどがバラバラで中継の意思統一がとれていない。違うというのが悪いことではないけれど、中継する上でベーシックに共通しているものは必要だと思うんですよ。ところが実際には、その共有まで行っていないのが現状です。ただ、この“十字架”は背負い甲斐のあるもので、スカパーで仕事をする人にとっては、少なくともこの先3年間は続けて同じ中継に関われるわけです。
スカパー!のスタッフ、コメンタリーの皆さんに、改めて深い敬意と期待をしたいと思ったインタビューでした。
以下、おまけ。
テレビ朝日のサッカー中継といえば、熱い解説で
お馴染みの松木安太郎氏。近頃は、正統的なサッ
カー解説ではないが、「面白い」「笑える」と各方
面から人気。
こういう記事の中で、こんな話を混ぜられるのは、サイゾーちょっと凄いぞ(笑)。
実況席のサッカー論 山本浩 by G-Tools |