「FNS27時間テレビ!!みんな笑顔のひょうきん夢列島!!」感想その1

本編を見る前に金曜日にやっていた事前番組から見ましたが、もう全部リアルタイムで見ていた過去のシーンばかりで、とことん素晴らしかったですね、たけしさんが自転車でフジテレビに突っ込んでくる瞬間の衝撃は、今でも忘れられないです。

FNS27時間テレビ前夜祭生スペシャル - おわライター疾走

「もう一回“ひょうきん族”をやりたいなぁ」というたけしの望みが叶う番組になるのか、最後のひょうきん族の同窓会を心してみさせて頂きます。
まずは「さんまinはねトび」から「さんま×しのぶ×鶴瓶」までを一気に観ました。もう笑いすぎて大変だったと共に、自分のこれまでの人生の半分を、明石家さんまに捧げてきたことに、改めて良かったなあと思わせる、本当にずっと笑わせっぱなしだし、そうやって笑いを作っていくさんま師匠の姿には、初っ端から感動させられまくりでした。

FNS27時間テレビ向上委員会」

いかにも「ひょうきん族」の流れらしいコーナーから始まって、これが番組全体でもインターミッションとして入ってくることで、ある世代より上の人たちには、今回の「FNS27時間テレビ」がどういう趣旨で、どういう番組になるかというのが端的に分かるようになっていて、こういう所から番組の演出意図というのが、明確に感じさせられます。キャラクターのクオリティが高いのは、全体の1/3にも満たないというのも、特にバラエティのお約束を踏み外していないから、全く問題ありません。
ただこういうノリに演じる芸人の方が、全く慣れていない感じが番組前半は強かった、結果的にラサール石井の芸人としての背骨の強さだけが、大きく印象に残るコーナーになってしまった。小堺一機関根勤に対しては、一定の評価が今のお笑いファンの中にもあるけれど、せいぜいM-1グランプリで的確なコメントを吐く審査員という印象しか、近年のお笑いファンにはなかったであろうラサール石井が、後々の話ですが、久しぶりに石井光三に扮して、明石家さんまの振りに全力で応える姿は、M-1グランプリにおける島田紳助のコメントではないですが、笑いを越えた感動がありました。VTRでいきなり強烈な登場をしたビートたけしがここまでやるのは、やはり明石家さんまと三宅恵介という昔からの相棒が本気でやっているからこそ、それに応えたのでしょう。

「さんまinはねトび

明石家さんまが真剣を手にして飛び込んできたのに対して、まともに太刀を合わせようとしたのは、キングコングの二人だけ、贔屓目に見ても、真剣で斬り合いはしていなかったけれど、太刀を交わそうとしていたのはドランクドラゴンまででしたね、他の連中は何も出来なかったというより、積極的に何もしなかったというべき醜態を晒してしまった。
キングコングは西野も梶原も、器用だし、頭も良いし、何より求められている約束事のタスクを忠実に遂行出来るという点は、本当はもっと評価されるべき所なんですが、いま一般的なお笑いファンやサブカル系のライターとか評論家が求めている芸人像というのは、「不器用な天才」であったり、「理屈っぽいアーティスト」ということを考えると、こういう「職人的な秀才くん」に分類されるような才能というのが、例えば吉田豪みたいな人たちや、サブカル雑誌みたいな媒体には、評価軸に当てはまらないんだろうなあと思うし、そういう所への評価を一時期どうしても気にしなくてはいけない状況に、キングコングがあったことは本人達の迷走に繋がっていたけれど、西野と吉田豪の喧嘩というのは、そういう連中からの評価を拒否する方向に働けば、キングコングは良い方向に進めるのではないかと思ってしまう。
キングコングが本人達の資質とは別に、テレビになると求められるままに、軽薄なイメージを前面に出していけるというのは、本当はタレントとして凄い評価されるべき所なんだけど、いまのうるさ型のお笑いファンや、ライター・評論家が評価するのは、本当に自然なのか分からないような自然体を気取って、テレビではやりたいことが出来ないと嘆くポーズをかましたりする連中だから、まあそういう意味でキングコングは真逆を行ってるよなあと思うし、そこでたまに無理もするから、キンコンって関係者にポテンシャルを高く評価されているし、テレビでもそれなりに売れっ子の一角にいるにも関わらず、もう一つ上の評価を得られない所なんでしょうね。
ドランクドラゴン鈴木拓が、さんまさんに限らず、このクラスこの時代の芸人さんと絡むと活きるのは、やっぱりうなずきトリオとかがいた時代と、そうではない時代の違いを感じる。でも平畠さんもそうだけど、ここまで残った人たちはやっぱりみんな何かを持っている。それを引き出せるか、引き出せないかというのは、弄られる側の問題ではなく、弄る側の技量の問題だと、いつも明石家さんま鈴木拓の絡みを見たら思うのです。

「さんまinヘキサゴン」

これは明石家さんま島田紳助……いや、杉本くんと長谷川くんの二人の絡みについては、もうあちこちで言われ倒しているから、出遅れた僕にはあんまり付け加えることはないのですが、いやこの二人で「パペポTV」をやるべきですよ。という程度のことは言っておきたいというか、そのぐらいの頻度と分量で、この二人の会話を公に記録しておけないのは、社会的な損失だと言って差し支えないと思われます。
しかしこのコーナーはそんな明石家さんま島田紳助という、生きる文化遺産を前にしても、ジミー大西という天然記念物を前にしては、法隆寺厳島神社の前に、ドードーニホンオオカミがいたら、どっちに人の目が集中するかという話で、数年ぶりのジミー大西のクイズバラエティ出演は、明石家さんま島田紳助の絡みですら、前座にしてしまう凄まじいインパクトを残していきました。
痛快!明石家電視台」で、さんまとジミーという、この絡みを毎週見れたという事が、どれだけ幸せなことだったか、あれがどれだけ凄いことだったのかというのょ、今更ながらに思い知らされましたし、いまのお笑い界の状況へのカウンターとして、ジミー大西という存在は、いつの時代も物凄い奇貨であるということを思い知らされました。
明石家さんまが吉本の反発として、ジミー大西を世に送り出したというのは、本人も認める、というかさんまさんが言葉に出したからこそ、世に出た説でありますが、当時の吉本興業ダウンタウンNSC出身芸人への流れに対する反発として、明石家さんまジミー大西を世に出したというのは、お笑いを論じる人たちはもっと注目しても良い出来事だと、改めて思い知らされました。
なぜあの時代に、ジミー大西だったのかという事は、さんまさんは多くは語らないけれども、好き者はもっと語って良いし、分析の対象にも、お笑い談義の肴にもなるぐらいの、深いものが隠されていますよ。
しかしジミーさんが回答者になってからの、問題の出し方が絶妙でしたね、もう最後の地図記号なんて、ジミーさんの反応が分かっていて問題を出していた。物凄い綿密な構成と演出があり、その上にさんまと紳助とジミーという、全く違う天才が三人乗っかった奇跡のような瞬間でした。

笑福亭鶴瓶×大竹しのぶ×明石家さんま

恋のから騒ぎ」の裏番組で出られないさんまさんに変わって、鶴瓶さんが大竹しのぶさんとのトーク番組、「恋から」終わりで登場したさんまさんと、これまた奇跡のようなバランス感覚で行われた掛け合いは、素晴らしかったです。でも「唄子・啓助」という発言も番組中に出ていたけれど、本当にさんま・しのぶには、そういう活動をして貰いたいです(笑)。最後に鶴瓶さんはお孫さん誕生おめでとうございます。良かったですねえ、あの事件の年に重ならなくて(笑)。

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ビートたけし

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