「ビートたけしコンプレックス」というのがよく分からない

マキタスポーツ | 爆笑“仮説”問題

これ実は良く分からないんですよね、いやまあ昔の太田がたけしに似ていたとか、たけしがやっている仕事をなぞったようなことをしているとか、そういうことはもちろん分かっているんですが、大阪の芸人が持つ「ダウンタウンコンプレックス」と似たような物なのか? というのもまた少し違うような気がするんですよね、現在「ダウンタウンコンプレックス」みたいなのに苦しんでいる世代って、ダウンタウン直撃世代ではないから、この場合の太田とか、マキタスポーツは直撃世代の受けた影響について語っていますからね、大阪はダウンタウン直撃世代で、ダウンタウンみたいな事していた人は、もれなく淘汰され切ってしまったから、ダウンタウンのフォロワーというのを補助線にして、この問題を考えようとしたけれど、「あーこれは違うわ」ということで止まってしまった。
結局、大阪にいるとビートたけしの与えた影響っていうのが、分かんないんですよね、かなり東京独特のものだと思うんですよね、いや大阪の人もお笑い好きな人は、ビートたけしは好きだし、凄いことは分かっているんですよ。ただここまで“コンプレックス”というほどの影響っていうのが、少し見えにくいものがある。
ツービートとか、ビートたけしの凄さというのは、誤解を恐れずに言えば、「東京漫才のベースがしっかりと出来ている人が、当時の大阪に芽が吹いていた、最新の(B&Bから始まった)上方漫才の流行をいち早く取り入れた」という所に価値があって、それを「東京漫才のベースが出来上がっている人たち」がやったということ、そしてそういう漫才のムーヴメントが大きくなる前から取り入れることが出来たということに、大きな価値があると思うんですよ。だから漫才ブームって、「全てはB&Bから始まった」という言い方をされるんでしょうが、しかしビートたけしみたいな人が、大阪にはいなかったから分からないんですよね、ダウンタウンにしても、明石家さんまにしても、島田紳助にしても、フォロワーの人たちというのは、もっと外面的な所に影響受けているけど、たけしさんのフォロワーの人たちっていうのは、凄い内面的な物を見ている人が多くて、やっぱりそれって文化とか世代が少し違うだけで、分かりにくいことだと思います。

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