エルコンドルパサーが顕彰馬に相変わらず選ばれなかった
ディープインパクト号が顕彰馬に選定されました!! - JRAニュース
まあ「ディープインパクトが選ばれた」というより、「またエルコンドルパサーとスペシャルウィークがダメだった」と言った方が、このニュースを表すのに的確なように思います。というか既に沢山そういう反応がありますが、いまの基準ではディープインパクトですらダメだと思ってたし、この馬が選出されない事で、改正の流れが出るのを期待していただけに、この結果はいささか拍子抜けでした。
というよりは、これまでスペシャルウィークとエルコンドルパサーが選ばれなかったのは、両馬に対してアンチ的な投票行動が、これまであったことを感じさせる結果になったような気もする。しかしこの二頭がずっと残っているせいで、本来ならばアグネスデジタルやハーツクライのような海外で活躍した馬、エアグルーヴやメジロドーベルのような牝の活躍馬、ホクトベガのようなダートの活躍馬が検討されないせいで、このままだと「牝馬G1とダートG1はいくつ勝っても殿堂入りには関係ない」という基準が確定してしまう。このままではグラスワンダーとかスティルインラブとかアドマイヤドンとかエイシンプレストンあたりは検討の対象にすらならないというのは、やはりどうかと思います。
グラスワンダーとかメジロドーベルのようなG1四勝馬が、箸にも棒にもかからない状況は、かなり問題があると思うんですけどね、JRAのG1を四勝しているような馬は無条件で顕彰馬で良いのではないでしょうか? 三勝でも僕は良いと思う。だってゼンノロブロイやタマモクロス、イナリワン、スーパークリーク、ビワハヤヒデが顕彰馬になって、それで顕彰馬の全体の価値が下がるとは、僕は思えないんですが、それでは緩いという声が大きいのなら、JRAのG1を四勝した馬は無条件、そしてそれ以下の馬は投票なり有識者会議なりで選定ということで、良いんじゃないでしょうか? 少なくともいまの制度では、本来選ばれるべき馬が選ばれない状態を続ける事になって、かえって殿堂の価値を下げている。五年に一頭の割合でしか殿堂入りする馬が出ないというのは、後世に伝えるべきものを伝えていない行為です。
これでスペシャルウイークとグラスワンダーとアグネスデジタルとメジロドーベルが抜ければ、いくらなんでもエルコンドルパサーに票が集まるでしょう。というかそれでもエルコンドルパサーとエアグルーヴとハーツクライで票が割れて、誰も選ばれずなんて事になったら、この記者投票制度はやっぱり大きな欠陥があるということで良いでしょう。
ただ僕は欧米並に殿堂入りの基準は緩くして良いと思う、日本は競馬に限らず、こういう殿堂入りの基準が厳しすぎる、毎年「近年に引退した名馬枠」と「過去の名馬+繁殖としての功労があった馬枠」で、一頭ずつ選ぶぐらいの事をしても、そんなに価値が下がると思えないというか、二年前に書いた事を繰り返すと、日本は欧米と違って過去の偉大な選手や監督に対するリスペクトがファンレベルでは足りない所があるので、その辺の啓蒙という意味合いからもなるべく多くの馬をその対象にして欲しいと思っています。
だからG1三勝馬は無条件、そしてG1二勝馬や一勝馬でも、検討されるべき勝利がある馬は選ぶと言う事で良いんじゃないかなと、カブラヤオー、ミホノブルボン、サクラバクシンオー、ノースフライト、クロフネ、タップダンスシチーぐらいまでは、基準を下げても顕彰馬の価値は揺るがないと思うんですけどね、一つだけでもウイニングチケット、ナリタトップロード、メイショウドトウ、アグネスタキオン、ウオッカとかの一勝でも重みのある勝利をアピールする事も出来るし、アグネスフローラとアグネスタキオンを同時に殿堂入りみたいな話題作りがあっても良いと思うのです。
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