堺市にJリーグクラブを誘致？

という話が出ているらしいけど、あまり現実的だとは思えない。

そもそもナショナルトレセンを誘致する際の計画で、「スタジアムは作らない」と明言していたはずなので、ナショナルトレセンにスタジアムを併設してというのは、Jリーグのクラブ誘致以前の問題のような、大阪でオリンピックでもやるのならともかく、そんな新しいスタジアムを作るだけの体力が、いまの大阪府や堺市にあるとは思えない。ナショナルトレセンだけでも、良く引っ張ってきたなと感心していたし、その辺は隣の市とはいえ、地元の川淵会長ということも大きかったでしょう。
それに堺市は南部からでも、片道30分ぐらいで長居に通えるし、堺東などの中心街からなら自転車で通う事も難しくない程度の距離、南海本線以外の沿線の住人は、ほとんどが一度の乗り換えぐらいで、15分程度で通える所にあるわけで、臨海部にスタジアムが仮に出来て、路面電車が整備されたとしても、半数以上の堺市民にとっては長居の方が行きやすいスタジアムであることに変わりはなく、いくら堺を冠するクラブが出来ても、セレッソ相手に苦戦する事は必至でしょう。
それに堺には、セレッソだけでなく、ガンバ堺ユースというガンバの下部組織まであって、どちらも地域に根付いているから、第三勢力が入ってくるのはかなり難しい。むしろこのナショナルトレセンが、ガンバユースやセレッソユースの力になり、堺市民から多くのJリーガーが輩出され、稲本に次ぐ日本代表選手が生まれる事を期待したい。
ただJリーグ目指すクラブの誘致には消極的でも、堺市に堺の冠を掲げるクラブがあってほしい、そしてそんなクラブのために簡単なスタジアムが地元にあって欲しい、そんな思いはサッカー好きの堺市民として隠す事が出来ないのも、また事実であります。
かつては堺市にもJFLを目指す位置にある会社チームがありました。その名も「アイン食品サッカー部」といい、関西リーグに所属して、2003年には全国地域リーグ決勝大会に優勝して、残念ながら入れ替え戦で敗れてJFL昇格はならなかったけど、JFLにあと一歩まで迫った事はあるし、2005年には大阪府代表として天皇杯で水戸ホーリーホックとの三回戦も戦いました。
しかし2004年にアイン食品本社の移転に伴い、クラブも和泉市に移っているので、残念ながら堺のクラブではなくなりましたが、チームスケジュールを見ていると、和泉市にスタジアムが無いからか試合していないので、堺にナショナルトレセンが出来たら、そこでホームゲームが出来るようになれば良いなと思います。
また隣の高石市にも高石中央FCというクラブチームが、大阪府リーグにいますし、堺に出来るナショナルトレセンは大いに活用できるでしょう。そしてそういう地域リーグのクラブで良いから、堺を冠にするクラブは欲しい気がします。堺市にはNOMOベースボールクラブや堺ブレイザーズがあり、それらと連携できれば存在感のある地域リーグの下部チームと成り得る可能性はある。