「M-1グランプリ2007」決勝審査員の傾向

M-1グランプリ2007決勝戦感想 審査員編 : タコ息子のBlogでなぐり書き

こうやって各審査員別の点数を票にしてくれると、凄い面白い傾向が沢山見えてきます。というかリアルタイムで気付かなかったことが、はっきりと出てくる。

キングコングを決勝一回戦で1位にしているのは三人で、全員非吉本の審査員

上沼恵美子大竹まことラサール石井が1位(ラサール石井は三組のタイ記録)、島田紳助松本人志は2位タイ、オール巨人は3位、中田カウスは4位。

島田紳助松本人志は揃って笑い飯に下から二番目の点数

但し、他の審査員にも見受けられる傾向なのですが、一回目の笑い飯に高い点数を付けてしまったことで、その後の採点に苦労している様子も見られる。紳助は4位タイに86点が四組並んでいて、単独8位が笑い飯の85点とか、一番顕著にそれが出ていますが、他の審査員も自身の5位〜9位の得票が86点から81点の間で1点や2点刻みになっている人が多く、下位採点の順位差を付ける苦労が忍ばれます。
しかしこの二人が評価が、担保になっていた笑い飯に対して、よりによってこの二人が低い点数というのは、5位という最終的な点数以上に厳しい結果になってしまった。

松本人志の下から三組は全て関西勢

今年のM-1キングコングを東京芸人の方に入れると、関西三組、関東六組となったわけですが、その関西三組を揃って下位三組にしているのは、松本人志のみ。準決勝から決勝への審査に関しては、去年の段階から不満を述べていたし、今年の大阪で行われたR-1決勝にも苦言を呈していましたが、大阪の予選や審査に関する松ちゃんの不信感というのは、ここでも出てきました。しかし大阪で「ポスト・ダウンタウン」色の強い芸人と見られている、ダイアン・千鳥・笑い飯にこの評価を下す結果に終わる。

決勝一回戦の最高得点と最終決戦の投票が違うのは上沼恵美子のみ

キングコングからサンドウィッチマンに変更、ちなみに決勝に残った三組を一位タイとしたラサール石井トータルテンボスへ投票。

POISON GIRL BANDを最下位にしている審査員は七人中三人だけ

島田紳助上沼恵美子大竹まことの三人、ちなみにブービーの千鳥を最下位にしているのは松本人志ラサール石井中田カウスの三人と同数。オール巨人島田紳助の得票が、結果的にブービーと最下位を分けた。

予選の投票上位三組がそのまま決勝三組にならなかったのは、大竹まこと中田カウスの二人

中田カウス笑い飯が2位タイ、但し4位のキングコングは2位タイと一点差、大竹まことキングコングがダントツ1位で、2位タイ二組、4位タイに三組で、サンドウィッチマントータルテンボスは4位タイの方に入っていて、独自の評価軸を持っている。
今回一人だけ得点傾向が違っていた大竹まことを、「次は外すべき」とか「空気読めない」というような言い方している人が沢山いるけど、みんなそんなに「満場一致」で物事決まって欲しいんでしょうか? M-1の審査員って、現役のお笑い芸人という縛りがあると、どうしても審査傾向が似たり寄ったりの人が多くなるわけで、2006年のM-1の際に、漫画家のいしかわじゅんが自身のサイトで「今年は誰が審査員でも結果は変わらなかった」ということを前提にした上で、審査員の嗜好傾向が同じすぎることに苦言を呈していましたが、僕は一位から九位まで全員が全員同じ順位になる方が問題で、色んな物差しを持っている人がそれぞれに審査して多様な価値基準から生まれたチャンピオンの方が、絶対に価値は高いと思います。

面白いかどうかは人の勝手 : タケルンバ卿日記

しかしブクマの方でも書いたけど、JRA年度代表馬投票とかでも、やたら満票で決まることを求める人って多くいるけど、みんなにそんなに空気読んで付和雷同したがるもんなの?

【12月24日ON AIR】 : 大竹まこと ゴールデンラジオ!「オープニング」

キングコングと千鳥について、M-1の次の日にラジオで語っています。キングコングに入れるのは俺1人だと思った。」「千鳥の漫才はまさに空気を読まない漫才。空気を読むのはダサイ。」と、自身の審査基準や理由について語っています。でも大竹さんも、個人採点は千鳥はブービーなんですけど、これを言っておくのは「空気読まない審査で何が悪い」という大竹まことの一流の芸人としての意地でしょう。ラサール石井も2005年に「ブラックマヨネーズの優勝で決まり」というスタジオのムードに反発していたらしいけど、一つのムードに流れたときに反発するという芸人魂を見た思いです。

『M−1グランプリ2007』@テレビ朝日 : これって、ナナメなの?

非吉本の大竹まことさんはキングコングに、ラサール石井さんはトータルテンボスに、と大人の気遣いが見えます(苦笑)
『M−1グランプリ2007』@テレビ朝日 : これって、ナナメなの?

だからこの人なんかは、他の意見は納得出来る意見が多かっただけに、こういう失礼なことは言わないでほしかった。大竹さんもラサールさんも自らの芸人としての誇りをかけて一票を投じているんだから、こういう意見をぶつけるのは、それはベクトルが真逆なだけで、準決勝で変化球の吉本芸人を贔屓している準決勝審査員と変わらないと思う。アンチ吉本な気持ちが、吉本贔屓の人とやっている事が同じになってはいけない。
僕は松本人志ラサール石井大竹まことは絶対に必要な三人で、他の大阪の重鎮枠は他の大阪の重鎮でも替えは効くと考えています。むしろ大阪の重鎮枠は一つ減らして、東京芸人の重鎮枠はもう一つ欲しいと思う。僕の理想は松本人志内村光良(or木梨憲武)、増田英彦春風亭小朝ラサール石井大竹まことオール巨人or中田カウスの七人です。いや上沼恵美子は今回凄く良かったけどね、紳助さんは松ちゃんと上位評価はモロかぶりだから、正直どっちかいらないと思います。どっちかと言われたら、やっぱり松ちゃんの方が残ってほしい。増田さんに関しては、そろそろこの世代も決勝審査員に入れるべきと思いました、そうなるとふさわしい人で、やってくれそうなのはこの人しかいない。

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