空気を読むな : 池田信夫 blog

いまの「空気を読む」ことを強く求め合う風潮というのは、そのまま付和雷同に結びついていると思うし、海外で成功しているスポーツ選手とか、ベンチャービジネスで成功している人は、大抵空気読めていないタイプの人が多いのは、無関係なことではないと思うし、お笑いの話に強引に持って行くけど、明石家さんまが昔に藤本義一を怒らせたり、ダウンタウン横山やすしを怒らせたように、新しい笑いを生んできた人たちは、それまでのお笑い界の空気を壊してきたから、いまの新たな空気を作れたわけで、僕の嫌悪感の正体の一つに、やはりこれって日本の「ムラ社会」的なものを象徴する言葉なんだなと思い至りました。
しかしそうはいっても司会者の立場にある人は「空気を読む」必要はあると思うよ、いやもっというと「空気を作る」ことが出来ないとダメで、その辺でゲストが「空気を読んでくれる」ことにオンブに抱っこになっている司会者は、しんどいなと思います。司会者とパネラーなら空気を読まなくちゃ行けないのは、司会者の方でしょう。アムロベジータ知らないから分からない、なんてことは司会者は言ってはダメだと思う。
まあ他人を「空気読めない」と批判する人は、大抵がそいつが一番空気読めていないことが、僕は経験則的に一番多い気がしています。ただ本当に上手い人は「誰でも読める空気を作れる」という事も言えるのですが、そういう人がリーダーにドーンといるチームは、どんな世界でも強いし、全盛期の明石家さんまとんねるず上岡龍太郎にはそれがあった、今なら笑福亭鶴瓶今田耕司がその位置にいるか、個人的には千原靖史が、トーク番組などの聞き手でいると、そういう才能を大きく発揮しているように見えるので、そういう点で注目されて欲しいのですが、いまの「アホキャラ」的なキャラの立てられ方では難しいよなあ、絶対にバラエティ番組のMC向きだと思うんですけどね……。