芸人さんの「空気を読め」とか「新婚さんいらっしゃい」の件について

40代以下の芸人が、タモリ・さんま・所・鶴瓶を脅かせない一番の理由(2007年9月7日)

への、沢山のトラバとブクマありがとうございます。こんな事になってしまうとは思いませんでした(笑)。リンク元アクセス解析では、現在見たこともない数字がカウントされております(笑)。とりあえず答える気になる有用な質問や疑問の呈示には、少しずつですが答えさせて頂きますので、よろしくお願い致します。
とりあえず「新婚さんいらっしゃい」は、別に釣りのつもりではないけど、反応してくれたら嬉しいなあと思っていたので、引っかかっている方が多いのはありがたいです。別に僕は元の文章でも、「新婚さんいらっしゃい」を面白いとはひことも言ってないわけで、「新婚さんいらっしゃい」の桂三枝と、元の文では書かなかったけど、「笑っていいとも」や「タモリ倶楽部」のタモリの司会は、芸人さんがいま一番学ぶべき事、別に面白いとか面白くないとかではなく、勉強すべき司会術やトーク術が詰まっている。
別に僕は「空気を読め」という言葉自体が使われることは否定しないし、そう指摘すべきシチュエーションというのは、絶対にあると思っています。ただ昨今お笑い用語として芸人さんが、「空気を読め」という言葉を安易に使い出すことで、自分たちの間合いで喋れない人、体育会系的な芸人のノリに入れない人を、「空気を読めない=面白くない・笑いを分かっていない人」というレッテルを貼って終わりになってしまうことが増えている。
「体育会系芸人と文化系芸人の違い」について語ったエントリーでも書きましたが、いまはそういった体育会系芸人によるバラエティというのが*1、流行にあるから今のままでも良いようにも思えるんですが、ヤンキー・体育会系バラエティ番組の代表例として「アメトーーク」や「やりすぎコージー」があって、文化系・オタク系のバラエティ番組として「タモリ倶楽部」とか「ゲームセンターCX」、あと体育会系番組に見えるけど、実はやや文化系番組寄りの「草野キッド」というのがあると思うのですが、この前者の番組と後者の番組の決定的な違いは、前者は芸人だけ、もしくは芸人のノリが分かる人だけで番組が成立するし、その方が面白くなるけど、後者は芸人以外の専門家とか他業界のプロの存在が不可欠になってくる。“素人”という言い方で誤解を与えるけど、ここではあくまでもお笑いとかバラエティの素人という意味です。要するに面白い人ではないけど、面白い話は持っている、そういう人に対して相手の間合いで会話を引き出せるということが、現状では軽視されていると僕は最近の風潮を受け止めています。
自分が相手の面白さを引き出せない理由を、相手に求めてること、その言い訳として「空気を読めない」という言葉を安易に使っているというのが、問題ではないかと思い、ああいったエントリーを書いてみました。
芸人さんが、芸人の内輪やお笑いファンに向けて、身内の空気を大事にしたバラエティがあるのは、そのジャンルの成熟の証だから、それは別に良いんですが、現状そればっかりになっているのは、いまテレビアニメが子供向きじゃなくて、オタク向けの萌えアニメばかりになっているのと同じじゃないかという危惧がどうしてもあります。いまのバラエティって内に向かうベクトルが強すぎて、外に対して向いていない気がどうしてもしてしまう。お笑いファンや芸人の身内以外に向いている番組が……、まあ言いたかないけど「エンタの神様」ぐらいしかなくて、それはそれでああいう形でしか出来ていない。
とりあえず僕は今のままのよゐこアメザリが好きですから、ああいう文化系の芸人が、無理に会わせることなく活躍出来るバラエティが、もう少し増えてくれたら嬉しいなと思っています。あとさんまさんには昔のようにサッカーや競馬の話をするときは、芸人であることを忘れてしまうようなトークのはまり方するように、そういう事が出来る場がまた増えて欲しいです。
最後に「新婚さんいらっしゃい」が台本があるとか、仕込みだとか言う話は、別にそんな事どうでも良いじゃん、ということでよろしいでしょうか?(笑) 僕はそういうことを評価しているんじゃないし、あの番組の面白い部分とか、続いている理由や価値というのは、別の所に評価するべき事が沢山あるわけですからね、そんなこといったら欽ちゃんの素人参加番組だって評価出来なくなってしまう。

*1:いちいち説明しなくても良いような気もしますが、この体育会系・文化系というのはスポーツやってるやっていないという意味ではなく