『ダークエルフの口づけ (2)』(川人忠明/富士見書房)

面白かったんですが、朝っぱらから読む話じゃなかった(笑)。前作、そして最初の短編集に収録された「黄金の車輪」と、良質なピカレスク・ロマンのライトノベルだと思うんですが、基本的に暗い話ダメなんで、面白いんだけどこの先どう考えても主要登場人物達が、みんながみんな不幸な結末になるのが目に見えている物語を、これから読んでいくのが辛いです、まあでも面白いから読むんですが、基本的に物語の主要登場人物達には幸せになって貰いたい人なので、覚悟決めてこれから読んで行かなくちゃいけないです。これも読んでて面白かったけど辛かったもん(笑)。
まあでも少しだけ昨日の話に戻るけど、サーラの最終巻に納得出来なかったというのは、この辺に答えがあるんでしょうね、僕は相当覚悟決めて「エイヤ!」とページ開いていって読み続けたのに、そこまで覚悟していたのにアレかよというのが、納得出来なかった正体だったと思います。絶対にサーラかデルのどちらかは死ぬと思っていて、読みだすまでに覚悟が必要だったからね(苦笑)。
この作者の川人忠明は、今回でも前回でも魅力的な、物語の書き手なら今後も引っ張りたいような、本人もあとがきを読む限り愛着を持っていそうなキャラを、容赦なく一話限りで殺しまくっているから、その辺の不安はないんですが、そういう不安がないということは、ラストは悲劇で終わるということで、やっぱり辛いなあ(笑)。まあでもこれでソードワールド世界におけるファンドリアは川人さん、貴方のものだ。
しかし朝から、続けて対極的なものを、同じ物語世界を題材にしたもので読んだんだなあ、かたや登場人物ほぼ全員いい人、かたや登場人物ほぼ全員悪い人、しかも表現がどちらも両極にクドイといえばクドイ語り口で、そりゃ朝から心がもたれるはずだわ(笑)。

ダークエルフの口づけ (2)
ダークエルフの口づけ (2)
川人忠明

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