M-1グランプリ三回戦に行ってきました

大会日程・結果 3回戦・大阪1 ABCホール 2006/11/18 : M-1グランプリ2006

baseよしもとの二回戦の物凄い行列を見ていたので、開演前かなり早くに着いたのですが半分ぐらい諦めていたのですが、誰も並んじゃいないし、当日券の売り出しも始まっていて余裕で買えましたし、開演してからも後ろの方に若干の席の余裕もある様子でした。なんか中で知り合いの人に聞くと、三日前にファミリーマートでチケット買えたとかいう話もあるので、明日は日曜日だしどうか分かりませんが、ルミネとか行く人はチケットゲッターとかヤフオクに頼る前に策はないか考えてみてください。
ABCホールでの三回戦ですが、最初の何組かは音響が変だったとか、アジアンのネタ中にマイクスタンドが壊れたとか、BブロックからCブロックの間に学園祭で遠くに行ってる芸人を待つ為の、45分の休憩時間という凄まじいインターバルが入ったりと色々ありましたが、セットなどを組んで仕切っていない為、漫才をやるには必要以上に広すぎる舞台、それなのにセンターマイクだけという状況は思っていた以上に大変でした。これは変ホ長調と王(キング)がルミネを選択したのは正しいかも知れない。小さい声で淡々とやる変ホ長調や、多数いる為センターマイクに声が届かない可能性がある王は演芸用のハコでやるのは有利というか、ABCホールは不利だと思います。ルミネならbaseよしもとのように、センターマイクだけでなくフットマイクが標準備え付けでしょうからね。
組数やレベルを考えて、合格予想の印は○と△だけです。点数だとかフォーマットだとか、タイトルは勝手に付けたとかは、これまでの二回戦の通りです。

  • Aブロック

笑い飯(吉本興業 大阪) 「なまはげ」 △ 合格

もちろん笑い飯が落ちる可能性なんて無いですよ、ただいくらトップバッター、スケジュールで出番順も急遽変更っぽい、最初の二、三組ぐらいの間は音響が変だったにしても、優勝候補の筆頭格に上げられている人達が、落ちる心配がないといってもこの程度の舞台して欲しくなかったです。というかなんでこのネタなの? と不思議な気持ちになりました。後で追加合格にしても良いから、一度落としても良かったと思う、今日この場に来ていたお客さんの何割かは、今日の内容なら落としても仕方ないと思ってくれたと思いますよ、純粋な客受けとかは今日はしたから数えてナンボでした。別に有りネタでも構わないから、「エキドナの洞窟」や「チンポジ」でもやってくれたら良かったのに、よりによって「なまはげ」じゃあなあ。3-

サンバルカン(アマチュア) 「ブルース・リーを降霊」

ただでさえ滑舌が悪いのがウリ(?)なのに、それに加えて音響がこのあたりまでおかしかった事もあって、何言ってるか特に序盤はさっぱり分かりませんでした(笑)。やっぱり三回戦になると極端に格の壁というのがそびえ立つことも実感。1

キンショーカイショー(アマチュア) 「携帯電話がつかえない」

ホンマにあのベテラン芸人っぽい、年取ってる方の人はどなたなんでしょうか? 僕は先代のアランドロンの人で、店の人を連れてやっているのかなと思っているのですが、古い漫才口調で古い言葉を言う、ギャグを言ってやや受けな状態で「もっと受ける予定やったのに」みたいな畳みかけが出来るのは、どう考えてもベテランの味です。2-

デニッシュ(山中企画) 「母親に絵本を読んでもらう〜……」○ 合格

二回戦と同じく設定がめまぐるしく変わっていくネタでしたが、見せ方次の設定への変化パターンが、二回戦の時と比べてスマートになっていて、メタな笑いをメタなことやってると意識させないで出していてこれは凄いです。東京予選の方でもしかしたら凄いのがいるかも知れませんが、少なくとも大阪予選においてそのオリジナリティ、斬新さにおいてはこのコンビに比肩するコンビはいないです。M-1のそれぞれが新しい漫才のスタイルを競って提案するという面においては、今年の主役といっても過言ではないです。麒麟笑い飯が現れたときの衝撃と比べるのはまだ早いですが、去年の天竺鼠鎌鼬ガブ&ぴーちザ・パンチ、ザ・たっち、一昨年のスーパーZ、はだか電球の衝撃は軽く越えるインパクトを残したと思います。斬新なスタイルに惑わされすぎているかと思っていて、最大限の評価は保留していたんですが、ここはオリジナリティのある斬新なスタイルを出してきて、それを自分たちのモノにする力がある、このコンビは凄いです。今年のM-1の一番の掘り出し物です。
しかし一回戦リベンジを大阪で受けて合格して、大阪に良い印象を持ったからといって、東京から大阪まで自費参加し続けているのも凄いですが、東京から大阪に来て標準語の漫才で、これだけ爆笑取って審査も通過していくというのは凄いです。一昔前ならあり得なかった事ですからね、これは大阪のお笑いの客のリテアラシーが上がったのか、それとも彼らが天才だからか、おそらく両方なんでしょうが、いや山中企画浅井企画系の事務所のようですが、大鉱脈を見出したと思います。是非とも準決勝も縁起が良いと思っているのなら、西へ来てください、NGKで見たいです。5-

つばめがえし(吉本興業 大阪) 「ドラゴンボールが言えない」

二回戦に引き続き同じネタ、替え歌を歌うけど替えていない「ドラゴンボール」の部分が「ドラゴンボル」になってしまう。これが二回戦、三回戦と引き続いてやる押しネタというのは厳しい。お客さんに質問を出していく所が一番良かった。1+

スマイル(吉本興業 大阪) 「頭の回転が速くなるゲーム」 合格

「説明ゲーム」から「なりきって返すゲーム」の流れ、凄い良かったんだけど今日のこのレベルに入ると少し厳しいかなと思いましたが、無事に二年ぶりの準決勝進出。3+

まいなすしこう(吉本興業 大阪) 「男らしく」

カバンから出てきて、ちびまる子ちゃんの登場人物のモノマネ、カバンに自力でまた入って、カバンに入った状態で舞台上を駆けめぐった後で応援団ネタと、現在のマイナス思考が持っているものを詰め込むだけ詰め込んだネタで、M-1三回戦にもなるとここまでとお客さんの傾向ががらっと変わるので、初見の人が多かったのかカバンから出てきたときの驚きの声も大きかったですし、かなり受けていましたが、審査員はもう何度も見ているんですよねえ。3+

パステルモグラ(アマチュア) 「殿様と兵士」△

良いネタだと思うんですが、二回戦と三回戦でネタを変えるのなら、やる順番は逆の方が良かったんじゃないかなあ、少し後半訳の分からない展開に持って行くのも、会場が心持ちついて行けてなかった。このコンビは大舞台の経験踏ませて飛躍のきっかけにして上げたい気持ちもあったんですけどね残念です。もっとツッコミが活躍出来るネタを選択してきて欲しかったなあ。3+

バルチック艦隊(アマチュア) 「建築基準法違反のビフォーアフター

新しいTVの企画を考えてきましたというネタ、建築基準法違反というより、公序良俗に違反している改造が主でした。養子の下りは面白かった。3-

難波横山(吉本興業 大阪) 「難しい表現を使う」 合格

これ通すんだったら明日の勝山梶が、「難解な言葉で喋る」のネタやったら絶対に通してくれよと思いました。審査員的には関係ないだろうけど、結構今さらなネタだし、そんなに受けてなかったと思うんですが、ちょっと合格がこの日唯一よく分からなかったです。2

  • Bブロック

祇園(アマチュア) 「クララが立ったシーン」

「クララのバカ、いくじなし」とハイジが怒るシーンで、ハイジのクララへの罵りの言葉が長いというのがメイン、クララが立てるようになって直ぐにセカンドの守備を華麗にこなすシーンはやっぱり外しません。3

にのうらご(吉本興業 大阪) 「トイレが大するところが混んでいる」○ 合格

まだ三回戦だと落とされる可能性も充分にある格なのに、和式便所に座っているスタイルで並んで下ネタやるというところが凄いと思うと同時に、まだ甘いところかなと思います。ファイナリストにはまだ足りないものがある気も同時にしました。4-

大脇里村ゼミナール(アマチュア) 「擬音だけで桃太郎を伝える」

後半どんどん擬音だけじゃなくなっていくとかはアリだと思うけど、もうちょっと擬音だけで引っ張れないかなあ、難しい事をやろうとして中途半端になってしまったように思います。コアな人達が集まるインディーズライブと違って、ここまで一般大衆比率が高くては、意図を読み取ってはくれないですよ、ちょっと最初の発想だけで突っ走りすぎかも、細部で詰めれるところいっぱい残しすぎだったと思います。
しかし二回戦で落ちたはだか電球やさかなDVDを見ても思ったのですが、この世代の現在インディーズで頑張っている皆さんの、誰もやっていない事をしよう、革新的な所に行こうとすると狭いところ狭いところに行きがちなのが気になっています。音楽業界やマンガ業界なら、そういう狭いところに向かっていっても業界全体のパイが大きいから充分やっていけるけど、漫才業界というのがそんなにまだ広くない状況考えるとキツイですよね、流石に僕がある程度好きなインディーズの人達が、吉本のオーディションなかなか通らなかったり、M-1やR-1での評価がある程度の所で落ち着くのが続いてるのを見てると、自分たちのやりたい事を極めるのは、まず売れてからその後でも遅くないんじゃないか? という気持ちにさせられます。
実際このグループで一足先にアタマ一つ抜け出した銀シャリとか、あと一世代前のインディーズで革新的なスタイルを確立して成功した笑い飯や千鳥たちは、革新的なことやっているけど、見る人が見たらベタな笑いと見られてしまうことも拒否していない、そういうバランスっていまの漫才業界にはまだ必要だと思う、そういう意味ではこのコンビとかは世間的評価の高いスタイルも持ってるんだから、そっちをしばらく掘り下げていくなんてことも良いような気がするんですけどね。2+
追記)「とりめし御膳」さんの感想で「もっと出来そうなのにイマイチ3分間乗り切れずに終わってしまった感」というのは、まさに僕が冒頭で書いたような事から、そういう気になるんだと思う。

ミサイルマン(吉本興業 大阪) 「親友」

テレビのチャンネルを友達に見立てる流れから、西代さんの葬式があったら、親友達はどういう行動をするか、ベタだし大喜利並列的なネタになってたかも知れないけど、まだ前半の流れだけで押し切った方が、新しい事への挑戦という意味では良かったかもなあ、ここはもう技術は認められているんだから、一つ前の大脇里村とは逆で、いかに目新しい事をしていくかだと思うんですが、だってこれで第一回大会からこれで六年連続三回戦敗退でしょ? これって浮き沈みがある人たちよりも絶対に良くないと思うんですよね、同じくここまで三回戦敗退が続いているジャンクションともども、今年のbaseの組織変更の時に変に救済措置なんて取らないで、変化のきっかけをあげても良かったんじゃないか、まあ解散なんて選択肢取られたらダメと思ったかも知れませんが。2+

鎌鼬(吉本興業 大阪) 「愛→ハグ」○ 合格

かなり高いレベルで安定しています。おそらく二、三年の内に決勝行くでしょうし、関西の大きな若手賞レース取る日も近いだろうなと思っていたら、こんな記事が、超新星ROUND3に合格したんですね凄いなあ、年末のよみうりテレビの賞レースの六組に入るとは凄いです。5-寄り4+

学天即(アマチュア) 「9までしか数えられない」△

10って言おうとすると身体に変調をきたす、今年の始めの方にやり始めていたネタですが、初期の頃に「キタイ花ん」あたりでやっていた時の方が面白かったような、「少しだけ何かが足りない」という感想が多いようですが、本当にそんな感じ。4-

ハム(アマチュア) 「母親が看病してくれる」

流石に滑舌と発音だけの勢いではここまでだったか、まあ台本自体は元々一回戦レベルだから仕方ないけど、キャラの使い方をここまで巧みになるのは凄いなあ、でも消耗もえらい早いことになっている気がするので、台本の部分でもっと高めてほしい、高度な台本なのにそれをあれで演じたらもっと凄い事になりますよ、試験薬の下りとか見てたらそういう進化期待してしまいます。2+

マラドーナ(吉本興業 大阪) 「20Q(トゥエンティーキュー)」○ 合格

20Q」を武智さんが答えを考えて、田中さんに質問させていく、「20Q」が分からない人はこちらをご参照ください。マラドーナの「天気予報」のネタもそうですが、田中さんがとにかくしつこいという最近のスタイルは良いですね、今年はまだ難しいと思うけど、決勝の可能性はゼロではないコンビの一組にまでなったと思います。
マラドーナは漫才になると武智さんが物知りっぽい役回りになるのも面白い(笑)、実は最初聞き取れなくて、トゥーキューに聞こえて、「29」のことを武智さん間違えてるのかな? と思ったのは内緒にしたかったけど、「私もです」と言ってくれた方がいたので、正直に書かせて頂きます(笑)。5寄りの5-

天竺鼠(吉本興業 大阪) 「自分に足りないモノ」△ 合格

二回戦と同じ「ショートコント:タンパク質」のネタ、二回戦の時のような物凄い勢いがなくて、天竺鼠にしてはヤヤ受けぐらいの舞台になっていたので、ボーダーラインちょい下ぐらいかもなあと思っていたのですが、二回戦からの多少の変更点がやや弱かったと思います。3+寄り4-

なすなかにし(松竹芸能) 「スーパーロボット・ゴッドキング」○ 合格

噛んでボロボロになったり、オンバトでタイムオーバーになったり、色々ありすぎたネタですが、やっぱり今年のなすなかの勝負ネタをここで持ってきました。決勝が15組とかだったら絶対に残るんだろうけどなあ、あと順位を6つ上げるには、確かにまだ少し何かが足りない気もしました。準決勝なに持ってくるかが楽しみなコンビではあります。4

  • 休憩時間45分(笑)

ここで休憩が入るのは伝わっていましたが、中田なおきが「今から45分休憩です」というの、最初言った瞬間には半分ぐらいのお客さんはギャグだと思って笑っていました、もちろんマジだった訳ですが(笑)。いくら学園祭シーズンで芸人さんは忙しいといっても、有料の客入れているイベントでやる事じゃないよなあと思いながらも、まあ去年みたいに遅れている事を隠そうとしながら進行して、結局隠しきれなかったよりは良かったですが(笑)。

中田なおき(吉本興業 大阪) 「ひとり中田カウスボタン

ということで「45分僕が喋ってるの聞きたくないでしょ?」という振りに、客も悪乗りして大拍手でやれーという感じになって、15年振りと自称する「一人カウスボタン」のネタをやってました(笑)。確かに15年ぐらい前にカウスボタン師匠がよくやっているネタでしたが、いや面白かったです。さすがに45分は繋がずに、10分ぐらいで休憩に入りました。
いやでもこれあり得ないよなあ、M-1予選は休憩明けは不利といわれますが、不利なんてもんじゃなかったよなあ、完全に場内リセットされてましたからね。

  • Cブロック

のろし(松竹芸能) 「美容室」

テンションの高い美容室とアニメみたいな美容室、松竹の期待の星ではあるけど、現状の力は三回戦メンバーに混じると少し厳しい、ネタの台本がもっと良くならないとこのレベルに混ざると流石に見劣ります。2-

レールウェイズ(アマチュア) 「仮面ライダーソナタ

韓流ブームとイケメン俳優の仮面ライダーをあわせて、もっと世の中の奥様方に流行る物を作ろうというネタ、流石に三回戦にはかなり足りなかったけどプレステージ勝ち抜くのは時間の問題でしょう。今年越えれた二回戦は今後も壁にならないかも知れない。2

span!(吉本興業 大阪) 「人違い」○

押しネタの「人違い」のネタでしたが、ツッコミの水本さんがいちいちマコトさんのボケに対して「オモロイけどー」と絶賛しながら突っ込む、これは僕はかなり良いダブルボケになっていると思ったのですが、安易な味付けに思われても仕方ないと言えば仕方なく、どっちに転ぶかなと思っていたらダメでしたね、最近はメディア露出も増えてきて、キングコングにマコトさんのキャラだけでなく、色々な部分で似ていることが指摘する声が大きくなってきたので、それを意識していない訳はないはずで、特に水本さんが西野さんに声やしゃべり方が似ているという点については、最近凄く意識して変えようとしている気がします。4+

ジャルジャル(吉本興業 大阪) 「英会話スクール」○ 合格

素晴らしいとしか言えないわ、この発想自体も凄いんだけど、ツッコミ台詞が尽く最高なんですよね、もうさー変に大物残さないといけないとか、事務所バランス、東西バランスとか考えないで、M-1の審査員には思い切ってほしいわ(笑)、もう何も書く事がないですよ、とにかく物凄かった。5+

千鳥(吉本興業 大阪) 「アピール」○ 合格

大悟さんが優しさをアピールするネタは見た事あったんですが、後半のノブさんの格好良さアピールは始めてみました、もう「そんなことより千鳥ノブ!」ですよ、凄い面白かったし、この日一番か二番ぐらいの受けだったジャルジャルの後でも霞んだ印象はないのですが、ただこのネタは多分そのままやったら準決勝でも大爆笑でしょうし、敗者復活戦に回ったら、他の知名度あるコンビが順当に勝ち上がったらおそらく二年連続で千鳥が敗者復活枠手にするでしょう。でもこのネタって過去の三年と同じものが足りないと思うんですよね、それは今日の「ZAIMAN」でやっていたネタも同じで、笑い飯麒麟、千鳥の三組は今年はよほど大きくパターンを変えてこないと、チュートリアルフットボールアワーNON STYLEを崩す事は出来ない気がしています。笑い飯麒麟は飽きられている心配だけど、千鳥はこれまでの審査で「足りない」という評価され続けている訳で、それが改善されているかは準決勝、決勝の審査員は絶対に厳しく見てくると思う。5

ストレートタイム(アマチュア) 「空想野球」合格

マチュア扱いですが、NSC28期生です。二回戦の時に気になった本編への導入部分がさくっと短くなっていました。広い舞台も有効に使ってアマチュア登録で唯一の準決勝突破、勢いと若さが買われた形だと思うので、是非ともNGKホールの大舞台であの芸風はかなりしんどいと思いますが、楽しんでやりきって欲しいです。4-寄り3+

ベリー・ベリー(吉本興業 大阪) 「合コンの喋りを全て歌で答える」

二回戦でこのネタやった時は会場がbaseよしもとだからだと思っていたんですが、まさか三回戦でも出してくる今年の押しネタだったとはなあ……、どう考えてもまだまだ準決勝よりも三回戦の方が勝負所のクラスの芸人さんだろうから、三回戦で自分たちの一番良いネタ出してきますよね……、しかしこのネタはアウェーというかビジターという言い方の方が適切な気がしますが、ホーム以外でやっちゃダメなネタですよ、これはどう考えてもbaseよしもとの客層だからと雰囲気だから受けるネタですよ、確かに二回戦の時はこのネタで上から何番目かに入るような受け方していましたが、あれは自分たちのホームの劇場だから、世の中にはbaseよしもとB1角座とかワッハ上方では爆発的に受けるけど、一歩外に出ると全く通用しなくなるネタというのは存在するということを、大阪の若手芸人の方は早い段階で認識しないとダメです。今年唯一単独ライブに行った芸人さんだけに残念この上ないですが、これで通った方がきっともっと嫌な気持ちになったろうなと思います。ファンとしては審査員の皆さん、落としてくれてありがとうですよ。3-寄り2+

ハレンチトースト(吉本興業 大阪) 「かわいいことを言い合う」△

○は絶対合格、△はもしかしたらいけるかも、という僕の寝た全部見終わってから付けた予想なわけですが、ただここが僕は一番限りなく○に近い△というか、かなり○だと思っていたんですが、いやここが落ちたのはちょっと納得出来ないかなあ、○付けてた所で落ちてるのは三組いるんですが、そこよりもここの方が納得出来ないかも知れない。僕が合格と思ったけど落ちた三組は言われてみればと思うところがあったんですけど、ここは不合格突きつけられると「そうじゃないだろう」という気持ちになりました。客受けも上から数えてという出来だったしねえ、しかしこのネタは客層や場所を選ばないで、安定して受ける素晴らしいネタですね、なんで一回目で合格して以来、その後プレステージ合格しないのか不思議です。誰のレポ読んでも「面白かったのに何で?」って書かれてるしなあ。3+寄り4-

GAG少年楽団(吉本興業 大阪) 「商店街を立て直す方法を考える」○

トリオ漫才、商店街を立て直す為の意見を、それぞれ若い青い意見と大人の意見を出していく、二回戦の時は僕は「開き直ってこんとやるのでもなく、かといって漫才にもなっていない」ということで、あんまり良い印象持ってなかったんですが、おそらく元々の台本はコントネタだろうなと思うんですが、トリオ漫才にきちんとなっていてビックリしました。いやというかこの人達は漫才巧いですよ、漫才も少しずつで良いから普段からやるようにしていたら、トリオ漫才で来年のM-1ではにのうらご相手に戦えると思いました。後で聞いたのですが、この漫才ネタは芸人仲間でも評判になっていたらしいですね。4

アジアン(吉本興業 大阪) 「シャンプーの歌」○ 合格

今日のABCホールは音響ミスとか色々ありましたが、事ここに極まるというような事態が起きたのは、何とネタ中にマイクスタンドが壊れて、勝手にどんどんマイクが下がっていくというアクシデント、しかしアクシデント対応見事で実力を見せ付けました。4+

牧戸上原(アマチュア) 「中小企業の係長と新入社員」○

サラリーマンルックで登場して、いきなり最初から設定に入ってる漫才、今年分かったのはこういう最初から設定に入っているネタは基本的によほどの事がない限り三回戦でサヨウナラさせられるということですね、あとやっぱり微妙に二回戦まではアマチュアに緩いけど、三回戦になると突然アマチュアには厳しくなるから、プレ落ちとかしていても実質的にbaseよしもとの人達はエントリーの際に、吉本所属でエントリーするべきだと思います。まあハレンチトースト落ちてるけどね(笑)、しかし結局二回戦でやった「自殺を止める」というネタに着地するのなら、小細工無しでやった方が良かったと思います。5-

カルパチーノ(吉本興業 大阪) 「交通事故から子供を助ける」○ 合格

べっぴんさんのツカミは外さないなー、というかこのコンビが外してるのって、今年に入ってからは確かに見た事が無いかも知れない。まだまだ足りないし、恥かかせる事になるかも知れないけど、決勝の舞台に早く立たせてやりたい。5+寄り5

ラフ次元(アマチュア) 「となりのトトロを教える」△

NSC28期生、baseメンバー入りは時間の問題の人達ですが、今日合格していても不思議ではなかったし、いま現在baseよしもと所属になっていないのも不思議に感じる出来でした。4+

ビッキーズ(吉本興業 大阪) 「犬を飼う」△ 合格

ビキビキ一緒にやる人が少なかったなあ、去年のストリークがラストチャンスの時に、客席が一体となって「まいどー!!」やって、ストリークを盛り上げてやろうとしていたのとエライ違いだ。とりあえずラストチャンスのM-1で三回戦とはいえ、撒いた飴の中にボラギノールを混ぜるなんて小ネタ仕込むのが、いつもと違う唯一の所というのはどうなんでしょう。45分休憩はおそらくロザンとあなた達待ちだったんだから、ロザンとビッキーズのラストチャンスが出番順続きというのは、違う目で見ている人も多かったんだけど、ロザンやる前から勝負有りだと思いました、ルート33をラストチャンス年に二回戦で落としたんだから、別に三回戦で落としても良いと思うんですけどね、だってルート33ビッキーズだったら、ルート33の方が格上でしょ? もう最近の世間一般のお笑いファンにとっては違うかも知れないけどさ(苦笑)。2+寄り3-

ロザン(吉本興業 大阪) 「嫁姑問題」○ 合格

おそらく会場の一番の盛り上がりはここだったんじゃないかなと思います。今年のラストチャンス枠はロザンだという空気が少し出来たと思います。二回戦と同じネタだったし、この日の「ZAIMAN」でやっていたネタだから、このネタが今年の勝負ネタとも思えないんで、準決勝では新ネタもしくはそれに近いネタをやって、今日より良い出来ならラストチャンスで決勝に滑り込めると思います。明らかに以前のうめだ花月勢のラストチャンスの時より、気合が違うのは感じられる舞台でした。
ロザンに関して去年のM-1予選の頃から感じていたのですが、ネタ中において菅さんをダメな子扱いをきちんとするようになったんですよね、多分これまでは二人ともプライドか何か分からないですが、やっていなかった事を惜しげもなくやるようになったのが、殻を破りかけている理由じゃないかなと思っています。この日の会場の盛り上がりという意味では、ロザン、カルパチーノジャルジャルが上位三組だったと思います。4+

予想と合格者一覧と全体の感想

ということで全部のネタを見た後での僕の合格予想一覧です。合格は17組と予想しました。

合格確実予想 13組
アジアン、鎌鼬カルパチーノGAG少年楽団ジャルジャルspan!、千鳥、にのうらごマラドーナ、ロザン、なすなかにし、デニッシュ、牧戸上原
ボーダーライン 8組(この内半分が合格という予想)
笑い飯天竺鼠ハレンチトーストビッキーズパステルモグラ、学天即、ストレートタイム、ラフ次元
(※名前の太字は実際の合格者)

笑い飯ビッキーズは名前で通るだろ(笑)、という自己ツッコミをしながらも、でも自分しか見ていなくても意思表示の為にこうしました(笑)。で、実際の合格は次の通りになりました。合格は16組、心持ち審査には時間がかかっていたように感じたのと、審査員が四人並んだときに、「はい、この中で唯一サラリーマンの人がいます、誰でしょう?」というクイズを出したときに、一番最初に除外されそうな風貌のサイキックでお馴染み板井プロデューサーが合格者読み上げ、まあでも去年の方が奇抜な服装髪型でしたが(笑)。

デニッシュ(山中企画)
スマイル(吉本興業 大阪)
難波横山(吉本興業 大阪)
笑い飯(吉本興業 大阪)
にのうらご(吉本興業 大阪)
鎌鼬(吉本興業 大阪)
マラドーナ(吉本興業 大阪)
天竺鼠(吉本興業 大阪)
なすなかにし(松竹芸能)
ジャルジャル(吉本興業 大阪)
千鳥(吉本興業 大阪)
ストレートタイム(アマチュア)
アジアン(吉本興業 大阪)
カルパチーノ(吉本興業 大阪)
ビッキーズ(吉本興業 大阪)
ロザン(吉本興業 大阪)
オートバックスM-1グランプリ2006公式サイト - 予選結果速報

合格確実とした中から3組が落ち、ボーダーにも入れなかったコンビが2組合格、まあスマイルは多少厳しめに設定したんですが、難波横山の合格には意表を突かされました。総評としてはハレンチトーストの落選は少し納得出来ない、あとアマチュアに厳しくなっているというのと、今日の笑わせてもらったベスト3はカルパチーノジャルジャルマラドーナ、笑いというより感動(笑)というか感心させて貰った凄かったのがデニッシュ、凄いとか笑いよりも格を感じたのはロザンという所でしょうか、どういう基準で見ても僕の中ではこの五組の順位が入れ替わるだけで、ベスト5はこの五組です。
しかし書いていて思ったけど、元々好きなコンビがダメだったときは長くなるなあ、良かったコンビって、もう良いとしか書きようがないし、元々好きじゃないコンビがダメだったら興味ないから短くなるけど、こんなもんじゃないだろという思いがスパークした方がやっぱり長くなりますねえ、あーしんど(笑)。
とりあえず明日は前売り券持っているとはいえ、早起きした事もありましたし長丁場に備えて、さっさと帰宅して寝る事にしました。さー明日はチュートリアルNON STYLEだ!!