『トンデモ本?違う、SFだ!RETURNS』(山本弘/洋泉社)

事務用品を色々買った帰り通りの道の本屋の棚で見かけて衝動買い、そんなにSFってよく分からない人ですが、楽しく読みました。この本が出たばかりぐらいの頃に、「ガイドブックの著者が自分の著書に絡める記述が多いのはどうか」というような評をいくつか見かけたのですが、それは同業者ガイドブックとしては別に良いんじゃないかなあというか、この語り口が山本弘が何かを紹介するときの個性で、好き嫌い別れるところかも知れませんが、別に良いんじゃないかなあと読んでました。自分の作品に絶対的な自信を持って、紹介している作品と比較しているのは、あそこまで自信満々だと僕は心地良いです。
あとこれはこの本に限らず、山本先生の著述に見られる、被差別問題とか戦争関係の話に対するナイーヴが過ぎるというのは、まあ気になるといえば気になるけど、こういう受け止め方する人だからこそ、「サーラの冒険」シリーズみたいなものが書けるんだろうなあいうのは痛感しました。ただ『やっぱりヒーローになりたい!―サーラの冒険〈6〉』山本弘/富士見書房)はまだビニールすら破けていません(笑)。どう考えても序盤が暗い、真っ暗なの分かってるからなあ、体調の良いときに読まないとやられちゃいそうで怖いです。