皐月賞一夜明けて

個人的にはこれは“悲願”とかいうものではなく、石橋騎手にとっては日常の仕事をこなしてきた上での成果というべきもので、“悲願”“歓喜”“涙の”みたいなものとは違うものかなあと、あの淡々としてインタビューを受けてそういう思いを強くしました。ランス・アームストロングディスカバリーチャンネルの強さの秘密について、「真面目に働くことが大事」と語っていましたが、石橋守騎手のこのGI勝ちはまさにそれであり、狩猟や釣りで大物を射止めたというよりは、田畑の収穫のような成果であったように思います。

ドリームパスポートの成長力への疑問とか、東京2400の適正への疑問というのは確かにあると思うのですが、それでも今回の皐月賞で4着以下に負けた馬は、今のところダービーでは全部消しで良いと思う自分がいたりするんですが、そもそもアドマイヤムーン武豊がダービーの時点で乗ってるとも思えないし、NHKマイルCフサイチリシャールと争って、相手が断らなかったら日本ダービー本田優に戻ってるというシナリオが一番ベターなような気がします。この馬に関しては皐月賞まで無事に残れたアグネスゴールドフサイチゼノンというのが自分の現時点評価、ということで薄くスーパーホーネットボールドエンペラー的な2着という可能性以外は、4着以下の馬はダービーでは積極的に切りたいです。

「競馬好きな大学院生の日記」の中の記述で「競馬が売り上げ落ちてるというのは、クラシックなどでこういうのがなくなっていったからだと思うのです。」というのは、まさにその通りだと思います。POGが良血馬信仰をファンに生んで、血のロマンという興味が薄くなった(と、僕はそう信じている)ように、小田部や滝登のせいなのかは分かりませんが、変にファンが一流騎手信仰を持って、一部の新参馬主がとにかく特定の騎手だけに馬を集めようとするムードに対して歯止めが効かなくなっていたのは、絶対に競馬の興を削いでいたと思うので、今回の一石は本当にJRAに取っても大きな歴史的な揺り戻しのきっかけになってほしいと思います。
思えばテイエムオペラオーメイショウドトウナリタトップロードが引退してから、自分にとってはJRAの競馬って面白くなくなってきていたけど、この皐月賞は一発大きく揺り戻してくれました。ということで梶原さん、競馬人気のためにも“たまには”では困ります(笑)。
ということで春の天皇賞は◎芹沢純一、○田島裕和、▲岩田康誠日本ダービーは◎石橋守、○高田潤、▲四位洋文、△岩田康誠福永祐一でいまんとこファイナルアンサー予定です(笑)。