『ツール100話 ツール・ド・フランス100年の歴史』(安家達也/未知谷)

去年のツール・ド・フランスJ SPORTS中継のプレゼントクイズで当選して貰った本、ようやく読みました。最近の知っている名前(といっても今は監督になっている人が多いですが)の人の話も面白いですが、戦前戦後直ぐの頃の話が面白すぎで、自転車の修理に他人の手を借りたらダメとか、他の選手を空気避けにしてはいけないというのは、今から考えると信じられることでなく、掲載されている当時の写真を見ても思いますが、昔と今では競技の内容が全く違うレース、少なくとも選手がチューブを何本も襷がけにして走ってる頃と、今はもう全く別物と考えるべきと思いましたが、こうやって100年の歴史を一冊にまとめて紹介されると、競技の中身は大きく変わっても、何か底に一本つながったものを感じさせるから不思議です。
あとツールが必ずしも自転車レースの最高峰でなかった時代、この作者がグレッグ・レモン以前と以後でツールを分けているということが明確に分かるところ、最後の項は覇道を歩む途中のランス・アームストロングの話で終わっていますが、100年で括ったから仕方ないことですが、この本の流れから考えるとランス・アームストロングの2005年で区切った方が流れとして美しかったかも知れません、ということで文庫版とか新装版が出る折りは、その辺の加筆をご検討ください(笑)。さあ次は『ツール 伝説の峠』だ。