3月・4月以降のbaseスケジュールについて

まずはやっぱりイシバシハザマの東京進出に伴う卒業というのが、一番の重大事項でしょう。

ここに挙げているのは、比較的に賛成的なポジションの方や、取り乱しながらも冷静さを失っていない方の意見だけ載せましたが、やっぱりヒステリックな反応も、過去の大阪芸人の東京進出の例に漏れず多いことも事実です。
しかし例えばここ最近の「ヨシモト∞」でNON STYLEが自身の月収が10万円に達していないことを語ったり、「笑いの金メダル」でイシバシハザマの石橋さんが月収が4万円だということを喋っているように、baseよしもとに出ているだけでは芸人だけでは生活の糧を得られているとは言えない状況なわけで、劇場だけで食えないのは分かり切っていることなのです。
大阪に居続けてほしい、いまのホームグラウンドでの活動を続けてほしいという要求を客がするのなら、お客さんはその要求に見合っただけのチケット代を支払っていけるのか? そういう行動が取れて始めて出来る要求ではないでしょう?
いまの(古典芸能を含まない)お笑い芸人はメディアに出ないと稼ぐことが出来ない、テレビに出て出演ギャラを得る、テレビに出た知名度で営業を得るというのが芸人が芸人で生活していくため現在の唯一の道なんですよ、いまテレビに出ずに劇場やライブ中心にしている人だって、そのほとんどが過去にはテレビに出演して知名度を高めたりしているのがほとんどな訳です。だからメディアのおかげで食えるようになったというのは、例えばラーメンズなんかも決して例外ではない。*1
しかし大阪のテレビ界は完全に椅子が埋まり、ここ何年も入れ替えの気配がない、うめだ芸人の一部が最近になってようやっと若手芸人枠をテレビで得ているような状況が続いていることを見れば、いまのbase芸人が大阪にいて芸人の収入だけでまともな生活が出来るだけ稼げるようになるのは、何年かかるかというのは想像することは決して難しくありません。本人達の努力や才能以前の問題としてそういうシステムに大阪はなっている。
イシバシハザマの石橋さんは今年30歳、自分がいまのうめだ芸人ぐらいのキャリアになったとき何歳か? と考えたら、そりゃ東京行くという判断するよ。こういう大人の事情とも言うほどでもないシステム的な話を理解できないというのが、関西のお笑い界というのが、いかにモノの道理の判断が出来ないお子ちゃま相手の商売としてやってきたか、ということの現れだと思いますし、大阪にいるから好きとか、baseでやってるからファン、そうじゃなくなったら変わるというのは、元々そんなにファンじゃなかったという事にしないとダメですよ。
またそのワガママな客の要求が通用してきたのも、大阪のお笑い界の病巣を大きくしてしまったと考えます。もちろん大阪の客がそういう反応を示すのも理解できるんですよ、東京に進出したばかりの頃の芸人は、みんな関西地方でだけ放送されていない深夜番組に出て、ちっとも東京での活躍を伺い知ることが出来いし、その段階で成功を掴めなかった人達が、大阪にも戻れず、東京の番組の全国放送で見ることもできないままに、自分たちの目の前から沢山消えていった事例、僕も沢山知っています。*2
そしてつい最近まで千日前の交差点に立ってチケットを手売りしてくれた芸人さんが、メルアド教えてくれてチケットの予約聞いてくれてたような身近にいた人が、やがて千日前の交差点に立たずともチケットが前売りで売り切れるようになったり、やがてはテレビの通じてしか姿を見ることが無くなることの寂しさを感じるのは、凄く理解できることです。でもそれはやっぱりそれまでの関係こそが異常だったと、一過性のものだったと判断してあげましょうよ、逆にそういう人間関係を大事にする人達が、勝負をすることも出来ずに、千日前の近辺でバーやカフェを経営したり、そこでバイトしたりすることで、兼業芸人としての知名度だけで食っていくようになる道が、芸人にとってもお客さんにとっても一番幸せな道と言えるのでしょうか?
芸人さんの夢とか野望ではなく、現実的な生活というレベルですら、大阪はもう新たな若手芸人を育てるどころか食わせることも出来ないぐらいにまで土壌が痩せてしまったということを認識して、まずそれをどうするのかという所から話をしないと、大阪で芸人は活動を続けてほしい、自分たちの身近な劇場に立ち続けてほしいという要求は、やはり無理な願いでしかないし、芸人さんや自分たちを苦しめるだけの声になってしまうと思います。

baseよしもとが今年の二月に入ってからの組織変更については、もう自分も色々書いたし、他にも書いてる人がいるのでもう書きませんが、これについては改悪と色々書いてきたし、自分たちの周りでもそういう意見を言い合ってきたけど、それは僕や僕の周りがビーイチ組よりもビーニ組、ビーニ組よりもビーサン組を愛している人達だからのことで、例えばうめだ花月やいまのトップ組あたりが中心に好きな人達にとっては、いまのbaseよしもとの方が魅力的なプログラムが多いのかも知れないんですよね、ガンガンライブうめだスタンダードを比較したらコストパフォーマンスやバリエーションが、今度の改革で明らかにガンガンライブの方が上回った風に思えるんでしょうね。
ただ僕が唯一、今回の改革で期待していた、これまで単独ライブに縁がなかったビーニ勢の単独が見れるようになるのではというのは、改革の最初の月にヘッドライトやとろサーモンの単独があって期待していたんですが、結局のところ三月は初単独の人はなし、四月もネゴシックスが初単独と、完全に古い人とテレビに出ている人だけが救済されただけで、ガンガンライブ組の下の方の人達でやるユニットライブの『base FRASH!』も恒例の間隔でやるという事はないようですし、何が言いたいかというとガンガンライブの出番見ても、僕の大好きなベリー・ベリー鎌鼬の出演が物凄く減ったことが納得できないんだよ、今度の改革は(笑)、いやビーサン組が上がりにくいのもそうですが、ガンガンライブ組も新しい人達は単純に出番減っただけになってます。
しかしこれで何が起こったかというと、単独ライブに熱心な人の単独ライブ、ユニットライブが増えたこと、具体的に千鳥、天津、中山功太のこの毎月の公演の多さはなんでしょうか(笑)、そして先ほども書いたようにガンガンライブうめだスタンダードの差が埋まったというか、コストパフォーマンス的にも、うめだスタンダードの「芝居もん」に当たり外れが激しいことを考えても、ガンガンライブの方が良いというか、今回のbaseの改革って明らかに、うめだ花月への対抗策だったんだなあと、本当に仲悪いんだなあうめだとbaseという風に感じ取りました。
いまbaseの界隈にいるとストリーク、ダイアンあたりのbase卒業、うめだ移籍は何時になるのか? という話題をする人がいるのですが、僕はこれまでのbase芸人うめだ出演禁止もそうでしたが、今回のbaseの改革がうめだ花月に対する宣戦布告と捉えるなら、敵に塩を送るような卒業はないと思うし、baseよしもとが若手を育成するファームではなく、採算重視の劇場プログラムにしてきたことを考えると、敵に塩を送るようなうめだへの移籍はあり得ないと僕は思う、東京進出以外の理由での既存のbaseメンバーの円満なbase卒業というのは、現時点ではもう考えにくいと思います。
いまのbaseよしもとは、ダウンタウン千原兄弟ジャリズム時代以来の大駒というべき、看板タレントを抱えている状況です*3。いまは麒麟、レギュラー、南海キャンディーズは大きくbaseに収まらない存在になりつつあり、笑い飯と千鳥、それに次いでNON STYLEがいるという状況で、この三組がライブをするとき、イベントをするときに脇を固める連中を固定したいというのが、僕は今回のbase改革の本音だと思っています。それは営業的に考えて物凄い正しい判断だと思います。ただそれで笑い飯や千鳥の脇を固める存在として既定されてしまった人達には、それが自分たちにとって良いことなのかどうかという判断は、もう一度してほしいというのは、以前にも書いたことです。

ダウンタウン時代の人たちはともかく、千原・ジャリズム時代の脇を固めていた人達なんて、もうみんな少なくともその時結成していたコンビで活動している人なんてほとんどいなくなっている、あのころに立てた手柄なんてちっともいま跡形もなくなっていることは、頭の片隅にいまの人達も認識しておいてほしいです。

スミマセン、僕は最初はヘッドライトかとろサーモンの単独のチケット売れ行きがもしかして伸びていないのが、三月以降の新顔の単独ライブがない理由だと思っていましたよ、特にヘッドライトについては二月に入ってからずっと和田さんか町田さんが物凄い形相でチケ売りしてるの見てたので、本気で心配していたんですが、成功してくれて良かったです(笑)。でもここは何かのキッカケでうめだ花月に行けた方が幸せだったとは思うんですけどね、例えbaseから出される形とか、ビーサンに落ちてしまったからというようなマイナスなきっかけであったとしても、というかママ・レンジはいい加減に決断してほしいです。
ということで結論、baseよしもとが第二のうめだ花月となるんだったら、吉本は東京で渋谷に作っているような若手用の劇場を、大阪にももう一つ作ってやってください。若手を育成することを放棄するのなら、若手芸人の行動にもっと自由をあげてください。しかしこのbaseよしもとの方向転換は、ますますうめだ花月の存在を中途半端にするよなあ、一部で言われてたけど最近聞かなくなってきた「姥捨て山」的な評価が、またうめだ花月に戻ってくる可能性はある。

*1:断っておきますが、食えるというのは衣食住がギリギリ保てるというレベルの話をしていませんよ。

*2:大阪でスカパー!に入らずに普通に暮らしていたら、ハリガネロックルート33COWCOW2丁拳銃も目にする機会なんてゼロに等しいですからね、ハリガネロックがせいぜい「熱唱オンエアバトル」の司会で見る程度。

*3:FUJIWARAバッファロー時代や陣内・ケンコバ時代というのもあったという声もあるでしょうが、自分の印象では過去の二つのブームほどはなかった印象、またこの時期は彼らだけでもなかったし、看板が多すぎて印象がボケていた時代というのが自分のイメージです。