「第37回キタイ花ん」

ということでM-1の興奮が全く醒めやらないので、普段時間があっても何となく行かなかったり、今月は行くぞと思ったら過ぎてたということが多い「キタイ花ん」に行ってきました。これでこの四日間は『ワッハワッハM-1ワッハ』ですよ(笑)。
初の「キタイ花ん」は夏に一回やったトーナメントの二回目ということで、いきなり初「キタイ花ん」が特別なフォーマットの回ということになりました。
トーナメント形式で争い、一回戦と二回戦は持ち時間一分、三回戦は二分の持ち時間で、会場に先着した101人が会場入りしたときに配られた内輪を上げたら先行、上げなかったら後攻というお客さんによる審査で決まる方式、決勝は三組で会場全員の投票を集計して決めるという大会です。
一分ネタってどんなことをするのかなと思っていたら、想像していた以上に出オチ、オチだけ、飛び道具中心で、ある意味生身の面白力を競うような形になり、これはこれで凄く面白かったです。

一回戦第一試合 ○ネオシン vs 天の神様×

出オチのネオシンとオチだけのネタだった天の神様という最初からその種類はもちろん質共々物凄く難しい勝負でした。はっきりいっていきなりかなりの低レベルのどんぐりだったので物凄く悩んで、もう好き嫌いだけで上げようかと思ったんですが、どちらも常連客さんという感じで街ですれ違ったら会釈してくれる人たちなので本当に悩みましたが、もうギリギリまで悩んで先行のネオシンに上げましたが、結果は何と“52:49”という大接戦でしたが、とりあえず悩みに悩んだ僕としては“51:50”なんていう僕が逆だったら違う結果なんてことにならないで良かったと心底ホッとしました。こんな調子で続くのかといきなりストレス感じましたよ(笑)。

一回戦第二試合 ○エハラマサヒロ vs 三線バンド×

三線バンドの「漫才界のBIGIN」という紹介の時のキャッチフレーズを思い返すとMCの大和魂さんが言っていたキャッチフレーズは全部メモしておけば良かったと思った(笑)。一部はメモしているんですけどね。

NHK教育グッチ裕三とCMの矢野顕子、もう熟練されたモノマネネタは流石でした。貫禄の圧勝。

一回戦第三試合 ○王(キング) vs 自宅出産×

  • 王 漫才「『グリーングリーン』を唄いたい、と言ってるのに『翼をください』を唄う」投票
  • 自宅出産 漫才「あっち向いてホイのタイミングが分からない」

四人組vs三人組の対決は四人組に軍配、ストーリーを勧める以外の人の使い方の差が大きかった。しかし舞台上でも指摘されていましたが、王の太っている人は本当にきびのだんごさんそっくりです。

一回戦第四試合 ×大脇里村ゼミナール vs ミルクボーイ○

実は自分の貰った内輪にはミルクボーイさんのサインが入っていて、これは当たり内輪らしいのですが、ただ対戦表を見てミルクボーイさんのサインが入っている内輪を対戦相手が良いという評価に上げないと行けないのかと、せめて内輪を上げるときはサインの書いてある方を舞台側に向けないようにしなければと凄い気を使っていたのですが、物凄い危惧に終わりました。

  • 大脇里村ゼミナール コント「サンタクロース扮装の泥棒」
  • ミルクボーイ コント「ヤクザのアニキと子分」投票

正直、この後の二分ネタ、三分ネタで大脇里村が良いネタを用意していたのは分かっていたし、自分的にも今回のチケットは大脇さんから買ったりしたのですが、自分が贔屓の引き倒しで下駄はかしたとしても勝てないことは容易に想像できたので、正直に内輪を挙げませんでした。結果はミルクボーイ圧勝でした。正直、策士が策に溺れてしまったという非常に残念な結果でした。

一回戦第五試合 ×夜盗賊団 vs ジャンみやがわ

ビートたけし、いや北野武のモノマネというか、完全になりきりで、『TAKESHIS'』の客入りについて話して、たけしのままでショートコント、もう卑怯だけど完璧でした。圧勝。まあ夜盗賊団さんは一分向きではないよな。

一回戦第六試合 ×近畿ブリッジタワー vs 三浦マイルド

  • 近畿ブリッジタワー 漫才「まんじゅう屋漫才」
  • 三浦マイルド 漫談「誰が関ジャニやねん 誰がハゲやねん」投票

禿げている人が医者に行ったという話で、「こちらの患者に…」「誰が関ジャニやねん」推し、もうこれだけで圧勝でした。

一回戦第七試合 ○スゴイオモシロイヨ vs バーン×

  • スゴイオモシロイヨ 漫才「たけのこニョッキ」
  • バーン コント「玉入れ」投票

バーンはタイムオーバーでしたが、「怒りのアフガン」の下りが絶妙だったので、こちらに一票でしたが、接戦でスゴイオモシロイヨの勝ち。

一回戦第八試合 ○クロスバー直撃 vs ガキ時計×

  • クロスバー直撃 漫才いやコント 「車の移動のお願い」投票
  • ガキ時計 コント「チュルチュルした踊り」

タンクロータリーとか馬車とか馬車を引いてる馬が名馬とか、名馬のチョイスがナリタトップロードイナリワンとか、いちいちセンスが良すぎたんですが、そういうのがなくても、ここで「車の移動のお願いのアナウンス」というネタを持った来るだけで勝ちです。
ししこの時に並びで見ていた人がガキ時計さんのサイン入り内輪を思いっきりサインの方を舞台に向けて出していたのは胸が痛みました。女子はホンマ怖いもの知らんなあ……。

一回戦第九試合 ×銀シャリ vs 帽子屋お松

僕は銀シャリに投票しましたが、先週のインディーズイベントでも感じましたが、帽子屋お松さんに対するお客さんの受け入れ方が暖かい暖かい、よほどのことがない限りこの空気でそのまま勝ち進むと思いました。

一回戦第十試合 ×幕末てんぐ vs Dr.ハインリッヒ

  • 幕末てんぐ 漫才「おにぎりが好き」
  • Dr.ハインリッヒ 漫才「相撲:伝統って何や?」投票

シュールな言葉遊び系の酷似したネタでしたが、単純に僕はDr.ハインリッヒの方が言葉の選択が好みでした。

一回戦第十一試合 ○牧戸上原 vs ブルーボーイ×

ショートコントの店を壊す客を持ってきた牧戸・上原が貫禄の勝利。

一回戦第十二試合 ×裏ブラウン vs さかなDVD○

  • 裏ブラウン 漫才「あいのりで見たアフリカ」
  • さかなDVD 漫才「ショートケーキのイチゴをどうするか?」投票

正直ネタが聞き取りにくかったり、変にブラックだった裏ブラウンと比較してさかなDVDの不思議な感じは良かったです。現状ではまだプチ・チュートリアルではありますが。

二回戦第一試合 ×ネオシン vs エハラマサヒロ

  • ネオシン コント「テニス部」投票
  • エハラマサヒロ 漫談「ディズニーモノマネ」

前日にたまたま大西ライオンさんのネタを見てしまっていたので、比べるところではないのにどうしても比較してしまってネオシンさんに投票しましたが、エハラさんの勝利には納得です。

二回戦第二試合 ○王(キング) vs ミルクボーイ×

  • 王 漫才「組体操」投票
  • ミルクボーイ コント「ヤクザのクリスマス」

正直、かなり低レベルのどんぐりでしたが、ミルクボーイの方は「ジンギリベル」などの良いフレーズもありましたが、ここまで同じレベルだと次もう一ネタみたい方を上にという感覚で王に挙げました。そしたらまた“52:49”でひと安心(笑)。

二回戦第三試合 ○ジャンみやがわ vs 三浦マイルド×

もうこの対戦の審査集計の前後当たりから、もうだんだん本物のたけしさんに見えてきていた自分がいました。完全に心鷲掴れ状態でした。

二回戦第四試合 ×スゴイオモシロイヨ vs クロスバー直撃○

  • スゴイオモシロイヨ 漫才「ラーメン屋やりたい→そば屋やりたい→せんだみつおゲームやりたい」
  • クロスバー直撃 コント「忘れ物のお知らせ」投票

スゴイオモシロイヨは三人以上コンビの欠点がそのままでた感じ、一方のクロスバーは一回戦のネタの続きのような展開から、本当に続きにしてしまった手業は見事でした。本ネタのハンマーの下りも見事でした。正直、この続きが見たいと思わせる展開も見事でした。って次のステージで続きやらなかったんですけど(笑)。

二回戦第五試合 ○帽子屋お松 vs Dr.ハインリッヒ×

正直オチも含めて気に入らないところは多かったですが、それでもハインリッヒのレベルが高いと思う投票しましたが、でも帽子屋お松さんが勝つだろうと思った通りになりましたね、なんなんだこの客席がこの人の時にだけ出すホーム感は(笑)。

二回戦第六試合 ×牧戸・上原 vs さかなDVD○

  • 牧戸・上原 漫才「小便漏れそうな中で漫才」投票
  • さかなDVD 漫才「世界一になりたい」

牧戸・上原はインディーズライブで見たネタの前半部分で面白かったんですが、やはり持ち時間的に笑い所があと一つ少なかったというのが敗因でしょうか、さかなDVDは一回戦同様に面白いけど若干とっ散らかった感じがあり牧戸・上原に投票しました。

一回戦、二回戦までの雑感

やはり思ったのは、飛び道具を持っている人が有利、そしてその上にピン芸人が絶対的に有利ですね、一分という持ち時間は、ある程度設定や不利からオチに繋げるネタでやる漫才やコントを主としているコンビはやりようないよね(笑)。そんな中でクロスバー直撃は卑怯だけど巧かったなあと感心しました。コンビではクロスバー直撃、ピンではたけしさんがここまでのMVPでした。
準決勝はくじ引きで当たりを引いた人が対戦相手と出番順を選べるという方式で、第一試合「さかなDVD×クロスバー直撃」第二試合「ジャンみやがわ×帽子屋お松」第三試合「王×エハラマサヒロ」となりました。

準決勝第一試合 ×さかなDVD vs クロスバー直撃○

  • さかなDVD 漫才「お尻って知ってるか?」

お尻は日本人の小尻さんという人が見つけたからお尻と命名された、エジプト人はお尻をしらなかったというネタ、こういうトリッキーなネタで勝ち上がってきたコンビですが、さすがにこれ以上は敷居が高かったです。

  • クロスバー直撃 漫才「カラオケで歌いたいところだけメドレーで唄う」投票

今年のM-1で三回戦突破したネタで勝負、さすがに格が違いました。

準決勝第二試合 ×ジャンみやがわ vs 帽子屋お松

最初にマイクの頭ぶつける所から始まって、ラッシャーさんの前で「武勇伝」をやってるところを、それをダンカンさんに見られて慌てるたけしさんの一連を演じ、もう僕には本物のビートたけしにしか見えませんでした(笑)。それにもうやられてしまって僕は投票しましたが、流石にやっぱり“3:98”ぐらいで敗れてしまいました。まあさすがにこのライヴの常連さんからしたら、これにファイナルまで行かれるのは嫌だろうなあ(笑)。

漫談に挑戦してみますという入りから、子供の頃に髪を染めようとした話と、ファミコンの話、ファミコンゲームのタイトルのチョイスとか、この客層限定だなと思えるネタで、お客さん投票だからこそ勝負になるネタを持って来れた作戦勝ちでした。

準決勝第三試合 ×王(キング) vs エハラマサヒロ

  • 王(キング) 漫才「ドリフの早口言葉」

やっぱり短い時間だと多人数のお笑いって不利ですね。

もうタイトル通り(笑)、とにかく卑怯で素晴らしかったです。
準決勝の段階でこの六組が残るとは予想できない所が残りましたが、決勝のこの三連複は誰も買えない百万馬券みたいな三組が残りました。ワイドなら買えても三連複は無理。

決勝

手話を習っているといってイカサマな手話をやる。やっぱり勝負ネタをセミファイナルで使ってしまったのが出ましたね、準決勝の段階では優勝候補に挙げたい出来だっただけに残念です。

  • 帽子屋お松 漫談「コンパで天狗に似てると言われてモテる」

正直、漫才コンビ時代のネタをそのままピンネタに起こしたもので、凄い引きました。もしかしたら元々彼のピンネタを街の帽子屋さんで漫才ネタに無理矢理していただけかも知れないし、元に戻っただけかも知れませんが、そうじゃなかったら、相方が引退とかでもないのにコンビの共有財産であるネタをピンネタとして使うのは、例えお松さんが100%ネタを作っていたとしても、許されるのかなと僕は少し疑問に思いました。例え台本の100%がこの人の手によるものであっても、演出とかその他の面で相方さんの影響とかは絶対に出ている訳で、それはこのネタが元々この人のピン芸の台本であったとしても、一度漫才として下ろしたら、相方さんの今となっては影響を受けたものになっている訳で、それをピン芸のネタとして持ってくるのは、相方さんが辞めたとか事情があって休止しているのでその間の活動だというのならともかく、僕は少し不思議な思いでした。いや元相方さんが心広く許しているのかも知れませんが、それでも僕は微妙な気持ちを引きずったまま見ていました。場内全体の反応を見るとどうも優勝しそうな盛り上がりでしたが、これは帽子屋お松ではなく、街の帽子屋さんが受けるべき評価だったと思います。それを独り占めする行動は、やっぱり少し違わないかなと思います。まあ本人達が良いのなら、それで良いんですが(笑)。

「ラブサイケデリ子」からオール巨人師匠のモノマネまで大いに盛り上がりましたし、東京から来たお土産を貰って買えるに充分と思ったので投票しましたが、最終結果はやはり場内の盛り上がりの通り、帽子屋お松さんが優勝でした。

エンディング

先週の23日、24日のインディーズライブでも感じましたが、大脇里村ゼミナールの大脇さんが加速度的にますだおかだ岡田圭右化していて、この上なく素晴らしかったです。相方を日本一の「オタク芸人」の座につけてあげたいと語っていた大脇さん、貴方も日本一の椅子が目指せる人ですよ!! 具体的に椅子の名前は言いませんが(笑)。