昨日買った漫画について改めて

『あずみ (37)』小山ゆう/小学館

父、妹がファンなので自分的には多少惰性で買っている感はあるのですが、あずみが始めて指令に外れた行動を取るあたりや、対立構造が複雑になってくる感じは面白いんですが、次巻でどうも子供が死にそうな引きや結局みんな不幸になって終わることを示唆する引きがやっぱりちょっとキツイですね、甘いですけど「みんなで幸せになろうよ」という世界描いてる作品の方が好きな自分には、面白いけどキツイというのがこの作品に対する本音です。

『賭博堕天録カイジ (4)』福本伸行/講談社

正直、雑誌連載で追いかけていると、失敗のシリーズという思いが強いんですが、単行本でまとめてみると結構手に汗握りますね、ただ福本先生は現在『黒沢』が最優先のモチベーションだろうし、麻雀モノは『アカギ』が続いている以上、やっぱり『カイジ』は「限定ジャンケン」のようにオリジナルゲームでいってほしいです。本人もテレビの番組で「オリジナルのゲームはいくらでも考えられる」と豪語していたんだから、是非ともいまの「17歩」はさっさと終わらせてオリジナルでお願いします。
この「17歩」って福本マンガのパターンから考えて、致命的な欠点があると思っているので、さっさとカタ付けてほしいです。ホンマにこのままでは『UNO』やってりゃ良かったのにということになりますよ。

『最強伝説黒沢 (7)』福本伸行/小学館

やっぱり福本先生の一番のモチベーションはいまここですね、ただそれでも「アジフライ」の頃ほどの熱がないのは残念。

『もやしもん (1)』『(2)』石川雅之/講談社

お世話になっているはらたきさんが絶賛していたのを見て、その評価だけで手に取ったんですが、はっきりいって今年知ったマンガの中で圧倒的にいまMVPですね、これは凄いです。ちょっともういま自分が頭の中で出てくるどの言葉もこの作品を評するにはふさわしくない軽すぎる、この作品を褒める言葉としてのレベルに適していないとしか言えないので、「とにかく面白いから、お前等さっさと読みやがれ」としか言えないです。
枠外のコメントによると登場人物の一人が笑い飯・西田なのは偶然みたいですが、酒屋の息子は言い訳効かないぐらいケンコバだったのがツボでした。さすが堺市民だけあります(笑)。つーか堺出身・在住の漫画家がさいとうたかを以来出現したことが嬉しい限りです。
サブキャラやモブシーンに出てくるキャラクターが芸人の似顔絵なのはハロルド作石さんが有名ですが、この方もその道に進んでくれるのなら、作品そのものの魅力とは別の次元で嬉しいです(笑)。

『絶対可憐チルドレン (1)』『(2)』椎名高志/小学館

唯一買っていない、つーか売り切れだったマンガ、今日改めて近所の小さい本や回ってもなくてビックリ、本当に凄いことになってますね、正直僕は椎名高志先生は『一番湯のカナタ』ではなく、その前の『MISTERジパング』の終了段階で、「これで椎名先生は少年マンガの最前線からはご退場になるんだろうなあ」と思っていただけに、この大復活劇は本当に物凄いことだと心から拍手を送りたいです。
普通間違いなく消えるパターンなんですけどね、一つ凄いなと思うのが、この“萌えブーム”みたいなマンガ界、オタク界にあって、“萌えブーム”向け作品のようで、実は思いっきりブームに背を向けているというか、明らかにいま“萌え”的な価値観に乗っかっていない、旧態的なサンデー的なヒロイン像で開き直って突っ走って成功しているというのが素晴らしいと思うんだけど、このブーム寸前と言って良い商業的成功を支えているのが、どのくらいの世代なのかというのは正直興味あります。僕とか駒木さんあたりの世代が支持者の下限なんじゃないかという危惧は少しあるのですが、その辺どうなんでしょうか?
とりあえずいま“萌え”とかいってる世代の人のこの作品評は正直聞いてみたいなと思います。