プレイオフの存在とドラフト指名拒否する人にヒステリックになるのがよく分からない

職業選択の自由アハハ〜ン♪」なんて古いCMソングを持ち出すまでもないのですが、僕は基本的にドラフトは現状の歪なプロ野球のシステムを回すための必要悪制度だと思っているので、ドラフト指名拒否なんていうのは、多少逆説的かもしれないけど当然の選手の権利だと思っているのですが、ちょっと野球ファン側にヒステリックな意見の人が多いのはちょっとげんなりしています。
まあ基本的に自分はディヴィジョン制のリーグ戦論者だから、それじゃあドラフトなんて出来るわけないし、正直言って契約金制度を廃止というか禁止して、チームの経理をリーグに対して透明化することを義務付けた上で、完全に市場を自由化させた方が丸く収まると思ってるんですけどね、その上でユースチームとかを持てば、ファイターズは北海道、ホークスは九州の若い才能を優先的に発掘できるわけだし、それが進めば日本野球界の最大の癌、高校野球の甲子園大会にも影響与えるだろうし、というわけで契約金の禁止、入団当初は試合数などに応じて年俸上限をリーグで規定するなどした上で、ドラフトを廃止して、ディヴィジョン制のプレイオフのある1リーグが理想ではないかと思いますです。
あと自分は試合数の多い野球のリーグ戦には、プレイオフは向いているし必要と考えています。それはこれは同じくプレイオフ賛成論者の方が言っていたことですが、ペナントレースは弱小チームを叩いて勝ち星を積み重ねただけのチームでも1位になれる」から「2位チームと戦って、どっちが本当に地力があるのか確かめるべき」という意見があるのですが、これは例えば年間一つのチームと二試合、多くても四試合ぐらいしかしないようなスポーツならともかく、野球のように年間140試合もあって、特定のチームと一つのリーグ戦で十何試合以上もあるスポーツでは、年間のリーグ戦の結果が力の差を反映していないという可能性は高いんですよね。
実際に近藤ベイスターズが巨人に全力出し過ぎて、ヤクルトには出涸らし状態で試合することが多くて、結果的にヤクルトの優勝をアシストしたとか、権藤ベイスターズ阪神だけを叩いて優勝したと言われたり(これは事実としてそうなのかは数字調べられなかったですけど、本当なんでしょうか?*1)ということがありますから、ここまで年間の試合数が多いスポーツのリーグ戦だと「プレイオフでどっちが本当に強いか決める」というのは、僕はアリだと思います。
何より興業面でパ・リーグの経営が難しいから始まったこの制度について反対するのは、「パ・リーグは潰れても良い」と言ってるのと同じ事だという自覚はあるのかなとも思います。ますだおかだの増田さんなんかはそれに気付いたようで、「チーム減1リーグ移行やむを得ない」という意見に大分傾いているようですが、そこまでしてまで否定するものなのかと思うのが正直なところです。
僕はスポーツ的にも野球の一年のチーム数が多いということを考えると、チャンピオンシップとしてプレイオフは適さないとは思わない(実際問題としてアメリカでは昔からやってるし、欧州の野球リーグもプレイオフを採用している)、むしろ野球に適した制度ではないかと思うようになっています。
そしてレギュラーシーズンの地上波でのテレビ放送が減っている現状、これも僕はチームの経営にはマイナスでしょうが野球界全体には良いことだと思います。やはり試合数が多いこともあり、どうしてもどちらか、もしくは双方にモチベーションが低い試合というのが地上波で放送され事で、魅力的でない試合が放送されることでのイメージダウンというのは、僕は多々あったと思います。もしろん好きな人にはそういう試合でも見所はあるんですが、そういう見所を楽しめる人は球場に行くか、有料チャンネルで見ればいいわけで、一般の人へのアピールという意味では、双方の選手のモチベーションが高いポストシーズンやそれにまつわる争いに試合だけが地上波で放送されるようになるのは、決して悪いことではないでしょう。
またチーム経営という意味でも、プレイオフの商品価値を高めることで放映権の価格を上げることが出来れば、テレビ放映権料を各チームではなく、協会が一元管理して成績などに応じて分配するシステムを取れば、僕はチームの経営上も決してマイナスにはならないと考えています。
最後にもう一度プレイオフで勝ち上がったチームが日本一は納得出来ないという方々へ、これは以前にも書きましたが、日本の狭い国土で、たかだか12チームぐらいしかないプロチームを二つのリーグに分けて、両リーグのチャンピオンを短期決戦のポストシーズンで日本一を今までも決めていたんですから、現在のプレイオフと比べても、その精度は似たようなもんですよ。
え? セ・リーグの優勝チームがプレイオフの間に待たされる問題について? えーとそんなもん知らん、というかそれは最初から日程が出た段階で分かっていたわけで、それについての対策、もしくはこの日程に抗議しなかったセ・リーグ六球団が悪いとしか言えないです。これはプレイオフのせいではなく、セ・リーグの頭の悪い日程作りと、それに声を上げなかったセ・リーグ球団の責任でしょう。
というわけで、このダイアリーの書き手は改めて、プレイオフ制度を支持します。ただいまのやり方に問題があるのは確かなので、早くセ・リーグにもプレイオフを導入させて、「セ・リーグ1位とパ・リーグ2位の勝者」×「パ・リーグ2位とセ・リーグ1位の勝者」とか、1リーグ3地区に分けて各地区の優勝者とワイルドカードにするとか、そういうプレイオフ制度の更なる改革は必要なのは間違いないですが、その辺は機構、選手会などの一層の努力をよろしくお願いします。

僕も想像しなかったほど、物凄いデータ的な裏付け貰ってしまった(笑)。まあ4位以上でとか勝率5割以上のチームでというのは若干恣意的ではあるのですが、やっぱりプレイオフという発想は興行的にも真の日本一決定戦としても正しいと思いました。

*1:やっぱり事実ではないようです。コメント欄より、ありがとうございます。