「石ノ森章太郎萬画大全集」

まあ普通に考えて、1期単位の販売で41冊のシリーズと42冊のシリーズで料金が一緒とかいう料金設定もお客さんを相当舐めていると思う、いま石ノ森に必要なのは高価な豪華本の全集を出すことではなく、着実に初期作品を元のコミックス版で復刻していくことではないでしょうか、はっきりいってこの全集をほしがるような石森ファンが『HOTEL』とか混じっている全集を欲しがるとも思えないんですが。
『石森プロは商売うまくない』と言ってた人がいますが、なんかエンタメ業界って金に汚いところほど、商売の下手さを出すところが多いと思う、基本的にエンタメ業界というのは綺麗事ではなく、『損して得取れ』ということが出来ないと本当の金儲けは出来ない業界なんだなと思います。これは決して綺麗事で言ってるのではなく、流通とか集金システムを押さえていない限り*1、綺麗事でやらないと絶対に儲からないのがエンタメ業界でしょう。石森プロはその辺が下手すぎる、藤子プロはなんだかんだいっても小学館がよくコントロールしている。
エンタメ業界で言えば吉本興業もこれまではパワーで押し切れたところが、お笑い業界全体の規模が上がったときに、それが通用しなくなってきているんだから、そろそろ綺麗事で物事を進めて、お客さんを巻き込んでいく術を身につけても良いのではないでしょうか。明らかにお笑い業界全体の市場の膨らみほど、吉本は最近のお笑いブームで市場を広げられていないように感じるのですが……。
この話は吉本を読売ジャイアンツに置き換えても良いし、野球界全体に置き換えて、お笑い業界全体を日本のプロスポーツ興業全体に置き換えてもいい話だと思います。自身の規模は変わっていなくても、市場全体から見たときの影響力が伸びていない時こそ、一番危機感持って対応すべきタイミングでしょう。

全集ではありませんが、こちらのほうが遙かに魅力的でリーズナブルな売り方だったと言えるでしょう。きちんと分売もしていますし、一般の本屋やamazonでも買えますし、特典の単行本未収録の足塚不二雄時代の作品収録の豪華本も、予想していたよりも豪華で嬉しい、届いてからのお楽しみでした。

*1:例・JASRACとかはこの辺押さえてるから、綺麗事が通用しないというか、綺麗事で物事を進める必要性が理解できない。