須田鷹雄と「酔いどれない競馬」

須田鷹雄と二人の師匠(井崎修五郎・鈴木淑子

まず一部で出ている東日本地区以外には分からないネタを、CSという全国放送の番組のネタにするのはいかがなものかということに関しては、これまでの「酔いどれない競馬」にしても大概、東日本でしか放送されていない「スーパー競馬」の楽屋オチ番組だったわけで、その点については何を今更だと思うし、ある程度西日本のファンも自分たちは見ることができない東京の競馬番組の雰囲気を味あうことが出来ていたんだから、いまやってる競馬番組がクソなときは、その裏側を見るという内容になったときに、それがクソになるというのは仕方ないことだと思っています。
あと、須田さんに番組内容への口出しやキャスティングについて意見するのは、須田さんにその権限がない以上、確かに可愛そうなんですが、須田さん本人の立ち回り方に問題がないとも言い切れない部分はあると思います。師匠お二人というのは分かりますが、(テレビの視聴者とか原稿とか含む)お客さんの前でも須田さんはこのお二人に気を使いすぎじゃないでしょうか?
競馬マスコミのスーパースターとしてこのお二人を、自分の師匠という立場以上に立てる須田さんの気持ちは分からないでもないですが、でもはっきりいって井崎修五郎はともかく、鈴木淑子須田鷹雄知名度の差なんてものは、絶対に誤差の範囲でしかないし、そもそも「スーパー競馬」が放送していない地域の人間で、鈴木淑子を見たことがないなんて競馬ファンは決して少数派ではないですよ、スカパー!やケーブルテレビに入っていない人の中には、「さんまのナンでもダービー」で一回だけ見たことがあるなんて競馬ファンは西日本にはゴロゴロいますよ、あとはせいぜい小倉のテレビ西日本の「ドリーム競馬」の際に二年に一回ぐらいの割合でゲストに来るぐらいでしょうか?
井崎さんにしたって、「スーパー競馬」はもちろん「噂の東京マガジン」が放送されていない地域も沢山あるわけで、そういう地域では完全に井崎修五郎は紙媒体でしか活動を見ることは出来ないわけで、というより僕も井崎修五郎は地上波では「さんまのナンでもダービー」とTBSの芸能人が200人出るクイズ番組でしか見たことないです。
はっきりいって井崎修五郎と須田鷹雄知名度の差なんてものは、菊沢隆徳菊沢隆仁どっちが有名かレベル、もっというと非ギャンブルスポーツファンにとっての浜野谷兄弟の知名度の差でしかなく、須田鷹雄がテレビ上であのお二人に関して、画面上で気遣いを示すほどの存在とは悪いけど思えないです。師匠であっても芸人なら頭叩(はた)かなアカンところでは叩(はた)かないとダメでしょう。半ば冗談とはいえ芸人を自称していた須田さんには余計に思いますよ。
とりあえず鈴木淑子が表面的な薄話しかしていなかったり、井崎修五郎が老いか酒が原因か分かりませんが、間違った話を垂れ流したり、騎手に対して幇間になっている状況に口を挟まずに困った顔しているだけというのは、色々と問題だと思いますよ、しかし青掲でも書いている人がいたけど、僕は須田さんは淑子さんとは共演するべきではないと思う、須田さんはボケたがりな気はするけど、どちらかというとツッコミポジションの人で、芸人やアイドルが薄い話をし出したときに、ツッコミを入れるというのがポジションだと思うのです。しかし鈴木淑子や井崎修五郎が相手だとツッコミを入れられないというのは、須田鷹雄というタレントの根本的な問題点であり、鈴木淑子が比較的薄い話しか出来ないこと考えると、須田さんと淑子さんの組み合わせは須田さんにとって利が無さ過ぎると思います。

ライトファンかマニア層か 〜地上波とCSの役割〜

これに関してそもそもフジテレビ739という媒体が、去年ぐらいから急速にスポーツ番組のライトファン向け傾向が強く、野球やサッカー番組についてもコアな番組がバタバタと終わったり、既存の番組がリニューアルされて、地上波の深夜にやってるようなスポーツ番組と変わらなくなってきているので、「酔いどれない競馬」だけの問題ではないのですが、とりあえずここは競馬番組だけに特化して考えてみます。
地上波の競馬番組の一番の問題はJRAに広告出して貰わないと競馬番組が作れないということに尽きるでしょう。野球やサッカーの番組でJFAやらセ・リーグの協会がテレビCM入れるなんてあり得ないですし*1、競馬番組はJRAが金出すという形でしか作られていないという現状があるわけで、「競馬予想TV!」や「酔いどれない競馬」以外は、フジテレビ739の競馬番組だってDVDになってるソフトを放送しているだけで、JRAの顔色を伺わずに競馬番組を作るノウハウが全くないという事情もあるんでしょうが、しかしそう考えたときに、須田鷹雄の存在感というのが大事になってくると思うんですけどね。
はっきりいってフジの人とかも、マニアへの訴えかけのために須田鷹雄を配置しているというか、それしか須田鷹雄の需要なんてものはないんですから、はっきりいって次のような井崎センセ、淑子女王からの説教なんて聞く必要ないでしょう。

そもそも、競馬大王の初期から私は雇われ出演者にあるまじき勢いでいろいろと局に文句を言い続けてきた経緯があり、局には一切文句を言わない流儀の井崎先生と淑子さんにマジ説教されたことがあるというほどであります。

井崎さんにとってテレビ出演というのは趣味みたいなもんであり、淑子さんは完全にタレントさんであって、放送局の人間と喧嘩する必要性がない人と、死活問題に発展する可能性がある人であり、須田さんとは立場が違いすぎます。
須田鷹雄を配置するという段階で、放送局の人間にはマニア向けに番組を作っていくにあたっての作家的ポジションでの意見出しを求められているべきと考えるのが普通で、このお二人の説教というのは解せないんですが、もっともJRを退社されて須田さんの将来について本気で心配していたらしいお二人ですから、競馬タレントとしての将来の食い扶持を繋げてあげることの方が大事と思った可能性は高いかも知れませんが(笑)。
話を戻しますと、須田鷹雄って存在は井崎・淑子のご両人とは、ビッグマイナーとリトルメジャーの違いになっていて、吾妻ひでおの時代と違い、いまはビッグマイナーが生き続けるに優しい社会にちょっとだけなっているわけで、というよりそれを求められている以上、井崎・淑子の説教は左の耳から右の耳にしていくべきじゃないでしょうか、いまさらリトル井崎修五郎が一人競馬マスコミに現れても、日本の競馬界にとってちっともプラスにならないでしょう。正直、いまの煮え切らないというか、どっち着かずのテレビ露出を続けるのなら、黒須田さんや山河さんや梶原さんといった方々に若手競馬ライター枠というテレビ界でのポジションを明け渡してほしいです。
とりあえずもうちょっと井崎さんや淑子さんに気を遣わずにやることが大事じゃないでしょうか? とりあえず「武豊TV」と「競馬予想TV!」で『スポーツとしての競馬』『馬券としての競馬』という要素はクリアしているわけですから、『競馬を語ることが競馬の最大の魅力』という『競馬読本シリーズ』的側面を出した番組を期待したいです。フジテレビ739でそれが無理になりかけているというのは寂しいですね。
ラジオでは競馬中継している毎日放送GAORAとか、MONDO21とかに競馬番組期待した方が早かったりするかもなあ(苦笑)。

うまッチ」とか「サタうま」がJRA広報企画の考える良い番組

とりあえずJRAの中の人には、『ハイセイコーブーム』とか『オグリキャップブーム』みたいな競馬ブームはもう二度と起きないという前提に立って物事考えろという言葉を突きつけたいです。
なんか個々の政策では時折良い施策もあるんですが、やっぱりここ10年とか15年ぐらいのJRAを大局的に見ると、『もうちょっと地に足付けて物事考えろ』という言葉がしっくり来るような気がします。
JRAが良いと思っている競馬番組ははっきりいって、ギャンブルでもなければスポーツでもない。JRAは競馬のギャンブル性はもちろん、スポーツ性まで否定している番組が良い番組というのでしょうか?

*1:まあ厳密には代表とか大会のオフィシャルスポンサーが入っているので、協会とかがノータッチということはないんですが