「爆笑オンエアバトル」

高得点が連発で一瞬449KBでもオオカミ少年ダメなんじゃないかと冷や冷やしていたのですが、結局はいつもの如く300K台前半のコンビが最後に残る展開に、なんか微妙に5年目から9年目ぐらいの層がお笑い業界って微妙に谷間の世代な感じで*1、本来そのあたりの層がメインであるはずのオンエアバトルなんかがモロに割り食ってる感じ。まあいまさらチュートリアルランディーズなんかがオンエアバトルに出てる場合じゃないしね、その影響から何でしょうが、オオカミ少年とかとかが早く出して貰えているのは嬉しい。
以下、触れたいところだけ触れる。

トータルテンボスは志の高いコンビだと思う、基本的に100点以上を取りに行く、自分たちのいまの実力より少し上のものを追い求めているコンビだと思う、このコンビの漫才師としての基礎的な力量とか造語センスに関して、関西のいくつかのコンビと比較されて、『なぜブラックマヨネーズやアジアンが落ちて、トータルテンボスが勝ち上がったのか』みたいな言い方は結構されているのを見るんですが、僕も確かに一つ一つのフレーズセンスとか技術的なことでいうのなら、関西の若手にトータルテンボス以上のコンビはゴロゴロ転がっていると思う、ただ造語フレーズを漫才で活かそうとするスタイルが、トータルテンボスは他のコンビならブリッジや掴みネタで終わらせるところで一本のネタにしたりする、造語フレーズを漫才に活かす方法が、これまでの漫才コンビにはないスタイルを築こうとしている、まだ築けてはいないけど、去年のM-1でナンチャンが審査コメントとして『新しいことがやりたいというのを感じる』という趣旨のことを言ってましたが、この辺の志の高さは審査員目線で見たら絶対に気付くし、それは評価に繋がるんですよね。
確実に75点取れるコンビが75点をきちんと取るのと、100点を目指してやった結果が70点だったら、『100点を目指した結果の70点』のほうがこういう芸術競技の審査員は評価が高くなるんですよね。
トータルテンボスは誰にも似ていない漫才をやりたい、それであれだけお客さんを沸かせる漫才が出来る以上、やっぱり僕は東京の若手の中では一番手グループにいると思うし、関西の実力派と呼ばれている若手を上げるぐらいなら、このコンビを上げた方が漫才界の発展という意味では生産的だと思います。このぐらいのこと言いたくなるぐらい、今回のトータルテンボスは良かったです。タイムオーバーしかけてたらしいけどね(笑)。このコンビが関西にいたら、賞レースはほとんどかっさらってたんじゃないでしょうか、審査員が評価しやすいタイプだとも思います。

今年に入って、レム色といい、オリエンタルラジオといい、イシバシハザマといい、この後出てくるオオカミ少年といい、M-1の敗者復活戦で会場を大いに盛り上げてくれた「これは漫才なのか?」という言いがかりを付けられやすそうな人たちが相次いで活躍しているのは嬉しい限りです。
今回は半分以上見たことがないネタでしだし、M-1の頃から明らかに力を付けているし、ネタも面白いものが増えていて素晴らしかった。連続ものが増えていたのが素晴らしい。三連チャンで最後のオチ前の二つ目ぐらいでもう爆笑と拍手起きてるもんなあ、ただお客さんには回文を読んだ後のミニコントが終わるまで拍手は待っていただきたい。まあ今回は最初だから仕方ないし、拍手したくなる気持ちも分かるんですが、後半になるとお客さんも分かってきて理解力のあるお客さんで良かった。短い文と長い文を出す順番が絶妙、エンタではどうも評判悪いらしいですが、このコンビはあくまでも演芸番組などで、亜流傍流ではあるけど漫才として括られる扱いをしてあげないと、単なるNHKのお兄さんみたいな安易な見られ方されちゃうと思うので、演芸番組はもっとレム色使ってやってほしいです。
オチの合わせ技はいまのところ見た全ての機会でスベリ知らず。

完成されている、素晴らしい。今年のM-1イシバシハザマオリエンタルラジオとの勝負だし、こんな短期間でここまで一つのスタイルの完成に成功したんだから、これが飽きられても他のスタイルを作ったり、普通の漫才やコントをやっても大丈夫でしょう。

  • 来週の出演者

ピースと長州小力が見たい、まあ小力さんはいまの勢いなら大丈夫だろうし、お客さんと共に盛り上がるタイプだからオンエアバトルの形式の審査だと心配ないけど、ピースみたいに冷血系というか、お客さんを突き放したようなネタやるコンビは不利だからなあ、「天才塾」ならと思うんですが、楽しみにしていたんですが、背広とサッカーのユニ衣装だったということは、あれかぁ……うーんオンエアどうだろ(笑)。

*1:丁度、関西の若手お笑いシーンが冷えていた時期だったり、ボキャブラM-1の間の時期なんですよね。