今日の演芸番組

スピードワゴンチュートリアルM-1でもう一回輝くことが出来ると確信した一日。

たけしの誰でもピカソ

今日は「お笑い居酒屋」第10弾。

「ガソリンスタンド」のネタはアンガールズの長いネタの中で一番面白かったけど、たけしさんの「じゃんがじゃんが」初体験も含めたたけし評が面白かった。こういう甘さを受け入れられるという話はいい。

ネタはご存じ最近の勝負ネタの「友達が自分の部屋で彼女の浮気相手に電話したら、それが実は自分だった」というネタですが、最近のネタの完成度の高さを感じると、先日のオンエアバトルの特番でやっていた昔のネタはもうやらないほうがいいなと思った、完成度が違いすぎる。ボキャブラで苦しんでいた頃のアンジャッシュといまのアンジャッシュは根本的に違うよ。

「甘ーい」がたけしさんにこれほどの評価を受けるとは……、「歴史に残るな」ですよ!! もうそれだけで今日は嬉しいです。てんやわんや、Wけんじ、球児・好児にたけしさんが並べるんだから、凄いよ(笑)。
いやでも確かに今年のスピードワゴンのネタ見ていると、「甘ーい」が完成の域に達しているのが分かるから、去年のM-1準決勝で清原のネタも面白いけど、「甘ーい」をやっても良かったんじゃないかなと思います。ただ本人達が「これが漫才なのか」というところに不安を感じていたというのにはビックリ、いやこれ漫才だって、そういう所が引っかかってM-1で出来なかったというのならもったいないです。変な評価は気にすること無いんだって、あれを漫才じゃないとか、ダイノジの「もてる〜」と似てるとかいうことを気にする、お笑いや漫才を分かっていない奴の評価なんて気にすることないんです。まあスピードワゴンは10年目に到達する前までに一度は最終決戦に残ると思うからそんなに心配していませんが、唯一の心配はもうM-1にエントリーしなくなることだけ、それだけが心配、あなたたちはM-1とは切って離せないんですから、エントリーしてくださいね、去年だって敗者復活戦に出ていたら麒麟と対抗出来ただろうし。

  • ホリ

ネタ番組にモノマネの人が出るのは相当難しいし、組み立てが弱い人多いけど、ホリはまだ演芸番組向けの構成が出来る方かなあ、ちょっとワンパターンだけどね。

ネタはもう今更言うこと無いんですが、こだま・ひびきの漫才は基本的に『往生しまっせ〜』『そんな奴おらへんやないかい』『あせるわ〜』というこだまさんの定番台詞が僕たち見ている側が、この流れだと次に『往生しまっせ〜』が来るぞと期待してそのタイミングで来てくれて嬉しいという漫才だったけど、ここで新たに『チッチキチー』というのが加わって、『往生しまっせ〜』が来ると構えていたのに、『チッチキチー』が来るという裏切りの要素が加わったのは、こだま・ひびきの漫才を厚くしたんだなあと、今回の舞台で感じました。あれは単なる意味のない一発ギャグではなく、こだま・ひびきの漫才に新しい味を入れました。でも『往生しまっせ〜』の使用頻度が下がったのは、ちょっと悲しいですが。
しかしネタ以外のフリートーク部分の感動がここは大きくて、こだま師匠の「(若い人のネタ見た時に)自分で分からん時あんねんな、これがなんで笑てはんねんなと分からん時あるから、それ物凄い気になるからわかるまで絶対見る」は痺れたなあ、こだま師匠格好いいなあ。
いやでもこういう姿勢だから、若い奴やることはわからない、あんなんは芸じゃないと切り捨てたりしないからこそ、こだま・ひびきがいま他のベテランがフェードアウトしていく中で、存在感を出しているというか、2004年5月13日時点で日本一の漫才師の地位にいると思っていますが、それはこういう姿勢が生むんだろうなと思います。いやーこのこだま・ひびきの充実に気付かないで『上方漫才大賞』をあげなかった関西の演芸界、テレビ界はやっぱりどうしょうもないよ、いまこだま・ひびきが熱いことに東京のテレビ局の方が先に気付いているのは、やっぱり恥ずかしいし情けない。
あーでも今年の『上方漫才大賞』が中田カウス・ボタンなのを記念して、次の「お笑い居酒屋」には出てほしいなあ、久しぶりにカウス師匠とたけしさんの絡みが見たいなあ。カウスのあんちゃんと喋ってる時のたけしさんは本当に楽しそうだし。

笑いの金メダル

野球中継で延長したら「たけしの誰でもピカソ」の方を優先しようと思っていたので、野球中継場早く終わったおかげで延長せずに、番組後半のチュートリアルの漫才が見れました、ありがとう西口さん(笑)。それにしてもやっぱりくりぃむしちゅ〜の他人のことを気にかけない振る舞いはこういう番組の司会向きじゃない、特に有田の他を犠牲にして自分を際立たせるやり方は、笑える範囲のこととはいえやっぱりヒドイわ(笑)、あとますだおかだがテレビのバラエティで今ひとつパッとしないのは、テレビ側の問題だということが今回改めてはっきりしました。増田も岡田もポテンシャル見せつけたよ(笑)、ますだおかだのネタは岡田さんが実は作ってるという噂、少しだけ信じる気になったよ(笑)、以下、ネタだけ。

  • ロバート

ロバートはもうネタやんない方が良くないかなあ、ネタを作って練っていく時間がないのからやらないほうが安全でしょう。いまファンダンゴでやってる昔のネタと比べるとちょっとネタの質が低すぎる。

ネタは「ツッコミ」、これが噂に聞いたネタですかあ、うーんこれはまだ試行錯誤中のネタだなあ、スピードワゴンというコンビにとってM-1は避けて通れない道だと思うし、上位進出のポテンシャルは充分にあるコンビだから、何とか良いネタ持って年末に向けていってほしいです。

「入学式の日にニックネームを決める」という結構昔からやってるネタですが、R-1でやったネタ同様に物凄くレベルアップしていて、そういう感動がありました。ただ「この辺から、微妙に名前がおかしなる」という前からすでにおかしかったのが、このネタの完成度を下げているので、是非とも最初の方だけは普通になりそうな名前で何とか頑張ってほしいです。「デッドラインを越えた瞬間に立ち会いましたよ〜」あたりの畳みかけ方が最高だっただけにもったいない。あの辺の観客に参加させておきながら、それを拒絶する手はずも見事で、ハローケイスケほっしゃん。かという選択を審査員としてやらなくては行けない時に、ほっしゃん。のほうに軍配を僕が審査員でもあげてしまいそうです。
ほっしゃん。のR-1優勝にというか、「ほっしゃん。VS井上マー」に関しては、僕はほっしゃん。97点、井上マー98点という僅差のどっちかというと逃げの評価をしたので、あまり言えないとこはあるのですが、どうもほっしゃん。派と井上マー派で意見の分かれ方が、いまだにかなり引きずっているようで、あのR-1が井上マーの尾崎ファーストコンタクトだった人には、井上マーが優勝しなかったことが納得出来ないようですし、逆に井上マーを見慣れた人にとっては、「審査員は普段の井上マーを見ていないから、あの程度の出来で僅差の準優勝にした」と思っているようで*1、なかなか難しいとは思うのですが、ほっしゃん。にしても井上マーにしても審査員目線で見た場合、あの出来は優勝にどっちもふさわしい出来だったと思いますし、あの日の調子が若干ほっしゃん。の方が上回っていたということで、ほっしゃん。の優勝、そして僅差の井上マーの準優勝は極めて妥当だったと思います。
本当の意味で一番完成度が高いネタをやっていたのは中山功太だったと思うけど、客、審査員、ほぼ始めてと言っていい大舞台であのネタの選択は、ちょっと間違っていたように思います。まあ普通に来年のR-1は優勝候補だと思いますが。

ここからワンミニッツショーですが、超新塾はワンミニッツショー向きじゃないなあ、というかこのネタも普通にネタやって、編集で無理矢理一分にして貰った感じだし(笑)。

どうしてもモノマネの人ってネタ番組に出ると違和感あるよなあ。

もうこの人とH.G.(レイザーモラン住谷)は生で観て以来、かなり贔屓目というか、何をやっても面白くなっているので、冷静な紹介が不可能です(笑)。

ネタは昨年、上方漫才大賞で新人賞を獲った時と同じ「徳井さんがカメラマンになって、福田さんをモデルになってもらうために交渉する」というネタ、しかしこのネタで徳井さんが福田さんにギャラを提示するという部分が最近削られているのは、やっぱり色々と問題あったからなのかなあ、結構効いていたと思うんですが。
このネタと「はてなのコウちゃん」を完璧に演じることが出来れば、今年一年のテレビ露出は上昇方向で耐えられるし、M-1三回戦までは大丈夫ですし、そしてチュートリアルは一本スゴイネタをあまり現状テレビで露出させないでいるので、そのネタを高めていけば、今年のM-1ファイナリストの可能性は極めて高いと思う。少なくともうめだ芸人の中で一番M-1に近いところにチュートリアルがいるのだけは間違いないでしょう。まああとは福田さん次第ですが、福田さんがここ数ヶ月凄い成長度だから、その問題は簡単に解決されそう。しかしこのコンビは徳井さんが度が過ぎた男前というのは良いのか悪いのか分かんないよなあ、徳井さんが演じてるキャラも本人の資質も自体は天津の向くんやとろサーモンの久保田くんを上回っている気持ち悪さなんだけど、それがあの男前っぷりでで中和されていることが良いことなのか悪いことなのかは、結構判断に苦しい(笑)。*2

  • サバンナ

ネタは「タイムパトロール」……って今更これかよ(笑)。本当にこのコンビは「空手の型」といい「成長」といい、昔からやってるネタいまだに引っ張るよなあ、ただ昔演っていたのと比べて、今の方が遥かにも面白くて、ようやっと技術がネタに追いついたという所なんでしょうか。最近のネタが若干高橋さんが前に出すぎている感があるなあ、というのは昔のネタ見ていると感じる。

この世代の漫才コンビで現状やはりここが一番でしょう。M-1優勝者と同格の力を感じますし、いま東京吉本のルミネ芸人の漫才力が劇的に向上しているのも、全てこのコンビが引っ張っているおかげだと思います。

*1:岡田斗司夫さんがWeb上やモノマガの連載で文句言ってたのもこの評価軸のように思います。

*2:しかしいま見直してみると2001年のM-1のチュートはなんであんなに急いだネタ運びだったのかなあ、正直大阪の客票がなかったら最下位の可能性が高かったよなあ、あっ審査員点数本当に最下位だったんだ……