「R-1グランプリ2005」

今回から点数発表で分かりやすくなって良い感じです。最初は雨上がり決死隊のバラエティぽい司会はどうなるかと思いましたが、きちんと緊張感もお笑いの舞台の雰囲気も兼ね揃えた良い舞台になりました。以下、名前の後はR-1の公式の順位と審査員の総点数、僕の感想の最後に僕のリアルタイムに付けた評価点です。過去は純粋に視聴者として楽しみたかったのでやらなかったのですが、ホワイトボード購入記念で点数や評価・感想メモを書き留めていたのでやってみました。

長州小力 (8位・429点)

まあある意味唯一ここに残っただけで勝ちな人ではあるのですが、まあみんな言ってることだけど、思いっきり千鳥になってしまいました(笑)。いやでも正直、千鳥のM-1と比べたらこっちのほうが全然上でしたよ、最低得票がこのレベルというのは凄いことですよ、とにかく僕はお喋り部分が良かったことに感動、逆に本来は一番の目玉のはずの動き部分の後半がダレちゃったのが残念、お喋り部分を増やしていたら最下位はなかったかと、動き部分に関してもなんでパラパラやらなかったんだろう、というかパラパラみたいんで、笑わず嫌いではパラパラやりますように、84点。

ネゴシックス (4位・458点)

中盤凄く畳みかける感じと台形とかヒモ引っ張ったら外れとかも良かったけど、惜しむべくは前半とオチ前の弱さ、まあオチ自体がグダグダなのは別に良いんだけど、やっぱりこういう演芸って前半と後半の印象が一番大事だから印象度が弱くなるんだけど、ネゴシックスのこのスタイル自体がそろそろマンネリ化してるから、掴みとオチ前に強烈なインパクトを残せるようにしないとこの先ちょっと厳しくなってくるかも、86点。

あべこうじ (3位・471点)

エンタとかで最近やってる、テーマ絞ってあるあるネタ的な展開でいくのより、去年のR-1やR-1総集編でもやった今回みたいな色んな話題横断していく方が面白いなあと思ったのと、最近ちょっとエンタとかでは若干ウザイキャラ抑え気味に見えるけど、ウザイキャラはこんな感じで全開で常にいくべきです。僕は前回、優勝と思ったとプレビューで書いたけど、前回より良くなったと思うのは少しネタの途中に照れるようになった所ですね、やっぱり演劇と演芸の違いっていうのは、そういう所にあると思っているので、あの途中で照れる所がないとお笑いとして辛いところがあるので、その辺計算でキャラに徹しなくなっているのは去年より上の所だと思いました、キャラに徹したらそれは演芸ではなく芝居なんですよ、俯瞰して自分を客観視して時折素に戻るからこそ、芝居ではないコント、漫談というジャンルがそこにあるんです、成り切らないというのは大事なんですよ*1、95点。

友近 (4位・458点)

あーソーセージ……やっちゃった(笑)。さすが友近*2の由来になっただけのことはあります。またもやネタ選択に大失敗ですよ、自分が好きなネタをやると事前番組等でも公言していたらしいですが、ソーセージは受けが悪いって自覚無いんですかこの人は(苦笑)、尊敬しているのは分かるけどバッファロー吾郎ケンドーコバヤシの道は目指してなるものじゃないと思うよ、向かっていって到達出来る点じゃない。審査員票がある程度高いのは演技力、発想力など玄人を唸らせる点はあるということでしょうが、一般素人を納得させないと玄人受けも意味がないわけで、あー南野やじ出して欲しかった、70点。

ヒロシ (6位・436点)

いや僕も最初は「ヒロシです。」じゃないことについて、新しいことにチャレンジする姿勢は素晴らしいと一瞬思いましたよ、でもねあれは新しいことに果敢にチャレンジじゃないですよ、あれは「ヒロシです。」で勝てる新しいフレーズが思いつかなかっただけ、つまり逃げた結果の新ネタですよあれは、なんでキラーワードがないままに新しいネタをやってしまったんでしょうか。普通に「ヒロシです。」をやっても平均85点のネタになったろうに残念です、正直後半見てるのが辛かった。まあ色々と申していますが伊東四朗師匠の愛あるアドバイスが全てでしょう。伊東四朗は良いなあと思いました。しかしヒロシはR-1が世に出るきっかけになったのに、こんな形で去ることになりそうなのは残念、リベンジしてくれると嬉しいんだけど難しいだろうなあ、あーお〜い!久馬出して欲しかった、65点。

ほっしゃん。 (優勝・478点)

前二つが連続して滑ってしまい、観客が笑わせてくれることに飢えていたという出番順にも恵まれたというのは確かなんですが、それ以上にフレーズセンスが大爆発で、とりあえず僕の中では外れたフレーズが一つもないままに、大爆笑のまま終わってしまいました。ルーマニア京唄子あたりからエンジン全開になった人もいるでしょうが、僕はもう最初のオールキャベツで取り込まれて、あとはそのまま惰性で全部笑いました。いやでもあれだけフレーズのギャグを繋げていって、一つも外さなかった、笑えないものが無かったというのは素晴らしい、感服致しました。本当はもっと高くても良いんだけど、あとがもっと良かったときのために、97点。
しかし結局、ほっしゃん。が涙×2の優勝を飾ったわけですが、正直チュパチャップス天素に入る前から、お笑いネットワークの新人コーナーに出てた頃から見ている自分としても大いに貰い泣きさせて貰ったというか、ネタが終わった段階でも凄い良いネタやって貰って感動していたぐらいなので、いや泣いて良いよ、というかあんねー言わせてもらうけど、こういうときに泣く芸人寒いとかヌカしている連中、お前らみんな鳥インフルエンザにでもかかって死んでしまえ(笑)、いや芸人さんはみんな人生賭けてやってんだよ、こういうことでみんな人生変わるんだよ、ましてM-1にしてもR-1にしても真剣勝負なのはテレビ局だとか主催者の煽り方とかじゃ決してないの、参加者がみんな自分たちの人生の勝負として本気で挑んでいるからこそ、そして自分はもちろん戦ってきた相手も同じ気持ちで挑んでいるということが分かっているからこそ、涙も出てくるんですよ、本当にそれが分かんないようなクソ野郎、人でなしはもう二度とお笑い番組、演芸なんて見るな、お前達みたいな人の気持ちが分かんない、芸人が人生を賭けた勝負を理解出来ない奴は、他人に笑わせて貰う資格はない。何故、ほっしゃん。の優勝が発表されたときに、他の対戦相手の芸人がみんな喜びを隠さなかったり、もらい泣きの表情を必死で隠していたのか、普段ならこういう所で泣いたら茶化す宮迫さんがただ黙って背中を叩くだけだったのか、それはほっしゃん。の15年の芸歴の蓄積、「何回も辞めよう思たんですよ、もう、でもホンマ、続けてたらねえ凄い良いことあるなあて思いました」という言葉の重みが理解出来ているからでしょう。それが分かんない人でなしは笑いについて語らないでほしいです。しかし平均95.6点っすか、素晴らしい良かったねえ、走馬燈のように思い出すのが天然素材の頃ではなく、それ以前のチュパチャップスだったりします。本当に辞めなくて良かったね(涙)、あと今日は後ろに並んでいる後輩達に本当に良い先輩の背中を見せていました、もう本当に泣けるわ。あんなけ笑わした上に泣かすなんてほっしゃん。貴方は最高です。「楽しかった」という終わった後のほっしゃん。の感想、全てでしょう、本人がまず一番楽しむことが一番のお笑いに必要なことでしょう。昨日は田島騎手に乾杯で飲みましたが、今日はほっしゃん。に乾杯で飲みます(笑)。

中山功太 (7位・434点)

テレビで出来るネタの中では一番の十八番であるDJモンブランを持ってきた、いや良かったと思う、最初は居酒屋編というネタの選択は失敗したかなと思ったけど、中盤以降盛り返していって良かったと思うけど、でもやっぱりもっと良いネタがあったような気がするなあ、ポテンシャルは見せつけたという、去年のM-1東京ダイナマイトと同じ感じ、中盤から後半にかけて素晴らしかっただけに、前半の印象の悪さが浮き出た感じ、ポテンシャルはしめせたかなあ、八方さんの後半良かったのにという評価は前半ダメだったという裏返しでしょうね、あと、こういうテープや映像使うネタは、アドリブやネタの軌道修正効かないという厳しさを再確認。しかし次に向けてというか全国向けのお披露目という意味では悪くなかったと思う、92点。

井上マー (2位・473点)

尾崎で来てくれたよかったあ(笑)、いやここは尾崎外すなんて無茶してくることだけが心配だったのでとりあえず一安心、友近病には感染していませんでした(笑)。正直僕は大好きだけど知っているネタだったから、未見だったほっしゃん。と比べて不利かなと思ったけど、自分的に新ワード、新フレーズも随所に組み込まれていて、一方で聞きたいなと思っていたフレーズは「柔ちゃんの前髪」以外全部出てきてサイコー、あと井上マーの尾崎以外の素の状態を最初の勢揃いの所で見れたのも嬉しかった(笑)、ハナっからここはほっしゃん。との比較で見ていて、最初は圧倒的にほっしゃん。でしたが、最終的に全くイーブン、でもやっぱりこういう点数付ける以上は優劣付けるべきと思い、1点差で僕はこっちにしましたが、ほっしゃん。井上マーが優勝でしょと思っていたので満足な結果でした、98点。
結果的に友近とヒロシの印象でレベル低いといってる人が多い印象、それはないよなあ〜、とりあえずこの二人ではなく、南野やじお〜い!久馬であるべきだったかなということ以外は全体的に満足な大会でした。審査員も良かったなあ。

*1:それを分かっていないのが劇団ひとりだと思う、まあいま一番迷走している時期なんでしょうが。

*2:大舞台、賞レースで「なんでそのネタやるの?」と客を戸惑わせるようなネタ選択のミスをすること