第26回ABCお笑い新人グランプリ・プレビュー

最初はオールザッツとM-1の敗者復活戦を見直した感想やり直しとかやろうと思ったけど、それをやったら本格的に色々と支障が出てくると思うので、パートを分けてやろうと思いました。
ということで第26回ABCお笑い新人グランプリの決勝に残った10組を中心に今回はお送りしてみます。プレビューというか予想も兼ねてやってみます。タカオカナ!以外全部見ることが出来たし。
とりあえずこの賞は、おそらくM-1が出来るまでは一番関西の若手にとって大きな賞だったと思う、他の若手賞レースがどちらかというと既に評価がある程度固まった人たち選抜なのに対して、これは芸歴と関西の芸能プロダクションに所属していること以外はオールカマーだし、これきっかけで名前を売るコンビが多いので、挑む側の構えが違う賞だとも思う。
あと異様に一番人気が負ける、90年代に入った頃ぐらいにはティーアップ雨上がり決死隊矢野・兵動千原兄弟が一番人気で負けて、ブレイクのきっかけを失ったりしたこともありました。一時期失墜しかけていましたが、審査員から藤本義一難波利三といった関西系文化人の連中を排除して、大竹まこと審査委員長を中心にタレント、現役で売れている作家さんを中心の審査員にして、笑い飯を差し置いてチョップリン友近を差し置いて千鳥というサプライズな上に納得のある審査をするようになりました。
今年は喜味こいし師匠の名前が審査員にあったり、去年の審査員だった町田康が終始、南海キャンディーズ推しだったことなどもあり、審査員の質については安心出来るようになったのは大きいです。
あとこれも何年か前から、一発勝負ではなく、まず1回戦で三人選んで最終決戦をやって、それで勝った一組を最優秀新人賞、他の二組を優秀新人賞にして、最終決戦に残れなかった人たちから審査員特別賞を選ぶというレギュレーションになっています。
あと何らかの賞にでも掠ってしまうと、以後はノミネートされないということもあります。だから去年の南海キャンディーズの優秀新人賞を朝日放送はしまったと思っていると思う(笑)、今年出せてたら目玉にもなったのにねえ。
では以下、出番順番でいきます。

ネゴシックス
もうご存じ島根のヒーロー・ネゴシックスです。最初は最後三人に運が良ければ残れるかなとも思ったんですが、一日に二回違うネタを見たいと審査員に思わせる芸風じゃないし、審査員特別賞有力候補ということで、来年のR-1ぐらんぷりに向けて良い叩き台になりますように。注
はだか電球
とりあえず「平安時代の鬼ごっこ」のネタがあれば、最終三組には確実に残れると思う、確実に大竹まこと好みだし、その上で去年の町田康とか、あと山田五郎のような審査員が来れば鉄板で残ると思う。ただ他のネタが苦しいという話はよく聞くので、優秀新人賞止まりでしょう。ただ連軸としては一番固い。○
アジアン
今年関西のナンバーワン女性漫才コンビにまで一気に上り詰めた感のあるアジアン、おそらく今回は大本命の下馬評だと思うんですが、ただやっぱり「早口言葉」以外のネタが弱すぎる上に、去年のABCお笑い新人グランプリでそのネタを使ってしまっていて、あの「早口言葉」のネタをもってしても去年最終三組に残れなかったことを考えると僕はダメだと思う。思い切って無印。
イシバシハザマ
一発目に「おかしな話」を持ってくれば、審査員特別賞も含めて賞取れると思う。昨日のオールザッツの「笑いが六分咲き」やるぐらいなら、中身を変えて「おかしな話」を二回ともやった方が良いような気がする。△
スーパーZ
M-1の敗者復活戦では、お客さんがようやくこのコンビについて理解して笑えるようになった頃に時間が来てしまった感じでもったいなかった。はだか電球と違ってワニのネタ以外にも良いネタ持っているようだし、思い切って最優秀新人賞候補の一番手に挙げたいです。◎
NON STYLE
僕はこのコンビ、夏の段階では「M-1ファイナリスト確実」といって、「笑い飯が勝手に転けてくれたら、最後の三人に残れる」と宣言していたら、その後ズルズルとフォームを崩して準決勝にすら残れなかったNON STYLEですが、何とかこれをきっかけに取り戻してほしい。
とりあえず漢字のネタと生まれ変わったら何になりたいかというネタと同じぐらいクラスのものを用意できれば、このメンツならぶっちぎりで優勝できる力が本来あるはずだと僕は思うのですが、Baseよしもと入れ替え戦でも11月、12月と二ヶ月連続でビーイチ組で1位だったらしいですし、復調を期待します。*1とりあえず優勝かラスト三組にす残れないかのどっちかだと思うということで。▲
エージェント
正直、ネゴシックスの審査員特別賞を阻むのならこのコンビだと思う。ただここでそういう賞を拾うより、もう一年か二年後にラスト三組に残れるぐらいのネタを用意できるようになるまでは入賞は逃しても良いような気がする。一応×
タカオカナ!
唯一の未見コンビ、凄かったら仕方ない。
にのうらご
あんまり見たことないコンビだけど、僕が見たときはいずれも三人という利点を活かせていないように思った、そう考えるとトリオユニットの大竹さんが審査員にいるのは厳しそう。僕が見たときだけたまたまそうだと良いのですが。インスタントジョンソンよりにのうらごの方が面白いという評価はよく見かけるし、それは同意なんですが、インスタントジョンソンより面白いというのはホメ言葉になるんでしょうか? せんたくばさみあたりがピラミッドの頂点にいるぐらい層が薄いトリオ漫才業界だからなあ。*2
なすなかにし
僕はこのコンビの古くさいというか、廉価版のメッセンジャーという感じが基本的に好きじゃないので、個人的な好き嫌いで嫌いなコンビに対して論評するのはアンフェアだと思うので論評不可で、ただそんな僕でも思わず口に付いちゃう言葉を出してくることがあるので、それがきちんと出れば入賞できると思う。△

ということで、大賞はスーパーZ、優秀新人賞候補にイシバシハザマとはだか電球、そこにNON STYLEが割り込むことが出来るかどうか、割り込むことが出来ればNON STYLEが大賞だと思うけど、割り込むこと自体が大変かもしれない。

*1:そうは言っても所詮は南海キャンディーズを6位にする客の投票とか思ってますけどね、なかなかビーワンに南キャン上がらなかったしねえ。

*2:いやせんたくばさみは確かに面白いとは思うけど、ピラミッドの頂点にいるのはどうかと思うんですよ