今日買ったわけではない2冊

殷周伝説 太公望伝奇 (7)(横山光輝/潮出版社/390円)
 連載が終わっている作品だけに単行本の間隔が早い(笑)、というかなんでリアルタイムで出なかったんだろ? 横山光輝自体のことを語るのは、かなり何を今更なのですが、一点だけちょっと線に力がないというか、微妙にふるえてたりしているように見えるのは気のせいでしょうか? 年齢的な衰えが線に出始めている時期ということはないのかな? こういうの描ける人は分かるんだろうなぁ、うらやましい(笑)。作品的にですが、ここで描かれている時代というのは三国志項羽と劉邦の時代よりかなり前になるわけで、幻術的なものや物の怪の類が普通に出てくるおもしろさはあるのですが、戦の戦術がさすがに三国志の頃と1000年以上の開きがあるため、ちょっと三国志などを読んでいた人には単純な戦術でカタが付いているように見えるんですよね、その辺をどうやっているのか、殷という国は前世紀になって実在が確認された、19世紀までは物語神話のような扱いを受けていた時代ですし、そのあたりで可能なハッタリをどこまで見せてくれるかが鍵になりそうですね。そんなん書かせたらまだまだ横山光輝は随一の一人だと思うので、これからが楽しみです。
吼えろペン COMIC BOMBER (9)(島本和彦/小学館/533円)
 島本さんヤリ過ぎな作品目白押しの巻です。勢いが薄いとか一部で言われていた島本さんの逆襲の巻ともいえるかも……というか逆襲し過ぎています(笑)。「サイン会」「マンガ専門学校」「原稿紛失」「編集者が原作」って業界裏ネタマンガになってきてる(笑)。そういえば今月のGXも「マンガ家審査員による漫画賞」なんてネタだし(笑)。最後のアイデアが何にも浮かばずに苦労した回は、これを書いた直後のラジオなどでも色々と語っていましたが、読んでる途中からもの凄い異様なエネルギーが背景を知らなくてもプンプン伝わってきます。これを描けるのならやっぱりもうすぐ始まるといわれている「逆境ナイン プロ野球編」もやっぱり楽しみなわけです。